複写 HUKUSYA
カテゴリ作品の記録
タグ

作品集の予約を受ける前に――見本の仕様と、印刷を決める条件をそろえる

完成前の作品集で予約を募るなら、見本から調整する部分と、受付前に決める条件を分けましょう。花の作品集の案内文と整理表から、印刷判断・変更連絡・発送までの順番を考えます。

黄土色の花と緑の葉の水彩を載せた開いた本と、無記入の折りカードHUKUSYA / JOURNAL

完成前の作品集を見せて予約を募りたいときは、見本で伝える内容と、注文を受ける条件を分けて用意しましょう。表紙や並び順をこれから調整する場合も、何を届けるのか、どの条件で印刷を決めるのかが分かる案内が必要です。

まず、作品集の仕様、価格と支払い、印刷を決める条件、発送時期を並べます。まだ決められない条件があるなら、構成を相談する見本の段階を保ち、注文受付を始める時点を別に設ける案があります。

見本で変わる部分と、注文するための情報を分ける

表紙の色や掲載順を考えている見本と、代金を支払って申し込むための案内では、必要な情報が違います。見本に載せた内容のうち、構成の前提にするもの、調整するもの、受付前に確定するものを分けておきます。

消費者庁の通信販売ガイドでは、対象となる通信販売の申込書面や最終確認画面に、数量、送料を含む価格、支払時期・方法、引渡時期、期間を定める場合の申込期間、申込みの撤回・解除に関する事項を表示するよう案内しています。[1] 作品集を紹介する文章だけで済ませず、実際に申し込む場面の表示も、発行者が受付方法に合わせて整えます。

「予約」という呼び名だけで、購入の申込みなのか、関心のある方を募るだけなのかが伝わるとは限りません。何を送ると注文になるのか、いつ支払いが発生するのかを、受付を始める前に確かめましょう。

花の作品集の案で、確定する順番を考える

この案では、花の水彩八点を軸にした『身近な花』という仮題の作品集を考えます。八点はこの構成案で置いた予定数です。テーマと収録予定点数を構成の前提にし、見本から調整する点と、受付前に決める条件を次のように分けます。

予約案内を整えるための、確定・未確定の整理案
分ける項目 この作品集の案で置く内容
構成の前提案 仮題は『身近な花』。花の水彩八点を軸に、一冊の紙の作品集へまとめる。発行者が実際の収録内容を確認してから、受付用の案内へ反映する。
見本から調整する点 表紙のデザイン、作品の掲載順、余白と説明文の配置。判型・頁数・用紙も現在は未確定なので、仕上がり仕様として約束する前に決める。
受付前に確定する条件 価格・送料、支払時期と方法、受付期間、印刷を決める条件、発送時期、変更や中止の対応、発行者と連絡先。未記入のまま注文を受ける案内には使わない。

この一覧は、実施が決まった販売条件ではありません。案内原稿を整えるための自作の構成案です。発行者が実作品と制作費・日程、利用する受付方法を確認し、約束できる内容に直してから受付用の版を確定します。

条件が未定の段階では、受付開始前の案内にする

この状態で見本を見せるなら、案内文は次のように置けます。注文を受け付けるための完成文ではなく、予約案内を準備している段階の原稿です。

『身近な花』作品集 予約案内の原稿案

花の水彩八点を軸に、一冊の紙の作品集へまとめる計画です。掲載順と表紙は、構成見本から調整する予定です。

判型・頁数・用紙と、価格・送料・受付期間・印刷を決める条件・発送時期は、確定後の案内にまとめます。

この原稿の段階では、予約の注文と支払いは受け付けません。受付を始める案内には、条件変更時の対応と連絡方法も合わせて記載します。

受付用の版に進むときは、この文章の「確定後に案内する」項目を実際の条件に置き換えます。発行者が確認した版と日付をそろえ、見本のどこを変更する可能性があるかも、その版の中で示します。

