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会場へ持ち込めない大型作品を、全体と大きさが分かる頁で紹介する

会場へ持ち込めない大型作品は、全体が分かる写真に作品寸法と設置状態の説明を添えて紹介できます。手元の写真で見える範囲と足りない情報から、冊子に残す内容と撮影の相談範囲を考えます。

The Met公開の実写真と、同じ一枚に神殿本体・門の館公表寸法を添えた紹介頁の編集例。HUKUSYA / JOURNAL

大きさや搬入条件から実物を会場へ持ち込めない作品は、姿が分かる写真に、確認できた作品寸法と設置状態の説明を添えて紹介します。手元の写真で見える範囲を確かめると、冊子に載せる内容と、追加で必要な写真を選べます。

ここでは、The Metropolitan Museum of Art(The Met)が公開する《The Temple of Dendur(デンドゥール神殿)》の実写真一枚と館公表寸法を使い、紹介頁を組みました。公開実資料を使う冊子編集の例です。実際にこの神殿の搬入や貸出を依頼し、断られたという事例ではありません。

一枚で、作品の姿と設置状況をどこまで伝えられるか

この写真では、奥の左側に神殿本体、手前の右側に門が見えます。周囲の床や階段、窓、展示室の天井も同じ枠に入っています。一枚の中で、建造物の見える方向の姿と、館に設置された状況の両方を紹介できます。

館の展示室に設置されたデンドゥール神殿。奥の左に本体、手前の右に門があり、門は本体の一部と重なって見える。
The Metが公開する《The Temple of Dendur》の写真。神殿本体・門と周囲の設置状況が同じ一枚に写る。原写真の枠内を保って等比縮小した掲載版。門に隠れる部分、背面や内部の全体を示す写真ではない。The Met Open Access(CC0)、作品番号68.154。

全体を収めた写真があっても、全方向を見られるわけではありません。この写真でも、手前の門が本体の一部に重なっています。冊子で伝えたいのが外観なのか、反対側の形なのか、内部なのかを選び、写っていない部分を説明で埋めず、不足する画像として残します。

寸法は、何を測った値かを写真へ結ぶ

館は神殿本体と門の寸法を別々に公表しています。紹介頁でも二つを分け、写真のどの対象の値かが分かる言葉を付けました。

  • 神殿本体(写真の奥・左):高さ6.40m、幅6.40m、長さ12.50m。
  • 門(写真の手前・右):高さ8.08m、幅3.66m、奥行3.35m。

いずれも館の公表値で、私たちが実測した数値ではありません。台座や展示区画、敷地を合わせた総寸法でもありません。写真で手前に見える大きさから測ったり、二つの建造物を同じ縮尺の図として比べたりはしていません。

ご自身の作品なら、本体だけか、台座や張り出す部分まで含むかも添えてください。作者の記録や確認できる寸法資料があれば、その値を使い、出所が分からない数値や測っていない部分は確認事項として残せます。

作品の写真と寸法を、一頁で紹介する

紹介頁では、同じ一枚の写真の下へ、本体と門の寸法をそれぞれ置きました。二枚の写真や二方向の記録があるようには見せず、一枚が伝える範囲と不足を短く添えています。

同じデンドゥール神殿の写真一枚に、奥左の本体と手前右の門の館公表寸法を対応させた紹介頁。
A5を想定した紹介頁の編集例。写真と二つの寸法群を対応させた配置画像で、実印刷や製本の仕上がりを確認したものではない。The Met Open Access写真と公表情報を使用。

紹介頁を大きく見る

冊子に載る写真の大きさと、作品の実寸は別に示します。実物が数メートルあることを、大きい写真だけに任せて伝える必要はありません。逆に寸法だけでは、どんな形で、どのように設置されているかは分かりません。写真・対象名・寸法を近くに置き、同じ作品の情報として読める頁にします。

足りない方向と、撮影の条件を分けて相談する

この例で不足するのは、門に隠れた本体の部分や、背面・内部を説明したい場合の画像です。別方向の写真が必要になったら、その部分で何を伝えたいかを決めてから、既存画像を探すか、新たな撮影を相談します。同じ写真を切り出しても、見えていない方向を撮った記録にはなりません。

元の公開画像には日時や機器の記録も残っていますが、時計の正確さや照明・露出の設定すべてを確認できる資料ではありません。窓や照明器具が見えることから、撮影方法や実物の色の再現性を認定することもできません。この頁は、確認できる姿・設置状態と館公表寸法を結んだ紹介です。

大型作品の新規撮影では、場所、寸法、重さ、設置状態、立ち入れる範囲、撮影・掲載の条件を添えて、対応可否を相談します。撮影のために無理に移動・解体することを前提にせず、現状写真から必要な範囲を確かめます。

手元の写真と寸法から、冊子に残す範囲を決める

まずは、姿が分かる写真、確認できる寸法とその出所、設置状態の説明を集めてみてください。「全体の形を紹介したい」「背面の特徴も伝えたい」など、会場で実物を見られない人へ残したい内容を添えると、今ある写真で足りる範囲と追加する撮影を分けて相談できます。

複写の作品集・カタログ・Web制作では、手元の画像と作品情報から、掲載順や説明、紹介頁の構成を相談できます。新しい撮影が必要な場合は、作品の撮影・スキャンとあわせ、作品の大きさや受け渡し・現地対応の条件を個別に確認します。撮影、編集・デザイン、印刷・製本は作業範囲と費用を分けて相談します。

大型作品の写真と冊子への掲載について相談する

使用した公開資料

The Met《The Temple of Dendur》、作品番号68.154。館の公開実写真一枚と、神殿本体・門別の公表寸法を使用しています。写真出典はThe Met Open Access(CC0)。今回の配置は複写による編集例で、館の推薦や自社の現地撮影・実測の実績を示すものではありません。

館の収蔵クレジット:Given to the United States by Egypt in 1965 and awarded to The Metropolitan Museum of Art in 1967.

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