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紙名が変わった古い新聞を冊子で紹介する

紙名の異なる二号を冊子へ。1886年の公開新聞を使い、各号の題字・日付・巻号を残し、双方の目録が示す前後関係を別の説明として添える見開きを考えます。

Grant's Pass courier.とRogue River courier.の1886年の二号の公開紙面画像を並べた構成HUKUSYA / JOURNAL

古い新聞を地域の冊子で紹介するとき、紙名の異なる二号がそろうことがあります。後の号の名前にまとめると、前の号に実際に載っている題字が伝わりません。一方、別々の新聞として紹介するだけでは、資料の目録で確認できる前後の関係が抜けてしまいます。

ここでは、1886年5月28日の『Grant’s Pass courier.』と、6月4日の『Rogue River courier.』を使います。各号の題字・日付・巻号はそのまま残し、二つの目録が示す関係を別の説明として添える見開きを考えます。

題字の違いは、各号の情報として残す

5月28日の号には「GRANT’S PASS COURIER.」、6月4日の号には「ROGUE RIVER COURIER.」という題字があります。冊子の紹介見出しを後の紙名へそろえても、古い号の題字まで置き換えると、読者が原紙へ戻ったときに表記が食い違います。

1886年5月28日のGrant's Pass courier.と6月4日のRogue River courier.の題字周辺を上下に並べた図。前者はVOL. II.、NO. 9.、後者はVOL. 2.、NO. 10.
二号の題字周辺。画像提供:Josephine Community Library Foundation; Grants Pass, OR。公開:University of Oregon Libraries / Historic Oregon Newspapers。

この二号の紹介では、次の情報をそれぞれの画像と組にして載せます。

  • 1886年5月28日の号:Grant’s Pass courier./VOL. II./NO. 9.
  • 1886年6月4日の号:Rogue River courier./VOL. 2./NO. 10.

巻の表記は、前の号がローマ数字の「II」、後の号が数字の「2」です。内容を説明するときは第2巻と読めますが、原紙の表記を紹介する欄では、この違いも残します。日付を日本語で示す場合も、どの号の情報かが分かるように題字と並べます。

公開元では、どちらの画像も「Image 1」として案内されています。これはデジタル画像の順序番号です。冊子の頁番号や、原紙に印刷された頁番号として付け直すのではなく、元画像へ戻るための参照として使います。

前後の関係は、目録を根拠に添える

二号の巻号が第9号から第10号へ続くことだけを根拠に、紙名の関係を説明しないようにします。今回の資料では、Historic Oregon Newspapersの旧誌の目録に後継の誌名としてRogue River courier.が、新誌の目録に前誌としてGrant’s Pass courier.が記されています。双方の記録が相互に対応しています。

そこで、号ごとの紹介とは別に、たとえば次の説明を添えます。

Historic Oregon Newspapersの目録では、Grant’s Pass courier.の後継誌としてRogue River courier.が記され、Rogue River courier.の前誌としてGrant’s Pass courier.が記されています。

これは編集側が目録を参照して書く説明です。原紙にこの文章が載っているように、題字画像の中へ加筆することはしません。号の情報は原紙、二誌の前後関係は目録というように、根拠を分けると、確認先もはっきりします。

見開きでは、号の紹介と関係の説明を置き分ける

この案では、左に5月28日の号、右に6月4日の号を置きました。各頁の上に題字周辺の画像を載せ、その下に紙名・日付・巻号・元画像の参照をまとめています。目録による前後関係は、二号にまたがる下の欄へ置きました。

左頁に1886年5月28日の第9号、右頁に6月4日の第10号を紹介し、下の欄に双方の目録に基づく前後関係を添えた見開きの紙面例
号ごとの原情報を左右に置き、目録に基づく関係説明を下へまとめた紙面例。画像を開くと全体を拡大できます。

下の欄は「目録が示す前後関係」と名付け、旧誌の後継誌名と新誌の前誌名が対応することを説明しています。題字や巻号の転記と同じ欄に詰め込まず、別の根拠から添えた説明だと分かる配置です。

画像は原紙の題字周辺を使い、原字を描き直していません。紙名を読みやすい文字で別途記す場合も、原題字と見比べられるようにします。二号の本文や広告を抜粋した見開きではないので、新聞全体を載せたものとも区別して紹介します。

今回の紙面例は画面で見る見開き画像です。実際の冊子では、仕上がり寸法と原画像の状態を確認し、題字の大きさ、文字の読みやすさ、説明欄の位置を決めます。

目録の関係から、改題の理由まで広げない

この二号では、紙名・日付・巻号の違いと、目録が示す前誌・後継誌の関係を確認できます。それだけで、名前を変えた理由や、発行主体・編集方針・組織の仕事がすべて引き継がれたかまで説明できるわけではありません。

地域の歩みを紹介するために、その理由も必要なら、当時の告知や別の記録を探し、説明の根拠を追加します。確認できないままなら、今回の見開きでは目録が示す関係までを載せる判断ができます。

手元の資料が切り抜きだけの場合も、似た題字や続く番号を手掛かりに、元の号と目録へ戻ります。関係が確認できなかった二点には、今回と同じ前後関係の説明をそのまま当てはめず、それぞれの確認できた情報を残します。

紹介したい二号と、説明したい関係を相談へ

冊子にする前に、二号の画像、紙名・日付・巻号が分かる箇所、双方の目録や出所の記録をそろえます。掲載したい画像の範囲と、どの関係まで説明したいかを一緒に伝えると、頁の分け方や説明欄の置き方を考えやすくなります。

今回の題字画像は公開デジタル資料から採っています。手元の別の新聞を使うときも、その資料の提供元と利用条件、配布先、原稿を確認する担当者を確かめます。二号の関係を確認する作業と、画像を冊子へ使える範囲を確認する作業は、分けて進めます。

複写では、地域資料の撮影・スキャン、画像と説明の整理、紹介冊子づくりを相談できます。詳しい内容は自治体・地域団体の資料制作をご覧ください。紹介したい二号と、残したい原情報、添えたい説明の範囲をご相談時にお知らせください。

参考資料

  1. Historic Oregon Newspapers:Grant’s Pass courier.、1886年5月28日、Image 1。題字・日付・巻号と画像の出所。
  2. Historic Oregon Newspapers:Rogue River courier.、1886年6月4日、Image 1。題字・日付・巻号と画像の出所。
  3. Historic Oregon Newspapers:Grant’s Pass courier.の目録。Succeeding Titles欄。
  4. Historic Oregon Newspapers:Rogue River courier.の目録。Preceding Titles欄。
  5. Oregon Digital Newspaper Program:Copyright and Historic Newspapers。公開元の一般的な利用案内。各画像の利用条件は上記の資料ページで確認できます。
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