漫画をWebで紹介するとき、見開きと頁めくりの境界を決める
漫画をWebで紹介するときは、同時に見せる二ページと、次へ進んでから見せる場面を先に決めます。六ページの漫画から、見開きと頁めくりを保つ表示を考えます。
HUKUSYA / JOURNAL

完成した短編漫画をWebでも読んでもらいたい。紙の見開きをそのまま縮めると文字が小さくなり、一ページずつ並べると、二ページにまたがる絵が分かれてしまうことがあります。
最初に決めたいのは、同時に見せる二ページと、次へ進んでから見せる場面です。その境界を作者とそろえてから、全体を見せる表示と、文字を読むための拡大を組み合わせます。六ページの漫画「雨の便り」を使い、冊子とWebで残したい区切りを見ていきます。
二・三ページを、一つの景色として見せる
「雨の便り」の二・三ページには、雨の中の橋と川が広がっています。右に二ページ、左に三ページを置くと、橋の欄干と川が中央でつながります。傘を差した少女は右側にいて、これから橋の向こうへ進みます。

この二ページを一緒に見せたいのは、単に横長の絵だからではありません。少女が立つ場所と、橋の向こうまでの広がりを、同じ画面で見るためです。まず作品の中のどの二ページが一組なのかを決めます。右と左を逆にしたり、中央を切り取ったりすると、この案で残したい景色も変わります。
一ページずつ読む案では、橋が二つの画面に分かれる
Webで一ページずつ表示すると、二ページの次に三ページを読む順番になります。一ページに使える横幅を取れる一方で、橋の両側を同時に見ることはできません。見開きを保つ案では二・三ページを一画面にまとめ、そこから四ページへ進みます。
同じ六ページを、二通りの単位で読む
一ページずつ:1 → 2 → 3 → 4 → 5 → 6
見開きを保つ:1 → 〔2・3〕 → 4 → 5 → 6
| 表示案 | 二・三ページ | 次の場面へ進む位置 |
|---|---|---|
| 一ページずつ | 二、三と別の画面で読む | 三から四へ進む |
| 見開きを保つ | 右に二、左に三を同時に見る | 二・三から四へ進む |
どちらの案でも、原稿を読み進める順番は同じです。変えるのは、同時に画面へ出す範囲です。二ページを同時に見せる箇所と、一ページで読む箇所を作品の中で分けると、すべてのページを一律に扱う必要もなくなります。
四ページの場面は、見開きの次に出す
四ページでは、手紙を持ったカラスが「お待たせ。」と声をかけます。この案では、二・三ページで橋の景色を見せ、次へ進んだときにカラスの場面を出します。

二・三ページを見ている間に、四ページの画像や場面が分かるサムネイルまで並べると、次へ進む前にカラスが見えてしまいます。そこで、見開きの画面には二・三ページだけを置きます。「次へ」で四ページを表示し、「前へ」で戻ると、再び同じ二・三ページが出る形にします。
画像の抜けや重複だけでなく、どの操作のあとに次の場面が見えるかも、原稿の区切りと一緒に決めることができます。
小さい画面では、全景と拡大を行き来する
二ページを横に並べると、小さい画面では一ページに使える幅も小さくなります。橋のつながりが分かる全景を残し、その画面から同じ見開きを拡大できるようにすると、絵の全体を見ることと、細部を読むことを分けられます。
「雨の便り」の見開きを保つ案では、拡大しても右の二ページと左の三ページを一組のまま扱います。左右・上下へ移動して読み、元の表示へ戻ると、拡大前と同じ見開きが出ます。拡大中に別のページへ進んだり、戻った先が最初のページになったりしないように、読む位置を保ちます。
一ページずつ読む案でも、四ページの台詞が小さければ、そのページを拡大して読みます。見開きにするかどうかと、文字が読める大きさにできるかどうかは、両方を確かめたい点です。完成原稿を使い、ふだん読む画面で、全景から台詞へ、台詞から全景へと行き来してみます。
冊子にする場合は、原稿の番号と本文のページを分ける
Webで同時に見せる範囲を決めても、冊子の隣り合うページが自動で決まるわけではありません。この六ページを冊子に置く案では、原稿の二・三ページを同じ見開きにし、その次の見開きに四ページを置いています。
さらに、四ページの向かい側と、五ページの右側を白紙にした本文八ページの頁割り案にしました。原稿の六ページに白紙二ページを加え、四、五、六の場面を一度に見せずに進める配置です。本文のページ番号と、漫画の原稿の番号は分けて扱います。表紙は、この本文八ページとは別に考えます。
白紙を入れるか、別の位置へ移すかは作品ごとの判断です。採用する製本方法や総ページ数も含め、冊子の配置として相談します。原稿の枚数だけを見て、冊子でも同じ番号のページが隣り合うと決めないことが大切です。
作者とそろえたいのは、表示を変えたあとの区切り
完成原稿を見ながら、同時に見せたい二ページと、次の操作まで見せたくない場面を作者に指定してもらいます。その指定を冊子の頁割り案とWebの表示へ移し、原稿へ戻って見比べます。
この案であれば、右に二・左に三を置いた橋の見開きと、その次に四ページのカラスが出る位置が照合する箇所です。ページの順番、左右、中央のつながり、前へ戻ったときの位置まで同じ原稿で読めれば、どの表示を採用するか具体的に相談できます。
紙の原稿から準備する場合は、まず各ページを画像としてそろえます。原稿の状態や大きさに応じた取り込みの相談は、絵画・美術品・資料の撮影・スキャンをご覧ください。画像をそろえる作業と、物語の区切りを決める作業は、どちらも冊子とWebへ進む準備になります。
同じ漫画を、冊子とWebで紹介したい方へ
完成した原稿と、同時に見せたい二ページ、次へ進んでから見せたい場面をお知らせください。作品の内容を保ちながら、冊子の頁割りとWebで読む単位を一緒に整理できます。制作の詳しい内容は、作品集・カタログ・Web制作でご案内しています。



