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封筒と便箋を、家族の手紙の冊子へ|一通のかたちを残す

封筒と二枚の便箋を、ひとつの手紙として残す。表裏の記録と冊子へ載せる部分を分け、原文の四行を収める紙面案から、家族へ渡す一冊を考えます。

短編「家族へ」の封筒を並べたページと、原文四行を収めたページを開いた冊子の紙面案。HUKUSYA / JOURNAL

家族が残した手紙を一冊にまとめるとき、便箋の文章と一緒に、封筒も残したくなることがあります。宛先や差出人の言葉、折りたたまれた便箋のまとまりも、一通を読み返す手がかりになります。

手紙形式の短編「家族へ」を、封筒一つと二枚の便箋で見せる案から、冊子に収める面と言葉を考えます。表裏を残す記録と、家族へ渡す冊子の紙面を、それぞれ選んでいきます。

封筒から、一通の手紙のかたちを残す

この短編の封筒には、表に「家族へ」、裏に「差出人A」とあります。表と裏を並べると、便箋を読む前に、誰へ向けた一通なのかを言葉で受け取れます。

冊子の始まりに封筒のページを置き、続けて便箋を見せる案です。手元では封筒と便箋を一通のまとまりで扱い、原紙を撮影する前には、清潔な手と作業面を用意します。[1]

短編「家族へ」の封筒の表と裏を並べた紙面案
手紙形式の短編「家族へ」の封筒を、表と裏を並べて見せる案。宛先「家族へ」と差出人「差出人A」を残します。

二枚の便箋を、文の続きとともに読む

便箋には「一枚目」「二枚目」と書かれています。この案では、その順に文章を続けて読み、同じ一通の二枚として紙面へ収めます。紙を一枚ずつ眺めるときも、文の続きが分かる並びを残します。

手元の手紙に番号がなく、順序が分からないこともあります。受け取った並びだけで元の順序を決めず、文のつながりや封筒との関係を確かめてから、冊子の読み順を考えます。分からないところは、分からないまま記録に残します。

文章には「写真を二枚同封しました。」とあります。この紙面案に、その写真は載せていません。写真や作品を一緒に残すときは、手紙に書かれたものと、手元の実物が対応するかを確かめます。

短編の二枚の便箋の表を、文の続きに沿って並べた紙面案
同じ短編の二枚の便箋を、「一枚目」「二枚目」の言葉と文章の続きに沿って置く案。

便箋二枚の紙面を大きく見る

何も書かれていない裏面も、記録に残す

この短編の便箋二枚は、どちらも裏面に文字がありません。表と裏を見て残した記録があれば、後から見返すときも、裏の文章を写し忘れたのか、もともと空白なのかを区別できます。

まだ見ていない面や、記録に入っていない面も、空白と決めずに残しておきます。一通を整理する段階では、封筒の表裏と二枚の便箋の表裏、合わせて六面を確かめる案です。

冊子では、裏面を載せるか、文章の間に余白を残すかを、読んでほしい順に合わせて選べます。表裏をそろえた記録と、冊子へ掲載する範囲を別に残しておくと、あとから紙面を選び直すときにも元の一通へ戻れます。

文字のない二枚の便箋の裏面と、記録と掲載の範囲を示した紙面案
この短編の便箋二枚の裏面。表裏を残す記録と、冊子へ収める面の選択を分けて考えます。

原文から選んだ一節を、冊子へ収める

一通の全文を読めるページに加えて、家族に読んでほしい短い一節を大きく載せる方法もあります。この案では、一枚目の文から続く四行を選びます。

先日の集まりのあと、

写真を二枚同封しました。

手紙と一緒に残して

もらえたらうれしいです。

「手紙と一緒に残して」という言葉を、前後の文とともに読めるように置きます。四行は原文の言葉と順番をそのまま残し、冊子の説明は別に添える案です。

実際の手紙から一節を選ぶときも、一通の全体を読んでから収める範囲を考えます。作品や写真について書かれた文なら、その資料と一緒に見せるか、手紙の文として残すかを、渡す相手に合わせて相談できます。

手紙形式の短編から四行を大きく載せ、別に説明を添えた紙面案
短編「家族へ」の原文から、連続する四行を一字も替えずに収める案。原文と説明を分けて置きます。

手元の手紙から、家族へ渡す一冊を相談する

まずは、手元にある封筒と便箋がどの一通に属するかをまとめます。読み順が分からない紙や、見つかっていない同封物も、その状態を伝えておけば、無理に補わずに紙面を考えられます。

家族へ渡す冊子に載せたい言葉、封筒まで見せたい一通、作品や写真と一緒に残したい文。それぞれの希望を、誰へ渡すかとともに整理します。冊子とWebでは、見せる相手や掲載する範囲を分けて確かめます。

紙をデータ化したあとも、元の封筒や便箋は残しておきます。[2]冊子に載せる面や抜粋を選んだ記録と、原紙の表裏をそろえた記録があると、一冊を見返しながら元の手紙もたどれます。

複写 HUKUSYAでは、手紙の画像や原稿をもとに、冊子へ収める順番と紙面を相談できます。作品集・カタログ・Web制作の詳しい内容をご覧のうえ、手元の資料の状態、載せたい言葉、渡したい相手をお問い合わせでお知らせください。

参考資料

  1. 米国国立公文書館(NARA)家族の紙資料・写真を扱うときの案内:家族の紙資料を清潔な手と作業面で扱う際の案内。
  2. 米国国立公文書館(NARA)家族の紙資料・写真のデータ化の案内:データ化したあとも原資料を残すことなどの案内。
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