作品集の目次・作品一覧・索引 全部必要? 読む入口と探す入口を選ぶ
目次・作品一覧・索引は全部必要か。十二件の自作作品情報による三つの案内から、章をたどる、収録内容を見る、名前から戻る読み方に合わせて、併用や統合と本文照合を考えます。
HUKUSYA / JOURNAL

作品集に、目次も作品一覧も索引も付けたほうがよいのか。似た案内頁を増やす前に、読む人がその本をどう開くかを考えましょう。章の順に読みたい、収録作品を見渡したい、特定の名前から戻りたい、といった行動で必要な入口を選べます。
目次、一覧、索引は、全部そろえることが目的ではありません。本文と対応する案内を選び、同じ役割の頁はまとめる案も比べます。短い本にも全種類が必要、と先に決めず、作品に使う頁との配分を考えることが大切です。
読者が、どこから本へ入るかを考える
初めから読む人には、章のまとまりや順番が分かる目次が入口になります。作品名や作者、掲載頁を見渡したいなら、収録内容をまとめた一覧が役立つ場面を考えられます。
特定の作者名などを覚えていて、その掲載箇所へ戻りたい場合は、その語から探す索引を置く案があります。何から戻りたいかによって、必要な項目を決めます。
まず、今回の読者にありそうな読み方を挙げます。目次、一覧、索引という名称だけを先にそろえず、どの行動を受け持つかを一つずつ考えましょう。
十二件の作品情報から、三つの案内を比べる
次は自作の作品情報十二件から作る構成例です。作品名、作者A〜Cという記号、章と掲載頁はすべて例の値で、実作品や実際の刊行本を示すものではありません。章の扉を4・12・20・28頁とし、各章で扉の2頁後から三作品を2頁おきに置く案とします。
章のまとまりへ入る目次
| 章 | 始まる頁 |
|---|---|
| 朝の庭 | 4頁 |
| 昼の道 | 12頁 |
| 夕方の町 | 20頁 |
| 夜の部屋 | 28頁 |
収録作品を見渡す一覧
| 作品名 | 作者 | 掲載頁 |
|---|---|---|
| 朝の葉 | 作者A | 6頁 |
| 石の影 | 作者B | 8頁 |
| 水のしずく | 作者C | 10頁 |
| 坂の光 | 作者A | 14頁 |
| 窓の風 | 作者B | 16頁 |
| 小さな橋 | 作者C | 18頁 |
| 帰り道 | 作者A | 22頁 |
| 灯る窓 | 作者B | 24頁 |
| 川の面 | 作者C | 26頁 |
| 机の本 | 作者A | 30頁 |
| 空いた椅子 | 作者B | 32頁 |
| 壁の月 | 作者C | 34頁 |
作者名から掲載箇所へ戻る索引
| 探す名前 | 掲載頁 |
|---|---|
| 作者A | 6・14・22・30頁 |
| 作者B | 8・16・24・32頁 |
| 作者C | 10・18・26・34頁 |
三つは同じ作品情報から作っていますが、目次は章、一覧は各作品、索引は名前からの行き先を示しています。これを付けたことで探す時間が短くなったと実験したものではありません。
この例も、三種類を全部採用する指示ではありません。読者が使う入口を選び、本文の配置と照合してから、一緒に使うか、一つにまとめるかを考えます。
同じ役割の案内は、まとめる形も比べる
作品数が少なく、章の区切りより作品名を直接見たい本なら、作品名と掲載頁を目次にまとめる案もあります。別に一覧を付ける意味があるかを、内容から見ます。
作者が一人で、作者名から複数の箇所を探す必要がなければ、その名前の索引を置くかも考え直せます。一方、複数の作者や題材を行き来して読みたい本なら、何を手がかりに戻るかを相談できます。
まとめた案内が長く複雑になる場合は、役割を分ける案とも比べます。頁を減らすことだけ、案内を増やすことだけを目標にせず、読む入口を分かる形にします。
作品へ使う頁と、案内に使う頁を配分する
案内頁を増やすなら、作品や解説のための頁との関係を見ます。作品名、作者名、掲載頁のほかに、画像や詳しい情報まで案内へ置く必要があるかを考えます。
本文と同じ情報を二重に載せる場合も、何のために必要かを確かめましょう。本文を順に読む案内と、後から戻る案内では、同じ情報があっても役割が違うことがあります。
最終的に採用する案内の種類と分量は、作品数や読者、頁の構成をもとに相談します。例の十二件や頁割りを、そのまま他の本の基準にしないようにします。
名称と掲載位置は、本文の確定版へ照合する
どの案内を採る場合も、作品名や作者名、章名、掲載頁が本文と一致するかを確認します。制作中の一覧を、そのまま完成本の案内として使わないようにします。
作品の追加や順番の変更、頁の増減があったら、関係する目次・一覧・索引を同じ版へ直します。本文だけを確定し、案内の数字が古いまま残らないようにしましょう。
実案件では、編者が正しい名称と掲載位置を確認します。制作側が整える作業と、内容を確定する人の確認を対応させて、採用した版を残します。
読者の入口と、収録情報からご相談ください
複写 HUKUSYAの作品情報からの冊子編集と制作の相談では、収録する作品と原稿、章や頁の構成、読者がどのように読むか、戻って探したい項目をお知らせください。
目次、作品一覧、索引の役割を分け、必要な案内を併用するか、まとめるかを比べます。編者が確認した作品情報と本文の確定版から、今回の一冊に合う入口を整えましょう。



