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二言語の作品原稿が一致しない――翻訳・要約・別稿の役割を確かめる

内容の違う二原稿を、編集者だけでそろえる前に確認することを整理します。短い日本語と英語の案から、翻訳・要約・別稿の役割に応じた修正と紙面の対応を考えます。

雨の窓の絵と日本語の一文がある原稿A、英語の一文がある原稿BHUKUSYA / JOURNAL

作品集へ載せる日本語と別の言語の原稿が、違うことを説明している。そんなとき、すぐに訳の誤りとして内容をそろえる前に、二つの文をどのように使うつもりかを作者に確かめましょう。

同じ意味を伝える翻訳、長い説明を短くした要約、読む人に合わせて別に書いた原稿では、合わせる内容と紙面の見せ方が変わります。原稿の役割を決めてから、文章と作品画像の対応を整えます。

違いを直す前に、二つの原稿の役割を確認する

片方の原稿が後から更新されている、別の場面のために書かれた文章が一緒に届いているなど、内容が異なる理由はいろいろ考えられます。原稿を作った人、作成した時点、今回使いたい版を確認します。

二言語を並べることだけを理由に、片方を正としてもう片方を書き換えないようにします。作者が別々の読者へ違う説明を用意した場合は、その違いを残す編集が必要になることもあります。

相談の最初には、「この二つは同じ内容の翻訳ですか」「短くした説明ですか」「別に書いた文章ですか」と、使う役割を確かめます。分からない箇所は、編集者が決める範囲と分けて残しましょう。

短い二原稿で、何が違うかを見る

次の二つの文を、同じ作品に添える原稿の案として考えます。

原稿A・日本語
「雨の日の窓を描きました。」

原稿B・英語
“I painted this after moving to a new town.”

日本語の文は描いた題材を説明し、英語の文は、新しい町へ移った後に描いたことを説明しています。この二文は、同じ内容の訳にはなっていません。

だからといって、どちらか一方を直すと決めることはできません。同じ意味を二言語で伝えたいのか、それぞれの文を別の説明として残したいのかで、作者に聞く内容が変わるためです。

実際の原稿でも、何が書かれているかの確認と、今回どの役割で使うかの確認を分けます。文章の長さや段落数の違いだけから、翻訳の誤りや省略と決めないようにしましょう。

翻訳・要約・別稿で、合わせる範囲を決める

同じ意味を伝える翻訳として使うなら、基準にする原稿の版を決め、対応する内容を作者や翻訳担当に確認してもらいます。片方の原稿で作品名や年、説明が変わった場合は、もう片方にも変更が必要かを確かめます。

要約として使うなら、どの原稿の何を短くし、どこまで残したいかを決めます。長い文をすべて対応させようとして、短く読むための原稿へ説明を足し過ぎないようにします。

別稿として使うなら、それぞれが担う説明を確認します。二つの原稿で同じ事実を扱う箇所に食い違いがあれば確かめますが、異なる視点や内容を、同じ段落数へ無理にそろえる必要はありません。

いずれの場合も、作品名、作者名、制作年など、画像と対応する情報を整理します。表記が違う場合は、どの名前や年を使うか、誰に確認するかを決めてから進めます。

役割が分かってから、紙面の対応を組む

二原稿の関係が確認できたら、同じ作品のそばへ置くのか、言語ごとのページへ分けるのかを考えます。同じ内容の翻訳なら、どの作品・どの説明に対応するかをたどれる配置にします。

要約や別稿を並べる場合は、見出しや短い説明で役割が伝わる形を選びます。読む人が逐語的な訳だと思って照合する見せ方になっていないかも、作者と確認します。

原稿の役割をまだ確認できていない段階では、文を削って左右の長さを合わせたり、片方の内容をもう片方へ移したりしないようにします。まず違いが分かる状態で原稿を見てもらい、その後に組み方を合わせましょう。

変更するたびに、確認する原稿と担当をそろえる

一方の言語だけを修正したときは、もう一方にも影響があるかを確認します。翻訳なら対応する箇所、要約なら要点、別稿なら共通する事実を見直すというように、原稿の役割に沿って確認する範囲を決めます。

誰が訳文や語句の意味を確認し、誰が作品情報を確認するかも合わせます。二言語の両方を確かめられる人がいない場合は、その条件を共有し、意味が確認されていないまま完成原稿として進めないようにします。

最終的には、作者や翻訳担当が確認した原稿の版と、紙面へ組んだ文章が一致するかを照合します。文字が収まっていることと、意図した内容になっていることを、それぞれ確かめます。

相談には、二原稿と使いたい役割を伝える

複写 HUKUSYAへは、作品画像と二言語の原稿、分かる範囲の作成者・版、どのような読者へ届けたいかをお知らせください。作品集・カタログ・Web制作の案内をもとに、確認済み原稿と画像を一冊やWebへ組む範囲を相談できます。

翻訳・要約・別稿の役割が未確認なら、その状態を共有してください。専門翻訳や意味の確認も必要な場合は、原稿の配置や冊子編集と分けて、対応する人と依頼範囲を確かめます。二原稿の意味を確認する方、画像との対応、最後に内容を確かめる方をそろえて進めましょう。

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