作品展の記録を、冊子と紹介紙で持ち帰ってもらう
同じ二作品の冊子見開きと一枚の紹介紙を比べ、作品ごとの言葉を読む資料か、展示を一覧する資料か考えます。来場者へ持ち帰ってもらう記録の編集案です。
HUKUSYA / JOURNAL

作品展の出口で渡す資料を考えるとき、まず思い浮かべたいのは、家に帰ってからの読み方です。会場で見た絵を一点ずつ見返してほしいのか、展示の題名と作品のまとまりを一枚で思い出してほしいのか。その違いから、冊子と紹介紙の中身を考えてみます。
この案では、同じ二作品を使って「海と花をたずねて」という展示資料を組みました。冊子には作品ごとの短い文章、一枚の紹介紙には展示を紹介する短い言葉を添えています。「海の見える風景」「赤い花」は、二作品を見分けるために付けた呼び名です。

冊子では、一点ごとに絵と言葉を置く
冊子の見開きは、一ページに一作品を置きました。横長の海も、縦長の花も、紙全体を元の比率で収めています。それぞれの絵の下に短い文章を置くと、画像を見てから言葉へ目を移せます。

海の絵には、手前から奥へ見る順番を添えました。
手前の浜から、岬の松、対岸の家々へ。遠くなるほど色が淡く、視線が奥へ進みます。
花の絵には、形と余白を見返す言葉を置いています。
赤い二輪とつぼみが、淡い器から伸びます。花と葉の間に白い余白があり、それぞれの形が見えます。
ここでは、画像に見えるものをたどる文章にしました。作者の説明や展示で添えた言葉を残したい場合は、確認した原稿から、その作品のページに載せる部分を選べます。作品ごとの言葉を家でも読んでほしいとき、ページを使える冊子が候補になります。
一枚では、展示のまとまりを一覧する
紹介紙は、同じ二作品と呼び名を一面にまとめました。横版では二点の画像の高さをそろえ、元の縦横比を保っています。海と花を同時に見ながら、どの展示の資料か分かる配置です。

紹介文は、二点をひとまとまりで読む言葉へ絞りました。
海の奥行きと、花の色。
身近な風景を二点でたどる水彩展です。
展示の題名と代表的な作品を一目で見てもらいたいときは、一枚の紹介紙から考えられます。載せたい文章が増えたら、文字を小さくする前に、作品ごとのページを用意するか、紹介する内容を選び直すかを考えます。
持ち帰ってほしい内容から選ぶ
同じ画像があっても、渡す資料の役割は変えられます。作品ごとの文章やまとまりを順に読んでほしいなら冊子。展示の題名と二点のような限られた内容を一覧で見てほしいなら紹介紙。自分の展示では、家で何を見返してほしいかを一文にしてから、載せたい作品と言葉を選んでみてください。
実際の資料には、確認した作品名・作者名、必要な開催情報やクレジットをそろえます。写真、作品の情報、掲載する文章を対応させ、冊子や紹介紙で使える範囲も確かめます。画像の大きさと希望する掲載サイズによって、使えるデータや再撮影の必要性は変わるため、元のデータを残して相談します。
作品の返却や撤収がある場合は、その前に必要な画像を残せる日を確認しておくと、紙面に使う素材をそろえやすくなります。全体を見せたい作品と、部分も残したい作品を分け、作品の寸法・素材・額装・状態と合わせて撮影方法を相談してください。依頼前に伝える内容は、作品の撮影・スキャンのご案内で確認できます。
作品展の資料づくりをご相談ください
作品展で渡す資料を考えている方は、掲載したい作品と残したい言葉、原画像の有無、作品の返却日と配布予定日をお知らせください。撮影、原稿と紙面の編集、印刷など、必要な範囲をご一緒に整理します。制作内容の詳しい案内は、作品集・カタログ・Web制作をご覧ください。



