複写 HUKUSYA
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家族へ渡す作品集、見る一冊にするか、書き添える一冊にするか

家族へ配る作品集を、作品と文章を見る一冊にするか、受け手が思い出を書き添える一冊にするか。同じ絵を使った二つの紙面案から、印刷する内容と記入欄の作り方を考えます。

同じ《窓辺》を使った二つの紙面案。見るための頁と、思い出・記入者・記入日を空欄にした頁を並べている。HUKUSYA / JOURNAL

親が残した絵を、家族へ配る作品集にまとめたい。絵と文章を整えて一冊を完成させたい気持ちもあれば、受け取った家族にも、それぞれの思い出を書き添えてほしいという気持ちもあるかもしれません。

紙面を決める前に考えたいのは、渡した後にどう使ってもらうかです。作品と文章を見る一冊にするか、受け手が自分の言葉を加えられる一冊にするか。両方を大切にするなら、作品を見せる頁と、書き添える頁を分ける方法もあります。

完成した内容を見返す一冊にする

作品を大きく眺めたい、家族に共通する文章を読んでもらいたい場合は、印刷する内容を整えます。掲載する絵と文章、確認できている作品情報を選び、作品を見るための余白を取ります。

この使い方では、受け取った人が何かを書かなくても、一冊として読めることを考えます。文章をたくさん集めることより、何を見返してほしいかに合わせて、絵と説明の分量を決めましょう。

受け取った人が、あとから言葉を書き添える

それぞれが思い出したことを手元の一冊に残してもらいたいなら、記入する場所を紙面の中に用意します。どこへ何を書くかが分かるように、短い問いと空欄を組み合わせる方法があります。

印刷された案内と利用者の記入を組み合わせる資料の例として、高知県の『わが家の思い出ノート』には、出来事や思い出を書き込む項目があります。作品集でも、受け手がどんな内容を加えるかを考えて欄を作る、という編集上のヒントになります。記憶や会話への効果、用紙の書きやすさを示す資料として参照するものではありません。参考資料

書き添える内容は、「この絵で私が思い出したこと」として残します。未確認の作者名や制作年を推測して埋める欄とは分け、誰が、いつ書いたかが分かる場所も設けます。

同じ《窓辺》で、二つの紙面案を比べる

ここでは《窓辺》という同じ画像を使い、見るための頁と、書き添える頁の二案を組みました。どちらも紙面の提案です。家族の実際の記入を載せた使用例ではありません。

見るための頁:絵の全体と余白を大きく取る

窓と床の光を描いた《窓辺》の全体を大きく配置した紙面案。作品名を添え、絵の周囲に余白を取っている。
見るための頁の案。共通して印刷する情報は作品名《窓辺》とし、原画像の紙の四辺と全体の構図を保っています。

作品を見返す頁では、絵の面積を大きく取りました。今回の案で添えた共通情報は作品名です。ご自身の作品集では、作者名や制作年なども、根拠を確かめられる内容から選びます。分からない情報を埋めるために推測を加える必要はありません。

書き添える頁:同じ絵に、受け手の言葉の場所を作る

同じ《窓辺》の全体画像と、「この絵で私が思い出したこと」の記入欄、記入者と記入日の空欄を設けた紙面案。記入内容は空白のまま。
書き添える頁の案。絵と作品名を共通の印刷内容として置き、下の欄は受け取った人が自分の言葉を書く場所として空けています。

こちらは、絵の全体を残しながら画像を少し小さくし、下半分に記入欄を設けました。「この絵で私が思い出したこと」という問いと、記入者・記入日の欄を置いています。どの欄も空白のままです。

書き込むことを配布の条件にせず、そのまま絵を見返してもよい一冊として考えます。長い文章を求めるのか、短い一言を残せればよいのかも、欄の広さを決める前に考えておくとよいでしょう。

鑑賞と記入を両立したいなら、頁を分ける

絵を大きく見せることも、言葉を加える場所も大切なら、作品頁の隣や後ろに記入頁を置く案が考えられます。作品ごとに記入欄を付けるのか、巻末にまとめるのかは、どの絵について書いてもらいたいかに合わせて選びます。

渡した後の書き込みは、受け取った人の一冊に加わる内容です。家族全員に同じ文章を載せるため、印刷前に原稿を集める使い方とは、準備する時期も異なります。まず共通して印刷する範囲を決め、その後に各人へ委ねる場所を考えます。

あとから集まった記入内容を次の版やWebへ載せたい場合は、記入者に掲載する文章と範囲を別途確かめます。手元の一冊への記入を、そのまま公開への同意として扱わないようにします。

紙と製本の相談にも、書く使い方を伝える

記入欄を設ける場合は、想定する筆記具と書き方も、印刷先へ伝えます。鉛筆で一言を書くのか、ペンで数行を書くのか。見開きの内側まで書くのかも含めて、紙と製本の仕様を相談します。

ここに示したのは紙面案で、実際に印刷して書きやすさや裏抜け、開きやすさを評価したものではありません。実際の一冊では、希望する使い方に合うかを、選ぶ紙・製本・筆記具の条件で確認してください。

複写 HUKUSYAの作品集・カタログ・Web制作では、すでにある画像や文章からの編集・デザインも相談できます。作品を見返す一冊にするか、あとから言葉を書き添える使い方にするか、ご希望と配る相手をお知らせください。掲載内容と、紙面・紙・製本・印刷の対応範囲を個別にご相談いただけます。

参考資料

  1. 高知県『わが家の思い出ノート』(高知市掲載) — 7〜8頁。印刷された案内と利用者の記入を組み合わせる資料の例として参照。文章・図版・レイアウトは転載していません。
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