配った作品集の掲載をやめたいと言われたら 紙とWebの対応をどう分けるか
掲載をやめたいという相談を、既配布本・在庫・次の印刷・Web・保管資料へ分ける自作相談票で整理。対象と希望、制作先への変更案、媒体別の合意と実施記録を考えます。
HUKUSYA / JOURNAL

配った作品集について、「掲載をやめたい」と相談された。そんなときは、どの作品や情報を、どの媒体で、今後どうしたいかを申出人へ確認しましょう。既に渡した本と、手元の在庫、次の印刷、Web、保管資料では、相談する対応が異なります。
希望を受け取った段階で、すべての回収や完全な消去を約束するのではなく、発行者と対象・希望・現状をそろえます。実施する変更、追加で確認すること、確認できないことを分けて、制作先へ相談します。
まず、対象の作品・情報と希望する範囲を聞く
作品画像、作品名、作者名、紹介文、人物写真など、何の掲載をやめたいのかを確かめます。一つの画像への申出を、名前や文章もすべて消す希望だと推測しないようにします。
本の題名と版、掲載頁、Webのページや画像の位置を特定します。申出人の希望を、そのまま残す部分と、意味を確認した部分を分けて記録しましょう。
発行者やWebの管理者など、対応を決める人も確認します。編者だけで決められない範囲は、誰へ確認し、いつ回答するかをそろえます。申出の理由を、関係のない相手へ広げないことにも配慮します。
五つの媒体に分けた相談票で、対応候補をそろえる
次は自作の相談票の構成例です。対象を「作品集の初版12頁にある作品画像と、Webの作品紹介画像」、希望を「今後の一般掲載をやめたい」と置いています。実在の申出や、変更が合意・実施された記録ではありません。氏名や紹介文も対象かどうかは、別に確認する項目とします。
| 対象 | 確認する希望と、対応候補 |
|---|---|
| 既配布本 | どこへ渡したか、連絡できる配布先はあるかを確認。連絡や回収を相談する範囲を発行者と決め、全冊を回収できるとは約束しない。 |
| 手元の在庫 | 保管先と残部を確認し、今後の配布をいったん止めるか、差し替えなどを検討するかを発行者と相談する。 |
| 次の印刷 | 該当画像を外す案と、その影響を受ける目次・一覧・頁の構成を確認。改訂する原稿と確認者を決める。 |
| Web掲載 | 本文画像、一覧画像、別ページなど掲載箇所を確認し、管理できる範囲の非表示や修正を相談。検索結果や第三者保存は別に扱う。 |
| 保管資料 | 元画像・原稿・制作記録の保管目的と管理者を確認。一般掲載の中止と、内部資料の削除・利用停止の希望を分けて相談する。 |
五つを分けると、Webの表示を変えることと、渡した本へ対応することを同じ完了扱いにせずに済みます。この票は対応候補を相談するためのもので、掲載中止や削除を請求できる法的な権利、契約の効力を判断したものではありません。
実際の申出では、申出人と発行者が対象と希望を確認し、決まったことを媒体ごとに残します。すべてを実施できると先に決めず、実施済みの範囲と未確認の範囲が分かるようにしましょう。
既配布本と、これから渡す本を分けて考える
既配布本は、配布先の記録があるか、連絡できる相手がいるかを確認します。連絡、回収の相談、今後の配布を控える依頼など、どこまで進めるかを発行者と決めます。
手元の在庫は、どこに何部あり、今後の配布を誰が管理するかをそろえます。修正前の在庫と改訂後の本が混ざらないように、扱いを決めて記録します。
次の印刷で掲載を変える場合は、画像を外した頁だけでなく、作品一覧、目次、紹介文などへの影響も見ます。既配布本への対応が終わった意味にはせず、改訂する版の範囲を明確にしましょう。
Webは掲載箇所と、管理できる範囲を確かめる
Webでは、作品紹介の本文のほか、一覧や別ページに同じ画像が載っていないかを確認します。共有用画像や自分たちが出した告知も、今回どこまで対象にするかをそろえます。
非表示や修正を頼む場合は、ページと掲載位置、対象画像、希望する変更を管理者へ伝えます。一つのページを変えたことを、すべての掲載先の変更が終わった意味にしないようにします。
検索結果の表示、外部サイトへの転載、閲覧者が保存したものなどは、自分たちが管理するページと分けます。必要な相談先や手続きは個別に確認し、第三者の保存や検索表示まで完全に消去できるとは約束しません。
制作先へは、場所と変更案、確認者をまとめて伝える
冊子の版と頁、Webの掲載箇所、対象の画像や文、希望する変更をまとめます。名前や紹介文を残すか、画像を外した後の頁をどうするかなど、決まっていない点も書き添えましょう。
改訂・修正の可否、費用、日程、確認の方法は制作先と相談します。急ぎの希望があれば、その理由と希望時期を伝えますが、追加作業を無条件に含むものとは決めません。
保管資料についても、何を誰が何のために持っているかを確かめます。公開を止める希望と、制作記録や原資料そのものをどう扱うかを区別し、発行者や管理者と相談します。
媒体ごとの合意と実施結果を残す
申出の対象、確認した希望、合意した対応、担当者、実施日を対応させます。「対応済み」の一言だけにせず、Webのこの箇所を変更した、次版のこの画像を外すことにした、と範囲が分かる形にします。
未確認の配布先や、第三者が持つものがある場合は、その状態も残します。法的な判断が必要な争いがある場合は、元の掲載条件ややり取りをそろえ、専門家へ確認します。
複写 HUKUSYAの相談する内容と作業範囲の案内、作品集・Web制作の相談では、対象の版・頁や掲載位置と、希望する変更をお知らせください。申出人・発行者の確認と、制作側が実施する改訂・修正を分けて進めましょう。



