注文制作の打ち合わせで、参考作品と今回の希望を分ける
参考のトレーと、今回作りたい大きさ。写真で伝える形、変えたい寸法、まだ決めていない仕上げを、相談用の一枚で分けて考えます。
HUKUSYA / JOURNAL

「このトレーのような形で、もう少し大きく」と相談するとき、写真は欲しい形を伝えてくれます。ただ、写真に添えた寸法は参考作品の数字です。今回もその大きさを希望するのか、変えたいのかは、別の言葉で伝える必要があります。
この案では、角を丸くした木のトレーT-01を参考に、ひと回り大きい品を相談する一枚を組みます。参考作品を見返す領域と、今回の希望を書く領域を分け、同じにしたい形、変えたい寸法、まだ決めていないことを伝えます。
写真の横にある数字は、どのトレーの寸法か
初案には、T-01の写真と素材、外寸の幅30cm・奥行20cm・高さ2cmを置きました。その下に、次の相談文があります。
参考のトレーのように、四隅は丸く、縁は低い形にしたいです。横は36cm、奥行きは24cmを希望します。高さと表面の仕上げは、まだ決めていません。

相談文まで読むと、幅36cm・奥行24cmを希望していることが分かります。一方、写真の近くで先に目に入る数字は30cm・20cm・2cmです。二組の寸法を同じ場所へ並べる前に、参考作品の情報と、今回作りたい品の希望をそれぞれまとめます。
参考作品の全体と、同じにしたい形を見せる
参考の領域には、T-01の全体と、手前の角・低い縁の部分を置きます。全体では四隅や縁がトレーのどこにあるかを見返せて、部分では角の曲がりや縁の立ち上がりを近くで見られます。

部分は、T-01の全体画像の手前の角から切り出しています。角と縁の部分にも、全体と同じ角の曲がりや木目が続いています。別の写真を使う場合も、同じ参考作品のどの部分か分かるようにしておきます。
写真に添える外寸は、幅・奥行・高さとcmの単位を記します。「30×20×2」だけにせず、今回希望する数字と照合する向きが分かるようにしました。表面の仕上げの加工方法は、参考写真の木目や光沢から埋めません。
希望する寸法と、まだ決めない条件を並べる
今回の希望では、同じにしたい形を「丸い四隅、低い縁」と書き、幅36cm・奥行24cmをその下へ置きます。形の手がかりは参考写真へ戻れますが、新しい大きさはこの領域を見て読めます。
高さはまだ決めていないため、参考作品の2cmを移したり、幅が大きくなった比率から数値を入れたりしません。表面の仕上げも未決定と書きます。空欄にすると、決めていないのか、書き忘れたのかが残るため、対象と状態を言葉で示します。
一枚の中で、参考と希望の読み場所を分ける
完成した相談面では、左に「参考作品」、右に「今回の希望」を置きました。左の全体と部分にはT-01の情報が付き、右には同じにしたい形、希望する大きさ、高さと表面の仕上げの未決定がまとまっています。

元の相談文も一枚の下に残しました。短くまとめた形や条件を見て迷ったときに、どの言葉から抜き出したか見返せます。携帯向けの縦配置でも、参考作品を先に、今回の希望を次に置き、同じ寸法・未決定の条件を保持しています。
希望の欄に載せた36cmと24cmは、次の打ち合わせに持っていく数字です。制作できるか、使い方に合うか、どの高さや仕上げにするかを相手と確かめ、決まった条件をその後の資料へ反映します。
参考作品の記録を、相談へつなぐ
ICOMのObject ID Checklistは、作品を識別するための記録として、全体写真に加えて銘や損傷などの接写を残し、寸法には単位と幅・高さ・奥行きの区別を付けます。[1] この案では、参考作品の全体と相談に必要な縁を対応させ、今回の希望を読む領域を別に組みました。相談面の配置は、ここで使う写真と相談文に合わせた編集の提案です。
参考として見せたい作品があり、全体や縁の見え方を写真に残したい場合は、作品の大きさ・素材・必要な角度をお知らせください。立体作品の撮影・データ化の詳しい内容をご案内しています。
すでに写真がある場合は、元画像と相談文、参考作品の情報、今回希望する条件を一緒にお持ちください。今回の希望とまだ決めていないことを読む一枚の編集は、作品集・カタログ・Web制作でご相談いただけます。
参考資料
- ICOM「Object ID Checklist」。全体・接写による作品の記録と、寸法の単位・方向を記す項目を参照。



