教室の発表会や小規模展で「冊子にまとめたい」と考えている方へ。判型や綴じ、ページ配分や余白の取り方など、最初の決めごとで迷いやすいですよね。たとえば「判型と綴じは何を優先すべきか」、「余白とグリッド(見えない桝目)の基準」、「写真の解像度(画像の細かさ)の目安」などは代表的な悩みです。本記事では、決める手順と判断基準、そして実務で使えるチェックの観点を、やさしい言葉で整理します。読み終えるころには、必要十分な仕様を自分で選び、迷いなく進行できる状態を目指します。
目的整理と仕様決定の基準
最初に「誰に、いつ、どこで、どう読まれるか」を言語化します。会場で立ち読みされるのか、持ち帰ってじっくり読むのか、出展者の記念保存が中心なのかで、判型や文字サイズ、図版の大きさは変わります。読み手の距離や光環境、手に持ったときの重さも想像します。会場での立ち読みが中心なら軽くて開きの良い中綴じ(ホッチキス留め)を選ぶ手があります。記念性や保存性を重視するなら無線綴じ(のり綴じ)でしっかりとした背を作る考え方が合います。ここで目的文を短く書き出すと迷いが減ります。例:「会場で手早く見られ、出展者へも配れる写真主体の記録冊子。手荷物の負担にならない軽さを優先」。
判型・綴じ・部数の決め方の目安
判型はA4かB5が扱いやすいです。A4は作品を大きく見せたいとき、B5は持ち運びやすさとコストのバランスを取りたいときに向きます。綴じは、ページ数が少なめ(およそ16~48ページ)なら中綴じ、厚め(およそ64ページ以上)や保存性重視なら無線綴じが目安です。部数は配布対象を具体数で推定します。出展者数×家族・関係者、会期の来場者見込み、追加販売や学校・図書室への寄贈数などを足し合わせ、予備として+10~15%を上乗せします。例:出展者20名×2=40、来場者見込み120、寄贈10、予備15%→合計約200部。これらはあくまで目安で、印刷方式や用紙在庫、予算との兼ね合いで微調整します。
予算と制約から優先順位を決める
限られた予算では、何を優先するかの合意が重要です。優先候補は「図版サイズの大きさ」「紙の白さと厚み」「カラー頁比率」「刷り部数」「製本の耐久性」などです。たとえば、写真を大きく見せたい場合は判型を大きくし、紙は中厚で白色度の高いものを選ぶ一方、カラー比率や部数をやや抑える判断があります。逆に配布範囲が広いなら部数を確保し、判型や紙厚を控えめにします。「何を守り、何を譲るか」を先に言葉にしておくと、後のレイアウトや台割(全体のページ配分)調整がスムーズです。
| 項目 | 推奨の目安 | メモ |
|---|---|---|
| 判型 | A4/B5 | 大きく見せるならA4、携帯性はB5 |
| 綴じ | 中綴じ(16~48ページ)/無線綴じ(64ページ以上) | 会場配布中心は中綴じ、保存性は無線綴じ |
| 用紙 | コート系90~110㎏相当 | 写真多めは光沢、文字多めはマット系 |
| 部数 | 推定配布数+10~15% | 欠損・追加配布に備える |
| 標準余白 | 天12mm/地18mm/ノド15~20mm/小口10~15mm | 地(下端)を広めにして安定感 |
紙面設計の原則(余白・グリッド・文字)
紙面設計は「余白」「グリッド(見えない桝目)」「文字組」の三点をそろえると、素直に整います。余白は作品を呼吸させる空間であり、詰め込みすぎるほど印象は窮屈になります。グリッドは配置の基準線で、要素を「どこに置くか」を決める物差しです。文字組は読む体験そのものを左右します。ここで数値の目安を持っておくと、後の判断が一貫します。以降では初出の専門語に簡単な言い換えを付けながら、実務で使える最小限の基準を示します。
余白設計の考え方と安全域(トンボ内側)
