複写 HUKUSYA
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自作絵本を読み聞かせにも使うには――手元で読む一冊と、見せる仕様を比べる

自作絵本は、持つ人・聞く人の位置・文章を読む人から仕様を考えます。一見開きの絵と二つの文を使い、同じ一冊を近くで見せる案と、見せるために別仕様を作る案を比べます。

開いた絵本の左ページに水に浮かぶ黄色い紙舟、右ページに緑の葉先へ近づく紙舟が描かれているHUKUSYA / JOURNAL

自作の絵本を印刷するとき、手元で読む一冊を、そのまま読み聞かせにも使えるか迷うことがあります。まず決めたいのは、誰が本を持ち、聞く人がどこから絵を見て、誰が文章を読むかです。近くで一緒に読む案と、離れた人へ見せる案を分けると、同じ一冊を使うか、見せるための別仕様を用意するかを比べられます。

本を大きくするだけで、見やすさや扱いやすさが決まるわけではありません。絵の細部、見開きの中央、文章の位置、開いた本の持ち方まで、使う場面に合わせて考えます。

誰が持ち、どこから見るのかを先に決める

一人で読むときは、読み手が自分で本との距離を変え、気になるところへ目を近づけられます。作者が本を持って数人へ見せるときは、聞く人が同じように近づけるとは限りません。横から見る人や、後ろに座る人がいるかも、仕様を選ぶ手掛かりになります。

相談前には、予定する人数、本を持つ人、いちばん遠い人までのおよその距離をメモしてください。机に置いて開くのか、胸の前で持つのか、別の人がめくるのかも添えます。まだ会場が決まっていなければ、決まっていない部分として残します。

同じ見開きで、手元用と見せる用を考える

この案では、雨上がりの黄色い紙舟を描く一見開きと、そこに添える二つの文を用意しました。左の絵は水面に浮かぶ舟、右の絵は葉の先へ近づく舟です。水のゆるやかな広がりと葉の細い線も残したい、という絵本を考えます。

左ページに添える文

きいろい ふねを、みずに うかべた。

右ページに添える文

はっぱの はしまで、もう すこし。

この二つの文は変えず、絵と文章をどこに置くかを比べます。上の画像は見開きの絵を一冊にしたときの姿を考えるための案で、寸法や製本の仕上がりを確かめた現物ではありません。

この見開きを使う三つの仕様案
使い方の案 この絵本で比べる仕様と確認すること
手元で読む一冊 仕上がり200mm角を候補にする。読み手が本を開き、絵の下に置く二つの文を自分で読む。舟と葉の細い線、文字の読みやすさを、予定の紙面で確認する。
同じ一冊を近くで見せる 200mm角の一冊を作者が持ち、近くの聞き手へ見せて読む案。聞き手の位置から絵が見えるか、読むために本を自分へ向けると絵が隠れないか、開いたまま扱えるかを確認する。
見せるための別仕様 聞き手6人、最も遠い席まで約2mの予定として、300mm角を候補にする。絵の配置を組み直し、作者が読む二つの文は別紙へ置く案も比べる。この寸法で見えると決めず、予定の位置から絵と扱い方を確かめる。

寸法・人数・距離は、この絵本の仕様を比べるための予定条件です。実際に見やすさを確かめた結果でも、すべての絵本に合う推奨寸法でもありません。別仕様の製作可否や製本方法は、印刷先へ個別に確認します。

拡大する前に、遠くからも残したい絵を選ぶ

この見開きで物語を伝える中心は、黄色い舟と、舟が近づく葉の先です。葉の細い線まで見てほしいのか、舟が進む様子が伝わればよいのかを、作者が決めます。細部を大きくすると、周囲の水面の広がりが減ることもあるため、残したい場面を先に伝えると相談しやすくなります。

小さい本の紙面をそのまま引き伸ばす案と、元の絵から配置を組み直す案も分けて考えます。元画像や原画の状態によって、大きく使える範囲は異なります。舟を見開きの中央へ寄せると折り目で隠れないか、端へ寄せると持つ手が重ならないかも、紙面案で確かめます。

文章を読む位置と、絵を見せる向きを合わせる

手元用では、絵の近くにある文章を読みながらページを進める案が考えられます。見せる用では、聞き手へ絵を向けたまま、作者がどこを見て読むかを決めます。文章が正面にあるだけでは、持つ人から読みやすいとは限りません。

この案なら、同じ二つの文を、作者の手元の別紙へまとめる方法も比べられます。その場合は、どちらの文をどのページで読むのかが分かるようにし、本を支える手と別紙を扱う手が足りるかを考えます。文章を別にした分だけ必ず扱いやすくなる、と決め付けずに選びます。

開いた姿と、めくる動作を確認して仕様を決める

製作前には、候補の寸法で開いた大きさ、重さの見込み、中央まで開くか、ページを支える位置を印刷先と確認します。実際の紙や製本での開き方・重さが判断に必要なら、どの段階で見本や試作を確かめられるかも相談してください。

見せる場面を確かめるときは、予定する位置から舟と葉の先が分かるか、本を開いて持つときに絵が隠れないか、次のページへ無理なく進めるかを見ます。画面上で絵がきれいに見えたことと、予定の場所で本を使えることは、それぞれ確かめます。

近くで一緒に見る使い方に合えば、同じ一冊を使う案を選べます。離れた席から見せるために絵の配置や文章の位置を変える必要があれば、別仕様を比べます。最初から二種類を作ると決めず、予定する使い方に必要な違いから相談しましょう。

一見開きと、予定する使い方をお知らせください

複写 HUKUSYAへ自作絵本の製作を相談するときは、原画や画像データ、文章、一見開きの配置案に、読む人・持つ人・人数・距離の予定を添えてください。寄稿された文章や他の人の絵を含む場合は、利用できる範囲も確認しておきます。

作品集・冊子の制作案内から、提供いただく絵本原稿に合わせた構成・デザイン・印刷を相談できます。大型の寸法や特殊な製本の可否、見本を確かめる方法、費用は個別に確認します。市販絵本を拡大して複製する依頼を前提とするものではありません。

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