自作漫画を紙の本にする――話の区切りからページ数と本の形を決める
画像の枚数を、そのまま本のページ数にしないための準備を整理します。小鳥の短い漫画と本文四ページの構成案から、扉・左右のページ・余白と製本仕様を考えます。
HUKUSYA / JOURNAL

描きためた漫画を、家族や友人へ紙の本で渡したい。そんなときは、画像の枚数から印刷のページ数を決める前に、どこからどこまでを一冊で読んでもらうかを考えましょう。
一話の始まりと終わり、左右のページ、見開きの演出を確かめ、扉やあとがきなども含めてページを割り当てます。その内容をもとに、本の大きさや綴じ方、実際に注文するページ数を相談します。
まず、一冊に収める話の範囲を決める
続き物を描いている場合は、一冊の中でどこまで読めるようにしたいかを考えます。話の途中で区切るのか、一話の終わりまで入れるのかによって、原稿を集める範囲が変わります。
読む順序が分かるように、話の名前や原稿の並びを整理します。紙の裏面にも描いている、表紙の絵と本文が同じフォルダーにある、見開き一組を一枚の画像にしているといった場合は、それぞれ何に使う原稿かを区別しておきましょう。
画像一枚が本文一ページとは限りません。二ページ分をまとめた画像もあれば、扉や白紙のページなど、漫画の画像以外に割り当てる場所もあるためです。
短い漫画を、二ページで読む案を考える
ここでは、小鳥が傘を分け合う二ページの話を、一冊へ組む案を考えます。前半のページでは、白い小鳥が「雨だ。」と気付き、傘を持たない青い小鳥を見つけます。後半では「どうぞ。」と傘へ誘い、二羽が一緒に歩きながら「ありがとう。」と応じます。
この案は、右のページで前半、左のページで後半を読む構成です。各ページは上下二つのコマで進み、二ページを読んだところで短い話が終わります。漫画の部分がどこで始まり、どこで終わるかを決めてから、その前後のページを考えます。
自分の漫画に置き換えるときは、次のページをめくって初めて見せたい場面があるかも確かめます。見開きにしたい場面と、めくった先へ置きたい場面を、一つの画像としてまとめて扱わないことが大切です。
扉やあとがきを含むページ割りにする
二ページの漫画に扉とあとがき等を付けるなら、次のような本文四ページの構成案が考えられます。
| 本文の位置 | 置く内容 |
|---|---|
| 1ページ目 | 扉。題名と作者名を置く。 |
| 2ページ目 | 漫画の前半。雨に気付き、もう一羽を見つける。 |
| 3ページ目 | 漫画の後半。傘へ誘い、二羽で歩く。 |
| 4ページ目 | あとがきと奥付。発行時の情報を整理する。 |
この案では、漫画の二ページに、扉一ページ、あとがき・奥付一ページを加えて本文四ページと数えています。表紙の表裏を合わせた四ページを別に考えると合計八ページですが、発注時の数え方と対応する仕様は印刷先で確認します。
たとえばグラフィックは、表紙四ページと本文を合わせた総ページ数で数え、中綴じは四の倍数のページ数で受け付けると案内しています[1]。今回の印刷先や製本を決めた条件ではないため、実際に使う先の案内と照合して、本の仕様を合わせましょう。
目次や話ごとの扉、白紙のページを置く場合も、ページ割りへ含めます。文字や絵を印刷しない場所も、どこを空けるかが分かる形で相談します。
左右のページと、綴じる側の余白を確かめる
右から左へ読む漫画なら、その流れと綴じる方向が合うかを確かめます。原稿を並べる順序だけでなく、二ページを開いたときに、どの絵が隣り合うかも見ます。印刷先の案内でも、綴じ方向によってページの配置が変わることが示されています[1]。
見開きの中央に顔やせりふがある、ページの端まで絵を描いている、といった箇所は、本にしたときの見え方を相談します。綴じる側の余白、仕上がり位置とその外側に必要な絵、文字を置く範囲などは、採用する仕様に合わせて確認します。
すでに周囲を切り取った画像しかない場合は、余白を含む元の原稿やデータが残っているかを確かめましょう。絵を収めるために縮めるのか、必要な外側の情報があるのかを、元の状態と分けて考えます。
予定の大きさで、せりふと細かな線を確認する
画面で拡大して読める原稿でも、小さな本へ組むと、せりふや細かな線をどう見せるかの確認が必要になります。渡す人が読む場面を考え、本の大きさと、絵や文字の大きさを合わせます。
紙の原稿とデジタルの原稿が混ざる場合は、使える画像や原稿の状態を共有します。色、細かな線、余白など、気になる箇所を伝え、必要な画像化や調整の範囲を相談します。
内容やせりふの読み順、左右と見開きの対応は作者が確認します。原稿の画像がそろうことと、一冊の順序で読めることを、それぞれ確かめてから印刷する内容を決めましょう。
相談には、収録する話とページ割りを伝える
複写 HUKUSYAへは、紙やデジタルの漫画原稿、収録したい話の範囲、分かる範囲のページ割りをお知らせください。作品集・カタログ・Web制作の案内をもとに、作者が用意した原稿を一冊へ組む範囲を相談できます。
本の大きさ、綴じる方向、表紙と本文、希望する部数や渡す日も合わせます。作画や漫画の内容指導を含む依頼として進めず、必要な画像化と編集、印刷先の条件や製本仕様を個別に確認し、どこまでを一冊にするかを決めていきましょう。
参考資料
- グラフィック「綴じ方向・ページの配置」。綴じ方向、白紙ページと、同ページ内の「冊子のページ数の考え方」の案内。実際の入稿条件は採用する印刷先・商品で確認。