余白は上下左右で役割が異なります。下端の地は指で支える分だけ広めに取り、安定感をつくります。上端の天は見出しやノンブル(ページ番号)の余地を確保します。綴じ側のノドは開きに食われる分を見込んで広めに、外側の小口はめくりやすさを優先します。目安として、天12mm・地18mm・ノド15~20mm・小口10~15mmを起点に、図版の見せ方や文字量で微調整します。断ち切りの図版には塗り足し(裁断ずれ対策の余白)を各辺3mm加え、トンボ(印刷位置の目印)の内側に重要情報が入らないよう安全域を確保します。ここを数値で決めてから作り始めると、後のレイアウト崩れや再調整が減ります。
グリッド(見えない桝目)と段組の基本
グリッドは要素配置の座標のようなものです。作品図版、キャプション、見出し、本文の基準線を共有すると、ページごとの表情が変わっても全体の秩序が保てます。たとえば、左右マージンを固定し、本文は1~2段、キャプションは図版の外側小口寄りに置く、といったルールを先に決めます。行送りはベースライン(行の基準線)でそろえると揺れが減ります。本文サイズが9~10.5ptなら、行送りは文字サイズ×1.4~1.6倍を起点に試し刷りで調整します。図版は面積の比率で大小を作り、同じページ内で極端に競合しないようコントラストを付けます。グリッドは厳密すぎると硬くなるため、「基本を守りつつ、作品に合わせて1割ほど遊ぶ」程度の余白を残すと自然です。
情報項目の統一と台割(ページ配分)の考え方
図録づくりは、内容を集める前に「何を、どの順で、どれだけ載せるか」を決めておくと混乱が減ります。特にキャプションの項目と表記ルール、そして台割(全体のページ配分の設計図)を先に固めると、入稿後の差し替えや表記ぶれが激減します。ここではテンプレート化と配分の考え方を最小限の手順でまとめます。
キャプション項目のテンプレート化
キャプションは「作品タイトル/作者名(ふりがな)/技法(例:油彩、写真、ミクストメディア)/サイズ(例:H300×W200mm)/制作年/所蔵/撮影クレジット」の順を基本にすると迷いがありません。英数字は半角で統一し、ダッシュや区切り記号も揺らさないようにします。たとえばサイズ表記は「H×W×D」の順で固定し、単位はmmで通します。タイトルの表記ゆれ(「No.1」「No1」など)を避けるため、提出テンプレートに記入例を入れておくと良いです。長文解説を載せる場合は、本文とは書体やサイズを変えて役割を分けます。初出の略語には括弧で言い換えを添え、誰が読んでも解釈がそろうように配慮します。
台割(全体のページ配分)の作り方と見直し
台割は冊子全体の見取り図です。口絵(巻頭の見せ場)、目次、作家ごとの作品ページ、巻末資料といったブロックを並べ、各ブロックのページ数を仮置きします。作品は「作家ごとに均等」か「出展点数に比例」かの方針を先に決め、例外の扱い(受賞作品は見開きにする等)も明文化します。見開き配置を多用する場合は、ノド側に重要部分がかからないよう試し刷りで確認します。全体のリズムを作るために、数ページごとに小見出しやコラム(短い解説)を挟む方法もあります。最初の台割は余裕を持っておよそ+2~4ページのバッファを確保し、原稿や写真の到着状況に合わせて段階的に詰めていきます。見直しのたびに目的文へ立ち返り、「誰にどう読まれるか」と整合しているかを点検します。
作品ページの作り方(図版サイズ・キャプション・見出しの設計)
作品ページは「図版の見え方」「読む順路」「情報の粒度」をそろえると、全体の統一感が生まれます。まず、見開きで強弱をつける場面と、単ページでテンポよく見せる場面を分けます。視線は左上から右下に流れやすいため、主図版と補助図版の大小関係や位置を先に決めておくと迷いません。キャプション(作品情報)は読み手の動線を遮らない位置に置き、本文や見出しと役割が重ならないようにします。ページ上部には柱(ページ上部の通し情報)やノンブル(ページ番号)を整え、同じ高さでそろえると安定します。以降では、図版サイズ、キャプション、見出し・柱の順に、実務の判断基準を示します。
図版サイズと配置の決め方
