制作活動の節目に作品を選び直す
制作の節目に、六点を年代順の記録へ残し、四点を「窓から、外へ」で紹介する作品集の紙面案。選ぶ理由と、載せない二点を残す意味を考えます。
HUKUSYA / JOURNAL

制作活動の節目に、これまでの作品から一冊を作る。初めて自分の作品を見る人へ、いま何を紹介したいでしょうか。年代順に全部を並べると、長く制作してきた歩みを見返せます。その中から、今回の一冊で大きく見せる作品を選び直すこともできます。
ここでは、六点を年代順の記録に残し、そのうち四点を「窓から、外へ」という関係で紹介する作品集の紙面を組みました。選ばなかった二点の画像と作品情報も残す案です。

まず六点を、制作年で見返す
出発点は、窓のある室内二点、道を描いた二点、机上の静物二点です。題名と制作年を添え、2002年から2024年までの六点を年代順の記録紙面にしました。選ぶ前に全体を見返すための配置です。

画像は、絵の四辺と紙の余白まで見える全体像を使います。作品名や制作年は画像の外へ置き、どの作品の情報か分かるようにします。年が分からない作品なら、作品や手元の記録で確認できるまで、推測した年を確定情報として入れません。
作品の全体画像をそろえる撮影では、まず全体を記録し、必要に応じて筆跡や表面などの部分も相談できます。既存の画像がある場合は、今回の紙面に使う大きさや全体の写り方を確かめるところから考えます。撮影・スキャンの詳しい内容は、作品撮影の案内をご覧ください。
今回は「窓から、外へ」を四点で紹介する
この案で紹介したい関係は、窓と床に見える明るい形から、道の先へ続く奥行きへ移ることです。窓の二点を並べ、次に道の二点を置きます。四点の順序は「窓辺」→「午後の窓」→「曲がり角」→「白い道」としました。
「梨と白布」は梨の丸みや布の折れ、「卓上の枝」は瓶の形や枝先の線を近い距離で見る作品です。どちらにも光や影はあります。今回は窓から屋外の道へ視線を移す関係に絞るため、この二点は大きな作品頁へ載せず、年代順の記録に残しました。

この選び方は、一冊で見せたい関係を決める編集判断です。古い作品を外したり、新しい作品だけを良い作品と決めたりしていません。今回は外した静物二点も、机上の形を紹介したい別の一冊なら、中心に置く候補になります。
最初の見開きで、窓と床の光を見比べる
左の「窓辺」2002年は、青灰色の部屋の右に窓があり、床に明るい四角が見えます。右の「午後の窓」2014年は、暖かい色の部屋の左に窓があり、右に空の椅子があります。向きや色の違う二作品でも、窓と床の明るい形を見比べられます。

一頁に一点を置き、絵の大きさと余白をそろえました。綴じる位置へ絵が入り込まないようにし、題名と年は絵の下へ添えています。短い説明を重ねる前に、二つの全体像を見られる配置です。
次の見開きで、道の先へ視線を移す
左の「曲がり角」2010年は、左の建物と右の低い白壁に挟まれた道が奥へ曲がります。右の「白い道」2024年は、左の塀と右の木の間に道が伸び、空も広く見えます。窓の二点を見た後で、屋外へ続く二点を開く順序です。

読む順番は2002→2014→2010→2024です。制作年を消すと、見せる順序を時間の順序と受け取るかもしれません。年を残し、この一冊では窓から道へ並べたことを伝えます。
表紙は「窓から、外へ」。二つの見開きに続く6頁には、今回四点を並べた理由を短く置きました。7頁には六点の題名と年を載せ、四点の作品頁と、二点を残す年代順の記録が分かるようにしています。裏表紙を含めた8頁の紙面案です。
選ばなかった作品と、選んだ理由も残す
紹介冊子で大きく見せる作品を絞っても、候補の記録は六点のまま残します。全体画像、題名、制作年と、今回どの四点をどう並べたかを結び付けます。静物二点を載せない理由も「窓から道へ移る関係に絞るため」と残せば、次に見せたい内容が変わったとき、候補全体へ戻れます。
六点の全体を見る:窓辺・2002年/梨と白布・2006年/曲がり角・2010年/午後の窓・2014年/卓上の枝・2018年/白い道・2024年。
候補の画像と、いま見せたい関心からご相談を
複写では、掲載作品や順番、題名・制作年・説明を整理しながら、作品集やWebの編集を相談できます。作品名や年が分かる画像と、今回誰に渡したいか、どの作品や関係を見てほしいかをお知らせください。掲載点数や順番が決まっていなくても、ご相談いただけます。作品集やWeb編集の詳しい内容は、作品集・カタログ・Web制作の案内をご覧ください。
全候補を残す記録と、紹介する一冊へ選びたい作品を伝えていただくと、画像の準備と紙面の構成を一緒に考えられます。撮影から必要なのか、既存画像で編集するのか、印刷まで含めるのかを、ご希望に合わせて確認します。



