複写 HUKUSYA

JOURNAL

作品の記録

作品の保管で最初に確認すること|光・湿気・置き方と状態記録

作品の保管条件は、紙、絵具、額装、立体などで異なります。一律の温湿度設定に頼らず、置き場所の環境、接触や水ぬれの危険、状態の変化を確認する手順を紹介します。

絵の具や画材を背景に作品の保管を紹介する画像

作品を長く残すためには、収納用品を選ぶ前に、何でできた作品か、今どのような状態か、どこへ置くかを確認します。紙の作品、キャンバス、木、金属、複数の素材を組み合わせた作品では、注意する点が異なります。すべてに共通する一つの温湿度設定で判断しないようにしましょう。

置き場所の光と水ぬれの危険を見直す

直射日光が当たる場所、雨漏りや結露のある場所、空調の風や熱が直接当たる場所を避けることから始めます。カナダ保存研究所は、紙の作品について、光による退色や、温湿度が大きく変わる屋根裏・地下室などの注意点を案内しています。紙の美術作品の基本的な取り扱い

床への直置き、通路での仮置き、物が落ちてくる棚の下なども見直します。作品を取り出すために何枚も動かす収納では、接触や落下の機会が増えます。出し入れする空間と動線を含めて考えてください。

温湿度は数字だけでなく変化を記録する

測定器を置き、作品の近くで実際にどのような変化があるかを見ます。日中と夜間、空調を使う日と使わない日など、使い方と合わせて記録すると置き場所の特徴を把握できます。目標値を決めるときは、素材と状態に合う条件を保存の専門家へ確認してください。

乾燥させるほどよいとは限りません。カナダ保存研究所の絵画の解説でも、支持体や絵具などの性質によって、保管や環境変化への反応が違うことが示されています。絵画の保存に関する解説

作品同士と収納材の接触を確認する

絵具が盛り上がった面や粉状の画材に、紙や緩衝材を直接触れさせると損傷につながることがあります。包装材の選択は作品に合わせ、汚れた材料や粘着テープを作品へ直接使わないでください。額や箱に収まっていても、内部で動いたり、表面に当たったりしないかを確認します。

大きな作品、重い額、もろい資料は、一人で取り出して確かめようとせず、扱う人数と方法を相談します。既存の額装や裏打ちを、収納しやすさだけの理由で外すことは避けましょう。

状態写真と所在をセットで残す

  • 作品全体と、既にある傷みが分かる写真。
  • 確認日、作品ID、現在の置き場所。
  • 反り、汚れ、浮き、欠けなど気付いた変化。
  • 移動や展示に出した時期と、戻ったときの状態。

変化に気付いても、薬剤で拭く、テープで補修する、押して平らにするなどの処置を自己判断で加えないでください。状態写真をもとに相談できるようにしておくと、不要な移動を減らせます。

撮影やスキャンは作品の見た目を記録する方法であり、原物の保存を代わりに完了するものではありません。傷みがある作品は、デジタル化を相談する前の確認事項を参考に、作業前に状態をお知らせください。

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