図版は「最終仕上がりサイズで何%の面積を割くか」を決めてから、位置を選びます。単ページで主図版を大きく見せるなら、短辺基準で余白を確保しつつおよそ70~85%の幅に収めると、呼吸感が保てます。見開きで迫力を出す場合は、ノド(綴じ側)に重要部分がかからない作品を選び、トンボ内側に主題が収まる配置を試し刷りで確認します。複数作品を同ページに並べる場合は、大小のコントラストを明確にし、最小図版は本文文字と競合しない大きさ(最短辺40~50mm程度)を下限にします。余白は天・地・ノド・小口で役割が異なり、図版の外側小口側をやや広く取ると、キャプションやめくり動作と干渉しにくくなります。断ち切りは塗り足し3mmを忘れずに加え、裁断のブレで主題が欠けないかをチェックします。
キャプション配置と書式の整え方
キャプションは「読む位置」と「読む順番」を一定にします。基本は図版の外側小口寄り下段に置き、本文より一段小さな文字サイズ、やや詰めた行間で情報密度を上げます。項目は「作品タイトル/作者名(ふりがな)/技法/サイズ(例:H300×W200mm)/制作年/所蔵/撮影クレジット」の順を基本にし、英数字は半角で統一します。長いタイトルは途中で任意改行を許可する一方、サイズや年は途中改行を避ける禁則(行頭に記号や単位が来ないようにする約束)を設定します。複数言語を併記する場合は、和文→欧文の順で配置し、欧文は行間を気持ち広めに取ると読みやすくなります。キャプションと本文の距離は一定に保ち、図版と接しすぎて「貼り付き」に見えないよう、最低でも3~5mmの間隔を確保します。
見出し・柱(ページ上部項目)とノンブルの整理
章見出し・節見出しは「階層が上がるほど余白が増える」原則で設計します。章頭は見出しの前後に十分な空きを取り、柱には章名または作家名を入れて現在地が分かるようにします。左ページは章名、右ページは節名のように役割分担すると迷いません。ノンブルは本文の視線を邪魔しない位置(小口側下部が扱いやすい)に置き、図版が断ち切りの場合はノンブルを内側に寄せるなど例外ルールも定義します。黒文字は可読性を優先してK100(黒インキのみ)を基本にし、見出しやベタ面の黒はリッチブラック(例:C40% M30% Y30% K100%)を使うと締まりが出ますが、紙質や印刷方式によってはにじみが出るため事前の試し刷りで確認します。
図版データ準備と入稿の手順(解像度・カラーモード・PDF/X)
データ準備は「最終出力サイズで足りているか」「色が想定どおりか」「入稿仕様に適合しているか」の三点で点検します。印刷会社の仕様書がある場合は必ずそれを優先しつつ、ここでは一般的な目安を示します。まず、解像度(画像の細かさ)は最終サイズでの数値を基準に確認します。色はRGB(ディスプレイ用の色表現)からCMYK(印刷用の色表現)への変換で沈みや転びが起きやすいため、ICCプロファイル(色変換の基準ファイル)を指定して早めに試作PDFで確認します。最後に、ファイル命名・フォルダ構成とPDF/X(印刷向けの規格)での書き出しを行い、塗り足しやフォント埋め込みの欠落をチェックします。
解像度・トリミング・シャープネスの基準
写真図版は最終仕上がりサイズでおよそ300dpiを基本にします。たとえばA4縦の短辺210mmに写真を一杯に使う場合、必要画素数は約2480ピクセル相当です。B5短辺182mmなら約2150ピクセルが目安です。細線の多い線画は600dpi、網点化でモアレが出やすい原稿は元画像のサイズに余裕を持たせます。トリミングは被写体の意図を損なわない範囲で行い、断ち切りの場合は上下左右に3mmの塗り足しを追加します。シャープネス(輪郭の強調)は原寸表示で効果が強すぎないか確認し、印刷で強調されやすいので一段控えめに調整します。スマホ写真でも最新機種なら必要画素を満たすことがありますが、暗部ノイズや圧縮跡が出やすいため、拡大チェックを習慣にします。
カラーモード・色管理(ICC)・濃度の目安
