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作品集はオンデマンド印刷かオフセット印刷か――更新と配布の予定から比べる

少しずつ内容を更新して追加する作品集と、確定した一版をまとめて配る作品集。原稿の変更、紙・加工、校正と増刷の条件から、印刷方法を相談する入口を整理します。

海辺を描いた二ページの作品集と、重ねた本、三枚の紙の候補HUKUSYA / JOURNAL

作品集の印刷方法を選ぶときは、最初に刷る冊数と一緒に、その後も内容を変えて追加するのか、確定した一版をまとめて配るのかを考えます。オンデマンド印刷とオフセット印刷の候補は、変更の頻度、紙と加工、校正の条件まで伝えて絞りましょう。「何部からこちらが安い」という一つの境目だけでは、自分の配り方に合うか判断しにくいためです。

少しずつ更新して配る作品集では、次の注文まで考える

この案では、展示や商談に持参する作品集へ、新作を加えながら必要な分を追加します。最初の印刷が終わっても、次の注文で作品の差し替えや紹介文の更新をする可能性があります。

この場合は、初回の一冊あたりの価格に加え、原稿を変えて注文するたびに、どの準備と費用が必要になるかを聞きます。作品を一点替えるだけでも、ページ順や作品一覧が変われば、原稿の更新と確認が必要です。印刷費と、編集・データ修正の費用を分けて見積もってもらうと、追加時の負担を見通せます。

一般的な方式の違いとして、オフセット印刷は印刷用の版を作り、オンデマンド印刷は版を使わずに印刷します。三共グラフィックの解説でも、この準備工程の違いが示されています。[1] そこで、内容を変える注文では版を含む準備費がどう変わるか、同じ原稿の再注文では何が再利用できるかを、印刷先へ具体的に確認します。版を使わないことから、修正や再注文の費用がすべて不要になるとは考えません。

同じ一版をまとめて配るなら、必要数と納品時期をそろえる

もう一つの案は、展覧会で配る内容を確定し、会期に間に合うよう一度に用意する作品集です。後から作品を増やす予定がないなら、まず配布先に必要な数と、保管する控えを合わせて考えます。会期の途中で追加する可能性があれば、その条件も初回の相談に含めます。

内容が確定した一版をまとまって刷る条件では、オフセット印刷も候補に入れ、準備費を含む総額で比べます。ただし、使う見込みのない冊数を、単価を下げるためだけに増やすと、保管する在庫も増えます。配布予定に必要な冊数を基準にして、両方式で対応できるかを聞きましょう。

二案の違いは、初回の冊数だけでなく、更新する原稿が何版生まれるかにあります。少しずつ原稿を変える案は、版ごとの注文条件を確認することが先です。一版をまとめて配る案は、その版の必要数と納品時期を固めることが先になります。

同じ作品集の条件を、両方式へ伝える

見積もりでは、仕上がりサイズ、表紙と本文のページ数、色数、綴じ方をそろえます。そのうえで、次の四項目を相談メモに加えます。紙や加工の希望に対応できない方式があれば、代わりの仕様も別案として出してもらい、元の希望と混ぜずに比べます。

作品集の印刷方法を比べる相談メモ
問い合わせる項目 両方式へ伝える内容
初回と追加の注文 初回の必要数・納品時期と、追加する見込み。同じ原稿か、更新する原稿かを分ける。
原稿変更と準備費 差し替える作品や文章の範囲。編集・データ修正と印刷の準備費を分けて尋ねる。
紙と加工 表紙・本文それぞれの紙の候補と厚さ、希望する表面加工。方式ごとの対応範囲も聞く。
校正と増刷 どの紙・出力方法で何を確認するか。同じ原稿を後日刷るときの条件と費用も聞く。

印刷会社の商品名と、実際に使う機械や選べる方式の関係も確認しておくと安心です。たとえばグラフィックでは、商品条件により、オフセットの注文をデジタル印刷機で出荷する場合があると案内しています。[2] 方式の指定が必要なら、その可否と費用を見積もり時に確かめます。

紙と校正の条件を変えたまま、画質の優劣を決めない

作品集で重視したいのが写真の暗部なのか、絵の淡い色なのか、文字と写真の両方なのかも伝えます。「きれいに刷りたい」から一歩進め、確認したい作品のページを示すと、相談する内容が具体的になります。

グラフィックの色校正案内では、紙によって印刷の印象が変わること、本機校正と簡易校正では使う機械や再現方法が異なることを説明しています。[3] 比較するときは、紙の銘柄・厚さと、校正がどの出力方法によるものかを記録しましょう。条件が異なる二つの見本だけで、印刷方式全体の優劣を決めないためです。

同じ原稿の増刷でも、前回の色とどう照合するか、前回の校正や見本を使えるかを聞きます。校正の範囲と費用、確認する人、修正後に再確認する段階まで決まると、初回だけ安い見積もりと、追加を含めた見積もりを区別できます。実際の色を重視する作品については、希望する紙と印刷条件に合う確認方法を印刷先と決めます。

希望の仕様と、次の一版の予定を相談する

相談の入り口では、掲載する作品、配る場面、初回の必要数、原稿を更新する予定を伝えてください。紙や加工は「必ず使いたいもの」と「提案を聞いて決めたいもの」を分けると、方式の候補を絞りやすくなります。

複写の作品集・カタログ・Web制作では、作品集づくりの内容をご案内しています。用意できる作品画像と原稿、希望する本の形をもとに、編集から印刷までの依頼範囲と費用をご相談ください。利用する設備や印刷方式、紙・加工への対応、追加注文の条件は、希望仕様に応じて個別に確認します。

参考資料

  1. 三共グラフィック「『オンデマンド印刷』と『オフセット印刷』の違い」(版と準備工程の説明)
  2. グラフィック「印刷方式の詳細について」(同社の商品条件と印刷方式の指定)
  3. グラフィック「色校正の基礎知識」(紙・校正方法と確認条件)
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