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古い資料を撮影する前に、箱や束をばらして整理してよい?

古い写真・手紙・帳面を撮影する前に、元の箱・封筒・束と中身の対応を残す。二束の模式図から、原物のまとまりと種類別の一覧を分け、変更や不明な来歴を記録する準備を考えます。

二つの無地の封筒と二枚の小さな白紙を、木の机に離して並べている。HUKUSYA / JOURNAL

箱に写真と手紙、帳面が混ざっている。撮影を頼む前に、種類ごとに集め直した方がよいのでしょうか。まずは、元の箱・封筒・束と中身の対応を残しましょう。探すための分類は、一覧の上で加えることもできます。

現在まとまっている状態と、資料が作られ使われた当時の関係は、同じとは限りません。誰がまとめたか分からない束は不明のまま記録し、整理し直す必要と、原物の状態を保つ必要を分けて考えます。

種類別に分ける前に、今あるまとまりを見る

箱の中のどの封筒に入っていたか、ひもや袋でまとまっていたか、並びが分かるかを確認します。外側の書き込みや、中身との対応が分かる状態を残すと、後から整理の経緯を確かめやすくなります。

写真だけ、手紙だけと別々に集めると、どの容器で見つかったかが分からなくなることがあります。撮影の依頼前にすべて並べ替えず、まず現在の状態と分かる範囲を伝えましょう。

国文学研究資料館の2022年度アーカイブズ・カレッジの資料99頁は、民間アーカイブズ調査の原則に、原秩序・原形の尊重や記録を挙げています。本記事では、家庭や団体に残る資料について、元のまとまりの記録と探すための分類を分ける準備を提案します。歴史的な順序を復元できたという意味ではありません。

元の二束と、種類別の一覧を両方残す

次は、自作の二つの封筒を記号A・Bで表した構成例です。Aに写真と手紙、Bに写真と帳面があるという条件を置き、誰がいつまとめたかは不明とします。実在の家や団体の資料、その来歴を示す図ではありません。

封筒A

  • A-01 写真
  • A-02 手紙

封筒B

  • B-01 写真
  • B-02 帳面
種類から探す一覧には、元の封筒が分かる番号を記す
種類 参照する番号
写真 A-01、B-01
手紙 A-02
帳面 B-02
番号はこの図のための仮の記号。写真二点を同じ封筒へ移す必要はなく、元の封筒との対応と、種類別の一覧を併せて持つ案。

この案では、写真を探すときは一覧からA-01・B-01を参照し、それぞれどの封筒にあったかも確かめられます。分類のために、原物の二束を一つへ組み替えることは前提にしていません。

同じ封筒にあることから、同じ日や出来事の資料だとは断定しません。図は現在のまとまりを記す方法の案であり、昔の配列や歴史的な関係が分かった証拠ではありません。

分かることと、分からないことを分けて記す

容器に読める文字、見つかった場所、現在の中身、まとめた人について分かっていることを区別します。「この封筒に入っていた」という観察と、「この人がまとめたと思う」という推測を混ぜないようにします。

日付が読めない、順序が不明、いつ入れ替えられたか分からない場合も、その状態を記録します。無理に年代順に並べ、分からない順序を確定した形に変える必要はありません。

仮の番号を使う場合は、容器と中身、撮影画像の対応を取れる方法を相談します。原物へ直接書き込んだり、ラベルを貼ったりする前に、資料の状態に合う記録方法を確かめましょう。

容器や留め具の扱いは、資料の状態も見て決める

まとまりの記録を残すことは、元の箱や封筒、留め具を永久にそのまま使い続けることと同じではありません。傷みが気になる、開くと破れそう、留め具が資料に影響していそうな場合は、無理に外さず状態を伝えて相談します。

撮影で一時的に取り出す必要がある場合は、元のまとまり、取り出す順番、戻し方や変更後の所在をどう記録するかを決めます。撮影しやすさだけで、切る、はがす、綴じを外すといった作業を先に進めません。

保存処置や修復、史料としての調査が必要かどうかは、撮影の準備と分けて確認します。写真を撮ったことだけで、資料の安全性や保存状態、歴史的価値まで判定できたとはしません。

並べ替える必要があれば、変更も記録する

今のまとまりを保ったまま撮れる範囲と、作業のために移動する範囲を分けます。移動する場合は、元の容器、対象の番号、新しい所在と変更した日など、後から対応を追うための情報を残す方法を相談します。

年代や種類、冊子で使いたいテーマは、一覧の項目として重ねられます。撮影画像を冊子へ並べる順番と、原物が入っていた順番も別に持つと、編集の都合で元の記録を置き換えずに済みます。

過去の整理が不明なときに、元どおりと称して並べ直す必要はありません。今回確かめた状態と、今回行った変更を、分かる範囲で残しましょう。

箱や束の状態と、撮りたい範囲をご相談ください

複写 HUKUSYAの地域・団体の資料の撮影を相談する際は、箱や封筒の数、おおよその中身、元のまとまりを保ちたい範囲をお知らせください。個々の資料と容器を対応させる撮影、一覧に残す情報を分けて相談します。

冊子やWebでの活用を考える場合も、掲載する画像の分類と、原物のまとまりの記録を分けます。誰がまとめたか不明な資料の来歴認定、歴史上の原秩序の復元、本格的な文書館整理まで標準の撮影・制作に含むとはせず、必要な仕事を個別に確認しましょう。

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