撮影後に作品へ加筆したら、作品集の写真は撮り直す?
作品を撮影した後に加筆したとき、作品集の写真は撮り直すべきでしょうか。当時の記録と現在の作品を分け、紹介したい状態、今ある全体画像、原稿の差し替えから必要な準備を考えます。
HUKUSYA / JOURNAL

作品を撮影して作品集の原稿へ入れた後、原物へ少し手を加えた。作品名も大きさも変わっていないので、以前の写真をそのまま使ってよいのか、撮り直す必要があるのか。迷う場面があります。
先に決めたいのは、今回紹介するのが撮影当時の作品か、加筆後の現在の作品かです。その状態を写した画像を選びます。現在の全体画像がすでにあれば使えるかを確認し、なければ画像の準備や再撮影を相談します。以前の写真も、当時の作品を伝える記録として残せます。
写真を撮った時点と、紹介したい状態を分ける
以前の写真が鮮明でも、撮影後に加えた部分は写っていません。画像サイズや印刷の仕様を見る前に、その写真が今回紹介したい作品の状態に対応しているかを確認します。
Gettyの作品記述の指針CDWAは、画像によって特定時点の作品の状態や時間を通じた変化を確認できることを説明し、画像自体を作成した日と、画像が捉えた時点も区別しています。写真をいつでも現在の原物と同じものとして扱わず、どの状態の記録かを考える背景になります。参考資料
ファイルの更新日だけで、加筆後に撮った画像だとは決められません。作者が加筆した内容、撮影時の記録、現在の原物との対応など、確認できる情報から選びます。時点が分からなければ、確認済みの情報へ置き換えずに残します。
今ある画像から、次の準備を選ぶ
| 今回紹介したい状態と画像 | 次の準備 |
|---|---|
| 加筆前の展示など、撮影当時を紹介したい | 以前の写真を、当時の状態と分かる説明で使う。 |
| 現在を紹介したい。現在の全体画像がある | その画像を原物と用途に照らし、掲載に使えるかを確認する。 |
| 現在を紹介したい。現在の全体画像がない | 現在の全体画像を準備する。必要な撮影と原稿差し替えを相談する。 |
| どの状態を紹介するか、まだ決まっていない | 古い写真を現在の確定画像にせず、作者の希望を確認する。 |
加筆したという理由だけで、必ず新たな撮影を依頼する結論にはしません。目的に対応する画像がすでにあれば、その画像の状態や掲載用途を確認します。一方、加筆後の現在を紹介したいのに、その状態を写した全体画像がない場合は、準備が必要です。
同じ作品について、二つの依頼メモを比べる
以前に全体を撮影した後、作者が原物の右下へ小さなモチーフを加え、加筆後の全体画像はまだ用意していない、という仮定で考えます。実作品の加筆前後を比較した写真ではなく、依頼の目的と準備を分けるメモの例です。

メモAは、加筆前の時点を記録として紹介したいという希望です。以前の全体写真を使い、その状態を紹介する旨と、確認できる撮影時点を原稿へ添えます。今回使う写真と、説明が指す状態が一致するかを確かめます。
メモBは、加筆後の現在の作品を紹介したいという希望です。以前の写真を現在の確定画像にせず、加筆後の全体画像を用意します。新たな撮影が必要かと、すでにある作品集の原稿で画像や説明を差し替えられるかは、分けて相談します。
以前の全体写真と、新しい部分写真を合わせるとき
加筆した部分だけを撮り足したい場合もあります。ただし、加筆前の全体写真に加筆後の部分写真を添えても、それだけで現在の全体像がそろったとは扱えません。各画像がどの時点の、どの範囲を写しているかを説明します。
掲載する目的が現在の作品全体の紹介なら、その状態を写した全体画像があるかを確認します。変化の過程を見せる目的へ変える場合は、両時点の実画像と、時点や変更内容を確かめられる情報をそろえ、制作経過として編集する範囲を別に考えます。
以前の画像を加工して、新しい部分が実際に写っている写真のように整える話にはしません。原物に作者が加えた変更と、撮影した画像を用途に合わせて調整する作業を分けます。
以前の写真を残し、今回使う画像と説明を指定する
新しい画像を選んでも、以前の写真を削除して一つへまとめる必要はありません。以前の状態を伝える記録として保存する画像と、今回掲載する画像を分け、どれを使うかが制作担当へ伝わるようにします。
作品集の原稿やWebで、全体画像、部分画像、説明文のどこを見直すかを控えます。全体と部分が別の時点なら、その関係を説明するか、今回の目的に合う画像へそろえるかを選びます。作品名だけをそろえて、画像の状態の違いを見落とさないようにします。
加筆した内容と、今回使う予定を相談する
相談には、以前の画像、加筆した内容、今回紹介したい状態、使う予定の媒体を添えてください。現在の全体画像があるか、すでに作品集の原稿を作っているか、印刷や公開の準備がどこまで進んでいるかも分けて伝えます。
複写 HUKUSYAの品質・取り扱いの案内では、原物に残る情報の記録と用途に合わせた画像調整を分け、変更範囲や対応可否を確認します。新しい撮影が必要な場合は、作品の状態と受け渡し、必要な撮影範囲、画像の用途を相談します。
作品集・カタログ・Web制作では、画像や原稿の状態と用途に合わせ、撮影と編集を分けて相談できます。再撮影を元の依頼に含まれる無償の修正と決めず、画像の準備と掲載内容の変更について、対応可否、費用・日程を個別に確認します。
以前と完全に同じ見え方で撮れることや、特定日までに原稿や印刷を差し替えられることを先に約束せず、現在の進行から確かめます。まずは、今回どの状態の作品を紹介するか。その希望が、使う画像と必要な準備を選ぶ出発点になります。
参考資料
- Getty:CDWA Related Visual Documentation — 特定時点の作品の状態、画像作成日と画像が捉えた時点の区別に関する説明。再撮影の契約条件を定める資料ではありません。



