複写 HUKUSYA
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自分の本に他人の文章・作品を載せたい 引用と転載を分けて準備する

他人の文章や作品を自分の本に載せる前に、掲載目的から引用の条件を確認する候補と、利用条件・許諾を相談する候補を整理します。出典と区別、掲載案の準備から編集の範囲を考えます。

開いた無地の本と一枚の白い用紙を、木の机に離して置いている。HUKUSYA / JOURNAL

自分の本に、他の人の文章や作品を載せたい。出典を書けば使えると考える前に、何のために、どの部分を載せるかを整理しましょう。自分の説明に必要な引用を考える場合と、作品そのものを見せたい場合では、確認する内容が変わります。

まず掲載の目的を決め、引用としての条件を確かめるのか、利用条件や許諾を相談するのかを分けます。出典と本文の区別を整えることだけで、個別の掲載が適法と決まるわけではありません。

自分の説明に、その部分がなぜ必要かを考える

他の人の文章や図版を入れたいときは、自分の原稿のどこで、何を説明するために使うかを書きます。単に好きだから、紙面が寂しいからという理由と、表現を取り上げて論じるための利用を分けます。

作品そのものを読んでもらう、図版を鑑賞してもらう目的なら、その掲載を前提に利用条件や許諾を確認します。小さく載せれば引用になる、短ければ自由に使える、と量だけで決めないようにします。

引用か転載かという呼び名を先に付けるより、載せたい内容と使い方が分かる原稿を用意しましょう。説明の中での必要性と、掲載範囲を相談しやすくなります。

同じ短文でも、載せる目的から確認の経路を選ぶ

次は、掲載目的を考えるための自作文案です。短文は「窓辺に置いた鉢に、朝の光が当たる。」、それについての説明文は「この文は、鉢の位置と光の変化を一つの場面として伝えている。」とします。実際の第三者の著作物を引用・転載した例ではありません。

同じ短文を使う三つの目的と、先に確認すること
載せたい目的 確認する経路
表現を説明する 自分の説明に必要な箇所を挙げ、引用として扱える条件を確かめる。説明と短文の関係、区別、出典も整える。
短文自体を読んでもらう 作品そのものを掲載する目的として、利用条件や許諾を相談する。出典を添えることだけで掲載可としない。
表紙の飾りにする 装飾のための利用を、説明に必要な引用と同じに扱わない。使いたい場所や見せ方を示し、利用条件や許諾を確認する。

この表は準備する内容と確認先を考える例で、三つの個別利用について法的な結論を出したものではありません。実際には、公表の状況や利用方法など、対象ごとの事情を確かめます。

同じ文章や画像でも、本の中の解説、表紙、Webの紹介へと使う場所が変われば、今回確認する範囲を見直します。一つの掲載で確認した内容を、別の用途へ当然に広げないようにします。

引用は、出典以外の条件も確かめる

文化庁の文化芸術活動に関するFAQは、出典の表示に加え、公表された著作物か、利用の目的や範囲が引用として適切かなどを確認する必要があると案内しています。引用部分との区別や、自分の説明との関係も検討する内容です。

著作権法32条1項は、公表された著作物の引用について、公正な慣行と、目的上正当な範囲で行うことを条件としています。出所の明示については48条にも定めがあります。出典を書けることだけを、引用の条件がそろった根拠にしないようにしましょう。

実際の原稿では、何を説明し、なぜその部分が必要かを確認します。個別の扱いに迷う場合は、原稿と利用方法を示して専門家へ相談し、編集側だけで適法と断定しないようにします。

自分の本文と、使う箇所と、出典を対応させる

引用として検討する箇所は、自分の文章との区切りが分かる形に整えます。文章の一部を使うなら、元の内容と照合し、違う意味で伝わるような省き方や言い換えになっていないかも見ます。

出典は、作品や資料の名称、著作者、掲載元、参照する頁やURLなど、対象を確かめられる情報でまとめます。必要な示し方は使い方によるため、今回の原稿と合わせて確認します。

本に載せる箇所と確認記録を対応させましょう。見つけたWeb画像だけを保存し、元の掲載先や利用条件が分からなくなったものを、そのまま掲載用に進めないようにします。

許諾を相談するときは、実際の掲載案を示す

作品を紹介するために載せたい場合などは、誰へ利用条件を確認し、許諾を相談するかを整理します。作品の作者と、今回の利用を判断する権利者や窓口が同じかも確かめます。

使う部分、紙面での大きさや位置、変更したい箇所、本の目的、部数、配布や販売の方法、Webでも使うかなどを、掲載案と一緒に伝えます。必要な条件は相手と今回の利用に応じて確認します。

返答で認められた範囲、表記の条件、期限などを、採用する原稿と対応させて残します。返事がない状態を承諾と扱ったり、印刷物への確認を別の公開先にも使えると読み替えたりしないようにします。

判断できない候補は、掲載を確定せず分けておく

出所や権利者、利用条件が分からないものは、掲載候補の段階に分けます。使いたいという希望と、今回の本に使える状態になったことを同じにしないことが大切です。

確認に時間がかかる場合は、自分の文章で説明する、別の資料を探す、掲載を見送るなどの案も比べます。ただし、元の表現を少し変えれば別の問題がなくなる、と編集だけで判断しないようにします。

許諾の相談や専門家への確認を誰が行うか、原稿へ反映する日をそろえます。引用の法的判断や許諾取得までが、通常の組版・印刷に当然に含まれるとは考えず、依頼範囲を分けましょう。

載せたい箇所と目的が分かる原稿から、ご相談ください

複写 HUKUSYAの原稿・図版からの冊子編集と制作の相談では、自分の原稿、載せたい文章や作品の出所、掲載の目的と範囲、確認できている利用条件をお知らせください。

引用として条件を確認する候補と、利用条件や許諾の相談が必要な候補を整理します。法律判断や許諾取得の担当を別に確認し、今回使える範囲が分かった素材から原稿を整えましょう。

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