色は原則としてCMYKに変換してからレイアウトします。RGBのまま配置すると自動変換で意図しない色転びが起きる場合があります。ICCプロファイルは印刷会社の指定が最優先で、指定がない場合は用紙や印刷方式に合った一般的なプロファイルを選びます。総インキ量(C+M+Y+Kの合計)はおよそ300%以内を目安にし、シャドー部が潰れないように最大値を管理します。本文の黒文字はK100のみ、見出しのベタ黒や大きな帯はリッチブラックを使うなど、用途で使い分けます。特色(特別な単色インキ)を使う場合は、指定のスウォッチで運用し、CMYKへ自動変換されないよう注意します。モノクロ再現はグレースケールに統一し、2階調化は線画のみに限定するなど、運用ルールを文書化しておくとブレが減ります。
ファイル命名・フォルダ構成・PDF入稿チェック
ファイル命名は「通し番号_作家名_作品名_版数」のように規則化し、例:「p012_suzuki_blue-bird_v03.tif」。派生ファイルは版数で管理し、最終入稿データのみ「final」を付けるなど誤出稿を防ぐ工夫をします。フォルダは「01_画像原本」「02_レタッチ済」「03_配置用」「99_納品(入稿)」のように段階で分け、原本は不可逆圧縮を避けて保管します。PDF入稿は印刷会社の指定バージョンに従い、塗り足し3mm、トンボ付き、フォント埋め込み、画像のダウンサンプル禁止(または高画質)などの条件を満たすかを事前に点検します。リンク切れ、オーバープリント、透明効果の分割などはプリフライト(事前検査)で確認し、問題が出たらレイアウト側で修正します。
| 項目 | 基準の目安 | 点検観点 |
|---|---|---|
| 最終サイズ | 仕上がりでの実寸配置 | 拡大率100%時に解像度を確認 |
| 解像度 | 写真300dpi/線画600dpi | 粗れ・モアレの有無 |
| トリミング | 主題を損なわない範囲 | 断ち切りは塗り足し3mm |
| カラーモード | CMYK統一 | RGB混在の有無 |
| ICC | 指定プロファイル適用 | 書き出し時に埋め込み |
| 総インキ量 | およそ300%以内 | シャドー潰れの有無 |
| 黒の使い分け | 本文K100/ベタはリッチブラック | 細文字に4色黒を使わない |
| 特色 | 指定スウォッチで管理 | 自動CMYK変換を防止 |
| ファイル形式 | 配置はTIFF/PSD推奨、JPEGは高画質限定 | 圧縮劣化の有無 |
| 命名規則 | 通し番号_作家名_作品名_版数 | 全ファイルで統一 |
| フォント | 埋め込み済 | 置換警告の有無 |
| PDF/X | 指定に準拠 | トンボ・塗り足し・リンクチェック |
対応運用(進行管理・校正・配布と保存)
進行管理と校正の進め方(初校→再校→責了)
進行は「会期・納品日から逆算」して工程を並べ、各段階にバッファ(日程の余裕)を入れると安定します。最初に、納品日・会期・搬入日などのマイルストーン(重要な日程)を確定し、次に台割(ページ配分)と撮影計画を置きます。校正は初校(最初の校正刷り)→再校(修正後の再確認)→校了(校正完了の最終決定)の順が基本です。時間が逼迫する場合に使われる責了(担当者が責任を持って最終確定)は、誤りの見逃しリスクが上がるため、適用範囲を限定し記録を残します。修正指示は校正記号(共通の記号ルール)を用い、赤字の書き方・差し替え方法・版数の付け方(v01→v02)を事前に統一します。版管理は「誰が、いつ、どの版を確認したか」を残せる運用にすると、後戻りを防げます。プリフライト(入稿前の自動検査)でリンク切れ・フォント埋め込み・塗り足し・総インキ量の超過を点検し、指摘は担当を明確化して当日中に対応する約束を決めるとスムーズです。必要に応じて簡易のガントチャート(工程表)を作り、定例の進捗確認を週1回・30分など短時間で回すと負荷が少なく継続できます。
| 週(納品基準) | 主なタスク | 実施者 | 目安時間 | 完了条件 |
|---|---|---|---|---|
| W−12 | 目的文・仕様確定、見積り依頼 | 主宰・編集 | 120分 | 判型・綴じ・部数の合意 |
