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切り抜き帳の日付と出典を、記念誌へ引き継ぐ

新聞の掲載日、切り抜き帳の貼付記録、後から書かれた年。同じ二件を記念誌へ載せる紙面から、日付と出典の残し方を考えます。

机の上に、記念誌の40・41ページと切り抜き帳8ページを並べた様子。HUKUSYA / JOURNAL

活動の切り抜き帳を記念誌へ載せるとき、記事の横に書かれた年が目に入ります。それは新聞に載った年でしょうか。切り抜きを貼ったときの記録でしょうか。後で思い出したことを書いた年かもしれません。年月日を一つの欄へまとめる前に、どこに、何の言葉として残っているかを見てみます。

この案では、団体の切り抜き帳と、手元に残った元の新聞一枚を使って、記念誌の資料ページを組みます。元紙と照合できる記事と、掲載元が分からない記事を同じ見開きに置き、分かる情報と帳面の記載を分けて残します。

切り抜きだけで決めず、帳面と元紙を並べる

一件目の見出しは「同じ通りを、写真で見比べる」。切り抜きには、紙名や掲載日の部分がありません。一方、帳面8ページには「貼付記録 2014.6.23」と、別の場所に「2015年の展示?」「追記 2018.3.4」があります。年の数字だけを拾うと、この三つが同じ出来事の日付に見えてしまいます。

元紙の掲載箇所と切り抜き帳8ページ。同じ記事の全文があり、元紙の掲載情報と帳面の貼付記録・後のメモが別の場所に残る。
元紙の掲載情報と、帳面に書かれた言葉を並べて読む。縦配置を大きく見る

ここでは元紙も残っています。見出しだけで同じ記事と決めず、次の二段落まで、切り抜きと元紙を照合します。

同じ通りを、写真で見比べる

地域写真の会は、公民館の展示室で、会員が撮ったまちなみの写真を紹介する。昔の一枚と近年の一枚を並べ、建物や道の変化を見比べられる構成にした。

写真には撮影時期や場所が書き添えられている。会は、来場者から寄せられた情報も、元の写真と区別して記録する予定だ。

本文も一致する元紙には、「まちの便り」「2014年6月18日」「朝刊」「第3面」があります。この掲載情報を、記事と一緒に残せます。元紙の掲載箇所では、紙名と日付、記事の本文を続けて見返せます。

ただし、新聞の掲載日と展示の開催年は同じ意味ではありません。帳面の「2015年の展示?」を、掲載年として置き換える必要もありません。「貼付記録」は帳面にそう書かれている日付、後のメモは疑問符も含めた言葉として残します。「追記 2018.3.4」も帳面の記載であり、実際にいつ誰が書いたかまで確かめたことにはしません。

元紙がない記事は、メモの年を掲載年にしない

二件目は「聞き書きの小冊子、図書室へ」。帳面19ページに切り抜きがあり、その下に「二冊目の冊子。2009年ごろ?」「追記 2019.2.12」と書かれています。

切り抜き帳19ページ。聞き書きの小冊子の記事の下に、二冊目の冊子。2009年ごろ?と追記 2019.2.12がある。
疑問符を含むメモを、そのまま残す。

聞き書きの小冊子、図書室へ

地域の言葉を集めた聞き書きの冊子が、公民館の図書室に置かれた。会のメンバーが、仕事や暮らしの話を短い文章にまとめた。

冊子には、話を聞いた相手の呼び名と、話題になった道具の絵を添えている。来館者が手に取れるよう、入口近くの棚で紹介する。

この切り抜きには紙名・掲載日・朝夕刊・面がなく、元紙もありません。貼付日も確認できません。メモから掲載年を埋めると、疑問を含む「2009年ごろ?」が、確かな新聞の日付へ変わってしまいます。今回は出典未確認として扱い、メモは別の文章として載せます。

残せる内容がなくなるわけではありません。記事の全文と、見出し、冊子を公民館の図書室で紹介したという話題は手元にあります。後で掲載元を探す人が、同じ文章へ戻れるようにしておきます。

二件を、根拠の違いが読める見開きにする

記念誌の40・41ページには、二つの記事を同じ大きさで置きました。左は、元紙で確かめた紙名と掲載日・朝夕刊・面を記事の近くに添えています。その下に、切り抜き帳8ページの貼付記録と、帳面に書かれた言葉を分けて載せました。

記念誌40・41ページ。左の記事には元紙の掲載情報と帳面8ページの記録、右には出典未確認と帳面19ページの言葉を添えた見開き。
記事に添える掲載情報と、帳面の記載を分ける。縦配置を大きく見る

右は「出典未確認」「貼付日 未確認」を示し、メモの「二冊目の冊子。2009年ごろ?」と追記の年月日を、その下へ置きました。分からない欄を左と同じ形に埋めず、二件の根拠の違いが読めるようにしています。

この見開きは、活動を年代順に並べた年表ではありません。切り抜きに残る記事と、その掲載情報や帳面の言葉を読む資料ページです。開催年を決めたい場合は、別に残る案内や記録を確かめる作業へつなぎます。

掲載元を探すための手がかりも残す

国立国会図書館の新聞資料案内では、新聞名や年月日を手がかりに資料を探し、複写する記事の日付・朝夕刊・面を特定します。手元の切り抜きでも、分かっている掲載情報をばらばらにせず、本文と一緒に残しておくと照合する範囲を決められます。[1]

元紙のない二件目では、見出しと本文中の話題、帳面19ページという所在を残します。後で似た記事が見つかっても、見出しだけで決めず、記事の全文と掲載情報を照合します。この案ではまだ掲載元を確かめていないため、記念誌へ先に推定の日付を入れません。

帳面と元紙、冊子で使いたい範囲を伝える

切り抜き帳を画像に残すなら、記事だけでなく、脇の記載を含むページと、照合に使う元紙の掲載箇所を知らせてください。帳面と元紙の有無、点数・状態、記念誌の配布先、見せたい記事が分かると、画像化する範囲と冊子へ配置する内容を相談できます。地域資料の撮影・データ化の詳しい内容をご案内しています。

すでに画像がある場合は、元画像と記事に添えたい言葉をお持ちください。掲載元を調べる作業と、確認できた資料を紙面へ整える作業は分けて考えます。冊子の掲載順や説明文、制作範囲は、作品集・カタログ・Web制作でご相談いただけます。

参考資料

  1. 国立国会図書館「新聞資料室で新聞資料を利用するには」。新聞を探す手がかりと、複写する記事の日付・朝夕刊・面の特定を参照。
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