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記念誌の20%から30%への変化を、割合の差と増加率で書き分ける

20%から30%へ。記念誌の数字を、割合の差10パーセントポイントと前回を基準にする相対増加率50%で書き分けます。人数の増え方は原表へ戻って確認します。

20%から30%への割合の変化をどう書くかという見出し。差10パーセントポイントと、前回の割合20%を基準にする相対変化50%の二つの紙面。HUKUSYA / JOURNAL

記念誌の原稿に「初参加者の割合は20%から30%へ、10%増」と書いてある。差を伝えたいのか、前回を基準に増え方を伝えたいのかで、言葉と単位が変わります。まず、掲載文がどの問いに答えるのかを決めます。

前回と今回を、同じ原表から読む

この案では、地域の催しへの参加者を、初めて参加した人とそれ以外の人に分けます。初参加の定義は両回で共通にし、各回で同じ人を重ねて数えません。前回は初参加20人、参加者全体100人。今回は初参加24人、全体80人とします。

初参加者の人数と、各回の参加者全体に占める割合
回 初参加 それ以外 参加者全体 初参加の割合
前回 20人 80人 100人 20%
今回 24人 56人 80人 30%

前回の割合は20÷100×100=20%、今回は24÷80×100=30%です。割合を求める分母は、それぞれの回の参加者全体。20%と30%は、この案では端数を丸めた値ではありません。

割合の差を伝えるなら、10パーセントポイント

「初参加者が占める割合は、どれだけ変わったか」と聞かれたら、二つの割合を引きます。30%から20%を引いた差は、10パーセントポイントです。

割合の差:30% − 20% = 10パーセントポイント

パーセントポイントは、割合どうしの差を表す単位です。「10%増」だけでは、何を基準にした増加かが読み取れません。差を伝える掲載文では、20%と30%を残し、単位まで書きます[1]。

初参加者の割合は20%から30%となり、10パーセントポイント上がりました。

前回の割合を基準にするなら、相対増加率は50%

「前回の割合を基準に、どれだけ増えたか」という問いには、差を前回の割合で割って答えます。基準は20%なので、10÷20×100=50%。ここでの50%は、割合の相対増加率です。

割合の相対増加率:(30 − 20)÷ 20 × 100 = 50%
基準:前回の初参加者の割合20%

前回の割合20%を基準にすると、初参加者の割合の相対増加率は50%です。

50という数字が10より大きいから、見出しに採るわけではありません。前者は前回の割合を基準にした増え方、後者は割合どうしの差。読み手に伝えたい問いに合わせ、基準と単位を含む文を選びます。

前回の初参加20人・全100人と今回の初参加24人・全80人から、割合の差10パーセントポイントと、前回の割合20%を基準にする相対増加率50%を説明する二案。人数の増加率は20%と分けて示す。
同じ20%と30%から、答える問いが違う二つの掲載文を組みました。両案とも前後の値を残し、50%の案には前回の割合20%という基準を添えています。

割合の差と相対増加率を伝える二案を、二頁のPDFで見る

「初参加者が50%増えた」とは書かない

ここで人数へ戻ります。初参加者は20人から24人になり、4人増えています。人数の増加率は(24−20)÷20×100=20%です。割合の相対増加率50%を、そのまま人数の説明に移すと、この原表とは一致しません。

今回の参加者全体は、前回の100人から80人へ変わっています。初参加者の人数と、全体に占める割合は同じ増え方ではありません。記念誌で人数を伝えたいなら「初参加者は20人から24人へ、4人増えました」と書き、必要なら人数の増加率20%を添えます。

この二回の表だけで、同じ人の行動変化や催しの効果までは説明できません。参加記録の定義や数え方が回によって違う実資料では、まず資料の確認担当へ戻り、比べられる範囲を確かめます。前回が0%なら、その値を割り算の基準にする相対増加率は求められません。

見出し・図注・本文を、同じ問いへそろえる

紙面の案では、原表、20%と30%、算式、掲載文を近くに置きました。割合の差を伝える頁では「10パーセントポイント」を掲載文にも残します。相対増加率の頁では「前回の割合20%を基準に」を50%の説明に添えます。数値だけを大きく見せず、何についての数字なのかが一緒に読める配置にします。

校正でも同じ順に戻ります。見出しが割合の話なのに図注が人数の増加率になっていないか、本文の50%から基準が抜けていないかを確かめます。数字を一つずつ見るだけでなく、その数字が答える問いまで合わせると、原稿を直した理由も次の担当へ伝わります。

複写では、地域の記録資料を冊子やWebで紹介する際、資料の公開条件と制作範囲を確認して進めます。詳しくは自治体・地域資料のデジタル化と冊子・Webでの紹介をご覧ください。

記念誌の数表や説明文を整えたい場合は、確定した前後の原表、初参加の定義、数値確認者、現在の見出しと本文を添えて、地域資料を載せる冊子の編集をご相談ください。図版・本文の編集や数値の照合、印刷・Webへの展開は、作業範囲と費用を個別に確認します。新しい調査、統計解析や活動の効果検証を含むものではありません。

参考資料

  1. data.europa.eu「Percentages versus percentage points」。割合どうしの差を表すパーセントポイントと、初期値を基準にする相対変化について。
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