「集まったら印刷する」の成立条件を決める

予約数を見てから印刷を決めるなら、何を数え、いつ判断するかを先に決めます。関心を示した人数、注文の冊数、支払いが済んだ冊数は同じ数字とは限りません。判断に使う数と、受付を締める時点を対応させます。

この作品集の案では、「受付期間を終えた時点で、定めた条件を満たしたか確認して印刷を決める」という順番を考えます。必要な冊数や金額は、制作費と受付方法が分かってから発行者が確定します。ここで部数や採算が確認できたものとは扱いません。

受付の仕組みによって、目標に届かなかった場合の扱いも変わります。たとえばCAMPFIREの利用規約では、All-or-Nothing方式は目標金額への到達が成立条件で、All-in方式は目標金額への到達を条件としない仕組みです。[2] この区別を一般の予約販売へ当てはめず、使う仕組みの現行条件を確認します。

条件を満たさなかった場合に、受付を終了するのか、別の方法を改めて案内するのかも決めます。すでに支払いを受ける方式なら、変更や中止、返金の条件と実際の手続きまで、利用する仕組みと合わせて確認しておきます。

仕様や日程が変わるときの連絡を用意する

見本から変更する可能性を伝えていても、後から自由に条件を変えてよいことにはしません。表紙や掲載順の調整と、判型・頁数、価格、届ける時期の変更を分け、申し込む方の判断に関わる変更が起きたときの対応を決めておきます。

CAMPFIREの規約では、リターンごとの履行時期を示し、遅れる場合は実施者が支援者へ連絡する内容や、購入型のリターンの変更には個別の同意を得る扱いが定められています。[2] これは同サービスの規約です。ほかの受付方法にも同じ手続きを使えるとせず、実際の条件に沿って案内します。

発行者側では、変更前の条件、変わる内容と理由、予定への影響、確認してほしい点、返事や手続きの窓口を一緒に整理します。見本だけを差し替えて連絡を済ませた扱いにせず、申し込んだ方に必要な情報が届く方法を用意しましょう。

受付から発送までを、四つの段階で並べる

この案の制作日程は、次の四段階で考えます。実際の日付と各工程に必要な期間は、原稿・印刷方法・受付方法を確認してから入れます。

  1. 受付前:作品、仕上がり仕様、価格と送料、受付条件と案内原稿を確定する。
  2. 受付終了時:決めた方法で冊数や金額を確認し、印刷する条件を満たしたか判断する。
  3. 印刷前:必要な変更の連絡と確認を済ませ、最終原稿・部数・入稿日を確定する。
  4. 印刷後:完成品の確認、梱包と発送の期間を取り、案内した発送時期と照合する。

予約の締切と、印刷所へ渡す原稿の締切を同じ日に置くと、集計や確認の工程を入れにくくなります。条件確認、原稿の最終確認、印刷・製本、発送準備に使う時間を分け、実施できる日程として整えます。

見本と予約案内の原稿を、一緒にご相談ください

複写 HUKUSYAへ相談するときは、予定している作品集の見本、収録内容と点数、決めた仕様と未確定の項目、受付の方法、希望する発送時期をお知らせください。予約案内に書く内容と、制作仕様・原稿の締切が対応しているかを整理します。

画像・原稿からの冊子制作案内から、構成・編集・デザイン、印刷・製本の範囲を相談できます。受付条件の決定や注文・入金の管理、資金調達の代行は、冊子制作と同じ作業として扱わず、担当と対応範囲を別に確認してください。

参考資料

  1. [1] 消費者庁「通信販売」(「特定申込みを受ける際の表示」の案内)
  2. [2] CAMPFIRE「利用規約」(第14条の成立方式、第16条のリターンの履行・変更に関する同サービスの条件)
← コラム一覧に戻る

LET'S TALK / ご相談

作品や資料のこと、
ご相談ください

撮影・スキャン、作品集、Web制作など、
残したいものと、どのように使いたいかをお聞かせください。

ご相談・お見積もり
料金・納期ご相談・お見積もり