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寄稿文の長さがそろわないとき――全文を残すか、本人へ調整を頼むか

短い寄稿と長い寄稿を一人一ページにそろえる前に、残す分量と変更の確認方法を決めましょう。二つの寄稿と台割案で、全文掲載・短縮依頼・募集時の目安を考えます。

開いた本の左ページに窓辺のカップ、右ページに日差しと壁、空を描いた別の水彩画HUKUSYA / JOURNAL

長さの違う寄稿文が集まったときは、先に収録の方針を決めましょう。一人一ページへそろえるために本人へ短縮を頼むのか、全文を残すためにページを配分するのかでは、寄稿者に頼むことが変わります。

分量をそろえる、全文に必要なページを見込む、本人へ短縮を頼む方法があります。題名、掲載名、写真、写真の説明、注記にも場所が必要です。文章だけで一ページに入るかを考えず、読みやすい文字の大きさを含めて紙面を相談します。

短い寄稿と長い寄稿で、残したいものを比べる

ここでは「好きな時間」をテーマに、二人の文章と写真を収める計画で考えます。寄稿文は次の二つです。

寄稿A

夕方、窓のそばでお茶を飲む時間が好きです。遠くの電車の音を聞きながら、その日見た空の色を思い出します。

寄稿B

休みの日には、小さなノートを持って散歩に出ます。初めは何かを描こうと急いでいましたが、立ち止まっているだけでも、見えるものが変わると気づきました。同じ角を曲がっても、壁に落ちる影の形は前の週と違っています。

帰ってからノートを開くと、線が一本だけのページもあります。その余白を見ると、何を描いたかより、その場所で過ごした時間を思い出します。最近は何も描かなかった日も、紙を空けたまま残すようになりました。あとで見返すために、何でも言葉で埋めなくてもよいと思っています。

寄稿Aは短い時間の情景を二文で伝えています。寄稿Bには、散歩中の気づきと、帰ってから余白を見直す話があります。同じ分量へ直すなら、寄稿Bのどちらを中心に残すかという、内容の判断が必要です。

一人一ページにそろえるなら、削る前に本人へ戻す

ページ数を公平にそろえたい場合でも、短い原稿を編集側が膨らませたり、長い原稿を断りなく削ったりすることとは分けて考えます。なぜ分量をそろえるか、写真も含めてどの程度の場所があるかを寄稿者へ伝え、調整する範囲を相談します。

寄稿Bなら、「散歩中の気づきと、帰宅後に余白を見返す話のどちらを中心に残したいですか。全文を残す場合の紙面も含めて相談したいです」と尋ねる方法があります。編集側で短縮案を作る場合も、どの文章を削り、意味や順序がどう変わったかが分かる形で返します。

短い寄稿Aに余白が出ても、字数を合わせるためだけに、本人が述べていない思い出や説明を足しません。写真を大きく見せるなど、文章量を変えずに紙面を整える方法も検討できます。

全文を残すなら、寄稿欄のページを配分する

二つの全文を残す案では、寄稿欄へ三ページを割き、写真はそれぞれ一点を添える計画にします。ページの役割を決める台割の案は、次のようになります。

  1. 寄稿欄の1ページ目:寄稿Aの全文、題名と掲載名、写真一点とその説明。
  2. 寄稿欄の2ページ目:寄稿Bの題名と掲載名、散歩中の気づきを述べる最初の段落。
  3. 寄稿欄の3ページ目:寄稿Bの帰宅後を述べる二つ目の段落、写真一点とその説明。前ページから続く文章だと分かる配置にする。

これは配置を相談するための計画で、実際の紙面へ組んで収まりを確認した結果ではありません。判型、書体、文字の大きさ、行間、写真の大きさを合わせてみて、必要なページ数を見直します。全文を残す方針なのに、収まらない分だけ文字を極端に小さくして押し込むことは避けます。

一人あたりのページ数に差が出る案は、まとめ役が理由を説明し、文集の目的と合うかを寄稿者へ確かめます。この案も、二人の寄稿者が了承した記録ではありません。全員分の原稿と写真をそろえてから、冊子全体のページ数や費用と照らして選びます。

募集前なら、字数の目安と超えたときの扱いを知らせる

これから集める場合は、「何字まで」だけでなく、題名・掲載名・写真の説明・注を字数へ含めるか、写真を何点載せるかも知らせます。写真の大きさで文章に使える場所が変わるため、字数だけで掲載ページ数を保証しないことも共有します。

参考として、公開されている『懐徳』92号の投稿規定では、本文だけでなく注や図版も分量の計算に含めています。[1] これはその刊行物の規定で、家族や教室の文集へ同じ上限字数を当てはめるものではありません。何を分量に含めるかを先に示す例として参照できます。

目安を超えた場合に、本人へ短縮を頼むのか、ページ追加を相談するのか、編集案を作って確認してもらうのかも決めておきます。編集側ができる表記の統一と、本人に採否を決めてもらう内容の変更を、募集時から区別して伝えましょう。

調整後は、本文と掲載名を寄稿者が確認する

短縮した本文は、元の原稿と見比べてもらいます。文意だけでなく、残したかった場面が消えていないか、話の順序が変わっていないかも確認対象です。題名と掲載名、写真とその説明も、実際に載せる組み合わせで見てもらいます。

確認を受けたあとにさらに削ったり、別の文を足したりした場合は、その変更まで了承済みとはしません。誰が修正案を作るか、寄稿者からの返事を誰が集めるか、冊子全体を最終確認するのは誰かを決めると、途中の案がそのまま掲載稿になることを防ぎやすくなります。

届いた全文と、冊子全体の制約を一緒に相談する

複写 HUKUSYAへ文集の制作を相談するときは、寄稿者の人数、届いている全文、写真の予定、冊子全体の上限ページや予算、原稿をどこまで変えてよいかをお知らせください。全文を残す方針か、分量をそろえる方針かが未定でも、希望を分けて伝えられます。

原稿の整理、構成、組版、短縮案の作成、寄稿者への確認では、必要な担当と作業量が変わります。冊子・文集の編集と制作の案内から、対応する範囲と費用、確認の進め方を個別に確かめて進めます。

参考資料

  1. [1] 懐徳堂記念会「原稿募集のお知らせ」掲載の『懐徳』92号投稿規定(本文・注・図版を含む分量の示し方)
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