作品集のデザインを頼む前に、好きな見え方をどう伝えるか
「すっきり」「温かい」という好みを、何を見せたいかという希望へ。四つの作品と説明、見る人を揃えた二つの紙面案から、作品集のデザインを相談する言葉を考えます。
HUKUSYA / JOURNAL

作品集のデザインを頼むとき、「すっきりした感じ」「温かい雰囲気」といった好みから話して構いません。そこに、何をじっくり見せたいか、どの情報を一緒に読んでほしいかを添えると、依頼先が考える手がかりになります。
書体の名前や紙の銘柄を、先に決めておく必要はありません。自分の作品と、作品集を見る人を思い浮かべながら、取り入れたい見え方を言葉にしてみましょう。
「好き」の理由を、自分の作品に置き換える
好きな本や紙面があるなら、どこに惹かれるかを考えます。作品のまわりの余白、一枚を大きく眺められること、複数の作品を行き来できる並び、作品のそばで説明を読めることなどです。
たとえば「すっきりしているから好き」を、「作品の細かな形を、一点ずつゆっくり見たい」と言い換えられます。参考にしたい本と同じ形を求めるより、自分の作品で見せたいものを伝える言葉になります。
同じ四作品で、二つの見え方を考える
ここでは、家族で四作品の表情を見返す作品集を考えます。二案とも、次の四点と同じ短い説明を使います。見る人と掲載する情報を揃え、何を重視するかを比べます。
- 若葉の枝:やわらかな黄緑の葉を重ねた枝。
- 雨のあと:青緑の葉と、小さなしずく。
- 木陰:濃い緑の葉が重なる形。
- 実のころ:赤茶の実と、細い枝。
案A:一作品ずつ、ゆっくり見る

一枚を見てから、その作品の説明へ視線を移す案です。作品のまわりを空け、ほかの作品との間にも距離を取ります。葉の重なりや枝の形を、一点ずつ眺めたいという希望につながります。
この案に惹かれるなら、「余白が広いものが好き」に加えて、「一作品ずつ落ち着いて見られるまとまりにしたい」と伝えられます。
案B:色や形を、行き来して見る

明るい葉から濃い葉へ、実のある枝へと、四点の色や形を見比べる案です。作品同士を近くに置き、どの説明がどの絵に対応するかも分かるようにします。
この案に惹かれるなら、「にぎやかなものが好き」だけで終わらせず、「四点を行き来して、それぞれの違いとつながりを見たい」と伝えられます。同じ家族が見る一冊でも、重視する見方によって希望が変わります。
取り入れたい点と、そのままでなくてよい点を分ける
二案を比べたら、気に入った理由を一つ選びます。全部を同じにする必要はありません。案Bの四点を行き来できる並びがよくても、作品のまわりには案Aのような余白がほしい、と相談できます。
反対に、参考の本の色や書体は、そのままでなくてもよいと伝えられます。「この作品をどう見てほしいか」という希望が分かれば、作品数や説明の量に合う方法を依頼先と考えられます。
どちらの案が上質、読みやすい、安い、と一律に決める比較ではありません。ここでは、同じ四点を同じ家族が見返すときに、どんな見方を望むかを選びます。
選んだ理由を、短い相談文にする
この例で、家族が四点の色や形の違いを行き来して見たいと考えるなら、案Bをもとに次のように希望を伝えられます。
四点を並べて、緑の濃さや枝の形の違いを行き来して見られる作品集にしたいです。作品ごとの短い説明も、画像の近くに載せたいです。案Bのつながりが分かる配置をもとに、案Aのような作品まわりの余白も相談したいです。細かな書体や紙の種類は、四点に合うものを提案していただけると助かります。
好みを表す言葉から、見たい内容、取り入れたい点、相談したい部分までがつながった文です。細かな仕様を決めきる前でも、自分たちが大切にしたい見方を渡せます。
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