読者が作品名を探せる索引を作る
同じ四作品から、呼び名だけの索引に、見えるものと小さな全体図版を加えます。「器」から二候補を開き、作品のページを見返すための冊子とPDFの編集案です。
HUKUSYA / JOURNAL

作品集を読み終えたあと、もう一度見たい絵を探す。題名を覚えているときもあれば、「青い器の絵だった」という印象だけが残っているときもあります。巻末の索引に、名前以外の手掛かりも置いてみると、見返すための入口を作れます。
ここでは四作品を使って、8ページの冊子「絵をひらく」を組みました。索引は7ページです。「海の見える風景」「赤い花」「雨の道」「青いカップと梨」は、この案で作品を見分けるために付けた呼び名。作者の正式な題名とは分けて扱います。

呼び名を並べ、作品のページへ結ぶ
最初の案では、呼び名を五十音で並べ、作品を載せたページを添えました。「青いカップと梨」を覚えていれば、6ページを開けます。作品の掲載順は変えずに、探すための一覧を巻末へ加えています。
- 青いカップと梨(あおいかっぷとなし)— A04・6頁
- 赤い花(あかいはな)— A02・4頁
- 雨の道(あめのみち)— A03・5頁
- 海の見える風景(うみのみえるふうけい)— A01・3頁
正式な題名がある作品なら、確認した表記と読みを使います。題名の分からない絵は、家族や編集担当が付けた呼び名を正式名のように扱わず、どの作品を指すか全体画像と整理用の番号で確かめます。呼び名、番号、ページの対応を、作品ページと索引でそろえるのが出発点です。
絵の印象からも探せるようにする
呼び名を忘れたときのために、同じ一覧へ二つの入口を加えました。絵に見えるものから探す欄と、小さな全体図版から探す欄です。次の図は、初案と三つの入口を持つ索引の中身を、読みやすい配置で見比べたものです。

見えるものを、探す言葉にする
海、花、建物、器など、画像に見えるものを短い言葉で拾いました。一つの言葉から複数の作品が候補になる場合は、その両方を載せます。作者が込めた意味や、絵からは分からない場所・年代を、探す言葉として補ってはいません。
- 器 — 赤い花・4頁/青いカップと梨・6頁
- 海 — 海の見える風景・3頁
- 果物 — 青いカップと梨・6頁
- 建物 — 海の見える風景・3頁/雨の道・5頁
- 花 — 赤い花・4頁
- 道 — 雨の道・5頁
小さな図版から、同じ一枚を見つける
索引の下には四作品の全体画像を置き、同じ呼び名・番号・頁を添えました。海は横長、ほかの三作品は縦長です。枠いっぱいに切り抜いたり、同じ比率へ伸ばしたりせず、全体の形が見える大きさで収めています。色や配置を覚えていれば、小さな図版から候補を選んで作品のページを開けます。
元の全体画像も見られます:海の見える風景/赤い花/雨の道/青いカップと梨。
「器」なら、二つの作品を見比べる
今回の四点で「器」を手掛かりにすると、花を生けた淡い器の作品と、青いカップの作品が候補になります。「器」だけで一枚に決めず、4ページと6ページの絵を見て選べるようにしました。

赤い花には「赤い二輪とつぼみ、葉、淡い器。」、青いカップと梨には「青いカップと二つの梨を、布の上に。」という観察文を添えています。番号と呼び名だけで決めにくいときも、絵全体を見て、思い出していた作品か確かめられます。
作品数が増える場合は、似た図版や同じ呼び名がないか、索引の文字と図版が読める大きさかを、実際の紙面で考えます。
PDFでは、索引と作品のページを結ぶ
「絵をひらく」の閲覧用PDFを開く。表紙と読み方、3〜6頁の作品、7頁の索引、裏表紙を含む8ページです。索引の呼び名・見えるものの項目・小さな図版に、対応する作品頁へのリンクを付けました。作品頁には「索引へ戻る → 7頁」を置いています。
見返し方を考えるときは、同じ冊子で三つの場面をたどってみてください。
- 呼び名を覚えている — 「青いカップと梨」から6頁へ。
- 器の絵を覚えている — 「器」から4頁と6頁を候補として開く。
- 絵の印象を覚えている — 青いカップの小さな図版から6頁へ。
どの入口でも、作品の全体画像と番号を確かめ、索引7頁へ戻る流れです。紙の冊子なら頁を開くための手掛かりに、PDFならページを結ぶリンクに、同じ対応を使えます。
ページを入れ替えたり作品を足したりしたら、索引の頁番号を直すだけでなく、リンクを開いた先の絵と番号、索引への戻り先も確かめます。紙とPDFを渡す場合は、それぞれの最終版で対応をそろえます。
作品を見返すための編集をご相談ください
作品集を作るときは、掲載したい作品と分かっている題名・読み、作品の情報、読み手が覚えていそうな手掛かりを一緒に整理します。確認できている内容と確認途中の内容を分け、画像と情報を対応させながら、冊子やPDFの中身を考えられます。作品集や冊子の編集について詳しくは、作品集・カタログ制作の案内をご覧ください。
作品画像をそろえるところから必要な場合は、原作品の大きさ・素材・状態と使い道もお知らせください。手元の写真やデータを見ながら、撮影・スキャンが必要な範囲を相談できます。元の作品から画像を残す方法は、作品の撮影・スキャンの案内で詳しく紹介しています。



