今の自分を紹介する小さなアルバム――本人の言葉、写真、見せる相手を選ぶ
家族や支援者に見せる紹介アルバムを、本人が伝えたいことから考えます。架空人物を置いた四頁の構成案から、今好きなことと過去の経験、本人の言葉と家族の説明、写真や文章を見せる範囲を分けて選びます。
HUKUSYA / JOURNAL

家族や支援者に自分を紹介する小さなアルバムを作るときは、人生の全てを収めようとせず、今の自分について知ってほしいことから選んでみましょう。呼ばれたい名前、好きなこと、話したい経験を、写真と短い文章で紹介する方法があります。
最初に決めるのは、誰と、どんな場面で見る一冊にするかです。日常の会話で使う冊子として、本人が話したい内容と見せる範囲を選びます。医療・介護上の効果を示したり、支援計画や診療の記録を作ったりする内容ではありません。
誰に見せる一冊かを、本人の希望から決める
家族と一緒に見るのか、新しく関わる方へ紹介するのかで、必要な説明は変わります。「どんなことを知ってもらいたいか」「どの話なら見せてもよいか」を、本人の希望から選びましょう。
家族が詳しく残したい話でも、本人が今は載せたくない場合があります。答えを急いで埋めず、載せない項目や、あとで考える項目を残して進める方法です。本人の希望がまだ確かめられていない内容は、掲載する文章へ補わないようにします。
四頁に、今の紹介と話したい経験を分けて置く
以下は、架空人物「あおいさん」を置いた、紹介項目と四頁の構成案です。呼び名や題材は、欄を選ぶための例として置きました。本人の希望や発言を確認した記録ではなく、写真もまだ入れていません。
紹介項目を選ぶ、四頁の構成案
1頁|呼ばれたい名前と、今の写真
呼び名の例:あおいさん。本人が望む呼び方を確かめて置く。
写真欄:今の本人が選んだ写真を入れる案。画像は未提供。
2頁|今、好きなこと
題材の例:朝のお茶。本人の言葉の欄は、確認してから書く。
写真欄:話題に合わせて本人が選ぶ。画像は未提供。
3頁|話したい経験
話題の例:庭の草花。本人の言葉と家族の説明を別の欄にする。
写真欄:話したい時期の一枚を選ぶ。撮影時期や写る人は要確認。
4頁|見せる範囲と、追加したい話
見せる相手、載せない内容、内容を確かめる日を記す欄。
写真・文章の公開は、家族向けの配布と分けて本人へ確かめる。
実際に作る際は、この順番をそのまま使う必要はありません。今の好きなことだけで始めたい場合は、過去の経験の頁を後へ回すことも考えられます。本人が伝えたいことと、相手が読む場面に合わせて、入れる項目と量を選びます。
四頁という数も、この案で並びを考えるためのものです。写真の量や文章の長さ、冊子の大きさや製本方法を決めた仕様ではありません。どの内容を載せるかが見えてから、制作する形を相談します。
今好きなことと、これまでの経験を混ぜずに紹介する
「今、好きなこと」の頁では、今日の本人が紹介したいことを選びます。好きだったことを、今も同じだろうと決めて書かないようにします。写真を見ながら話題を選ぶ場合も、その写真を載せたいかはあらためて確かめます。
「話したい経験」の頁には、本人が伝えたい時期や出来事を置きます。昔の写真が多く残っていても、全てを説明する必要はありません。話したくない出来事や、不明な時期を、完成させるために推測で埋めないようにします。
今の一枚と、話したい経験につながる一枚を分けて選ぶと、それぞれに添える短文も考えやすくなります。写る人、撮影した時期や場所が分からない場合は、そのまま不明な情報として制作側へ伝えます。
本人の言葉と、家族が添える説明を分ける
本人が話した言葉を載せる場合は、どの言い方を残したいかを本人へ確かめます。短く整えるときも、確認できた言葉を元にし、本人が言っていない気持ちや評価を加えないようにします。
家族が状況を補う場合は、「家族の説明」など、誰の言葉かが分かる形を考えます。本人の発言のような引用に直したり、家族の受け止めを本人の希望として扱ったりしないためです。
今回の四頁案では、本人の言葉も家族の具体的な説明も、文章を入れる欄として残しました。実際の発言や記憶を作った例ではありません。制作する際は、文章を確認した方と日付を控え、確認が残っている箇所を区別します。
写真は、紹介する話題と見せる範囲に合わせて選ぶ
写真を選ぶときは、写りのよさだけでなく、本人がその一枚を見せたいか、どの話につながるかを確かめます。今の写真がないからといって、無理に人物写真を載せず、本人が選んだ物や場所の写真を使うかも相談できます。
他の方が写っている写真、家族以外が撮影した写真を使う場合は、掲載できる範囲を確認する相手と条件を整理します。家族が写真を持っていることと、冊子やWebへ載せるための確認は分けて進めましょう。
この案は、未提供の写真を代わりの人物画像で埋めるものではありません。使いたい写真が決まっていない段階では、写真の位置と、添えたい内容だけを相談する準備にできます。
手渡す相手と、公開する範囲を別々に決める
家族へ渡す冊子と、紹介する支援者へ見せる冊子とで、載せる情報を変える必要があるかを考えます。氏名や連絡先、詳しい場所などを、紹介のために全て載せる必要はありません。本人が見せたい内容と相手を対応させます。
冊子を手渡す予定があっても、同じ写真や文章をWebへ公開する場合は、その使い方を加えて本人へ確かめます。配布する部数、データを渡す相手、追加で渡すときの確認方法も、制作前の相談に含めます。
内容を見直す際は、今の希望や好きなことが変わっていないかを確かめます。古い版と区別するため、内容を確認した日や、冊子の版を管理用に残す方法もあります。
手元の写真と言葉から、小冊子の編集を相談する
相談前には、次の項目を分かる範囲で整理します。
- 本人が知ってもらいたいことと、載せたくないこと。
- 見る相手と使う場面、冊子やデータを渡す範囲。
- 写真の候補、写る人と、分かっている撮影情報。
- 本人の言葉、家族が説明する文章と、それぞれの確認状況。
- 原稿と掲載範囲を確認する方、直したいときの担当。
複写 HUKUSYAの作品集・冊子の編集相談では、手元の画像と原稿から、載せる順番や文章、紙面を整理する範囲を相談できます。紹介する目的、写真と言葉の準備状況、希望する部数や使う日をお知らせください。
原稿の整理や聞き取りが必要な場合は、対応できる作業と確認の担当、費用を個別に確かめます。本人の希望を確認する仕事と、冊子へ編集・デザインする仕事の範囲を決め、確認できた写真と言葉から一冊を組み立てましょう。



