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表の微量記号をグラフへ載せる Traceをゼロに置き換えない

測定表のTraceを、作図のためにゼロへ置き換えていませんか。公開原表の三つの報告を例に、数値の点と原記号の注記を分け、元表へ戻れる説明冊子の組み方を紹介します。

Lexingtonの各年のHalloweenの原報告。1969年0.06、1970年0.00、1971年Trace。HUKUSYA / JOURNAL

説明冊子に測定結果のグラフを載せるとき、原表の数値に「微量」などの記号が混じっていることがあります。作図用の欄へ入力できないからといって、ゼロに置き換えると、原表が区別していた報告を同じものにしてしまいます。

まず原記号を残した表を作り、数値として報告された点と、記号で報告された項目を分けて載せます。ここでは公開されている降水の記録を例に、微量を示す「Trace」を数値の点へ変えずに紹介する方法を見ていきます。

図にする前に、対象日と列を原表で確かめる

米国のNational Weather Service(NWS)が公開するLexington, KentuckyのHalloween Weatherには、年ごとのハロウィーンの記録があります。対象にしたのはPDF第3頁の1969年、1970年、1971年。Precipitation欄には、順に0.06、0.00、Traceと記されています。年間の降水量を並べた表ではありません。[1]

原表にはSnowfallという別の列もあります。隣の数値を拾わないよう、見出しと対象行を一緒に確かめます。降水量の単位は、配布元の案内ページと原PDFの概要にあるインチの表示を対応させて確認しました。

LexingtonのHalloween Weather原表から、見出しと1969年から1971年の三行を別々に抜粋。Precipitation欄の報告は0.06、0.00、Trace。
原表の見出しと三行を別々に抜粋して配置しています。文字や数値は変更していません。原表の対応を大きく見る
各年のハロウィーンにおける降水の原報告
年 Precipitation欄
1969 0.06
1970 0.00
1971 Trace

Traceをゼロや境界の数値へ書き換えない

NWS Spokaneの一般用語集では、降水のTraceを0.01インチ未満の微量として説明しています。ただし、これはLexingtonの当該表に付属する専用の凡例ではありません。原表にある語はTraceなので、転記でもその語を残します。[2]

1971年を0.00として描けば、原表で数値の0.00と報告された1970年と区別できなくなります。反対に0.01の位置へ点を置けば、1971年の値がその数値だと示してしまいます。この紹介では、どちらの置換も行いません。

また、用語集の一般説明から、当時の測定器の限界や、まだ分からない細かな数値を決めることはできません。記号の説明と、その行に報告されている値を分けて扱うことが大切です。

数値の点と、原記号を残す注記を分けて置く

掲載案では、1969年の0.06と1970年の0.00を数値の点として置きます。1971年には点を描かず、図の数値を示す領域から離した欄に「1971:Trace(原表記)」と記します。読者がその年の記録を見落とさず、原表へ戻れるようにするためです。

数値報告の1969年0.06と1970年0.00を二つの点で表示。1971年は数値の点を置かず、別欄にTraceと原表記で示す。
複写が原報告をもとに編集した掲載案です。Traceに数値や幅を割り当てていません。数値の点とTraceの注記を大きく見る

二つの数値も、原表に記された精度の報告として扱います。測定に誤差がないことを示す点ではありません。今回は報告の違いを読むため、点を線で結んだり、三件を使って平均を計算したりせず、原表との対応に絞りました。

記号の説明が見つからない表は、確認箇所を残す

手元の測定表でも、記号の意味はその資料の凡例や作成担当に確かめます。同じ記号に見えても、別の資料の定義をそのまま当てはめず、使う表の対象・単位・注記をそろえます。

意味を確かめられない間は、原記号を残し、「何年のどの列にある記号か」「説明が見つからないのはどの部分か」を確認用の記録にします。空欄、未測定、微量を一括してゼロに直すと、後で原報告へ戻す手掛かりが失われます。

分析のために担当者が別の値へ置き換える場合も、原表の転記とは別に管理します。元の報告、置換の規則、確認した担当が分かる資料を受け取り、冊子で何を示しているかを明記してから紙面へ反映します。

冊子には、図だけでなく原報告へ戻る手掛かりを残す

図のそばに対象期間、列名、単位、記号の説明元を置き、元表への参照を添えます。小さな原表画像が読みにくい場合は、原記号を保った転記表を合わせて載せます。Webなら原画像を大きく見る入口も用意できます。

今回の掲載案で照合したのは三つの原報告と掲載案の対応です。気候の傾向や、別の測定表の記号の意味を判断したものではありません。掲載する表を替えたら、その表の凡例と確認済みの範囲に合わせて図や注記を作り直します。

原表と、記号を説明できる資料をそろえて相談する

測定表を会社や団体の説明冊子へ載せる際は、見出しと注記を含む原表、記号の説明、掲載したい範囲、内容を確認する担当者をそろえてください。数値だけを抜いた一覧より、残すべき区別を紙面の打ち合わせで共有しやすくなります。

複写では、企業の資料を冊子やWebで紹介するための制作相談を受け付けています。原表と確認済みの説明をもとに、画像・転記表・図のどの形で載せるかを検討します。企業向けの資料制作についてをご覧いただき、お問い合わせから掲載先と希望する内容をお知らせください。

原資料と図版について

[1] National Weather Service Louisville, Halloween Weatherの案内と、同ページが案内するLexingtonの原PDF。第3頁の1969・1970・1971年、Precipitation欄を使用しています。

[2] National Weather Service Spokaneの一般用語集、Traceの項。Lexingtonの当該原表専用の凡例としては扱っていません。

NWSの利用案内に従い、対象の公開情報を使用しています。抜粋・転記・再配置・日本語説明・掲載案の図は複写による編集です。NWSが制作または推奨した図ではありません。写真・ロゴ・第三者作品は使用していません。

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