| W−10 | 台割草案・撮影計画 | 編集・デザイン | 90分×2回 | 台割v01、撮影日確保 |
| W−9〜W−8 | 作品撮影(スタジオ/現場) | 撮影・補助 | 1日×2〜3 | リスト全点を撮影 |
| W−7 | レタッチ・画像整理 | レタッチ・編集 | 3日 | 配置用画像一式整備 |
| W−6 | デザイン初稿(テンプレ) | デザイン | 2日 | 主要レイアウト合意 |
| W−5 | 初校(ゲラ=試し刷り)回覧・校正 | 全員 | 90分×2 | 赤字取りまとめ完了 |
| W−4 | 再校・差し替え反映 | 編集・デザイン | 1〜2日 | 再校戻し完了 |
| W−3 | 校了/責了→入稿(PDF/X) | 責任者・デザイン | 半日 | プリフライトOK |
| W−2 | 印刷・製本 | 印刷所 | 5日 | 検品可の状態 |
| W−1 | 納品・検品・配布準備 | 主宰・編集 | 半日 | 破損・乱丁の確認完了 |
運用のコツは、校正ループを増やさないことです。初校で「表記統一」「写真の最終確定」「ノンブル・柱・索引の体裁」など構造的な事項を一気に決め、再校では誤字脱字・最終画像差し替えに絞ります。各回の確認者は「読む観点」を割り振り、例えば編集は表記と文章、デザインは体裁と体感、主宰は意図と優先順位といった担当分けにします。色に敏感な作品が多い場合は、本機校正(本番に近い紙・機械での色確認)や簡易校正を検討し、スケジュールに+1〜2日を確保します。
配布・保存・二次公開の実務
配布は「誰に」「何冊を」「どの場面で」渡すかを先に決め、会場配布・予約配布・贈呈・販売の導線を切り分けます。販売する場合は価格(例:1冊1,500円)、釣銭、領収書の要否、在庫保管場所を決め、レジ周りの導線を簡単な図で確認します。会場は汚れや破損を避けるため、卓上には展示用数冊のみを置き、補充は都度行います。寄贈・記念配布分は、宛名リストと封入物(挨拶状・目録)を前週までに準備します。在庫は輸送用の外箱に「タイトル/版/部数/日付」を明記し、会期後の返送手配まで含めて担当者を決めます。再版はオンデマンド印刷(少部数向けのデジタル印刷)を想定し、表紙データの再版可否、背幅の再計算、用紙の入手性を事前に確認しておくと安心です。
二次公開は、PDF配布・Web掲載・限定公開のどれを選ぶかで作りを変えます。PDFは画質と容量のバランスを取り、会場配布の補助用なら20〜40MB程度を目安にし、透かし(複製防止の簡易表示)や掲載範囲の限定など運用ルールを添えます。Web掲載は要約版・抜粋版を作ると閲覧性が上がり、作品ごとのキャプションやクレジットを明確にできます。長期保存はアーカイブ(記録保存)として、制作一式・入稿PDF・印刷見本・権利関連書類をそろえ、社内保管・クラウド・オフラインの3系統でバックアップします。ISBN(書籍の識別コード)が必要かは配布形態で変わるため、一般配布のみなら不要なケースが多いです。
まとめ(到達点の再確認)
本記事の手順に沿えば、目的文→仕様決定→台割→撮影・レタッチ→デザイン初稿→初校→再校→校了(責了)→入稿→印刷・製本→配布・保存までを、無理のない順序と判断基準で進められます。迷いやすい論点は数値の目安と役割分担で解消できます。特に、余白とグリッドの初期設計、キャプションのテンプレ化、入稿前のプリフライト、校正の観点分担、バックアップの3系統化は効果が大きいです。最終的には「読み手が迷わず作品に集中できる紙面」になっているかを基準に、小さな調整を積み重ねてください。
本記事の内容は一般的な情報提供であり、法的助言ではありません。掲載写真の同意や著作権・肖像権・個人情報の扱いは、主催者の方針と関係者の合意に基づき、必要に応じて専門家の確認を受けることをおすすめします。





















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