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古い実績表を社史のグラフにする 集計範囲が変わった年をつながない

社史の実績表をグラフにする前に、集計範囲と算出方法を確認します。横浜市の四年分の人口を例に、原数値を残し、条件が変わった区間を線で結ばずに伝える掲載案を紹介します。

横浜市の人口。1925年405888人、1926年411500人、1927年529300人、1928年536500人を四点で表示。点は結ばず、1927年4月1日の市域拡張を破線で注記。HUKUSYA / JOURNAL

社史に古い実績表を載せるとき、年ごとの数字を折れ線にすると、会社の歩みを伝えやすく見えます。ただ、合併や部門の追加によって集計する範囲が変わっていると、その線が何の変化を表すのか分からなくなることがあります。

まず年ごとの原数値を残し、対象範囲・対象日・算出方法を確認します。比較条件を確かめられない区間は線で結ばず、変わった条件を図の近くに示します。横浜市の公開統計を例に、数字と集計範囲の変化を分けて伝える掲載案を見ていきます。

原表の見出しを残し、何を数えた値か確かめる

横浜市の「人口と世帯数の推移」から、1925年から1928年の四行を取り上げます。元のCSVには和暦、西暦、世帯数、人口の四列があります。人口だけを取り出す前に、隣にある世帯数と取り違えていないか、見出しと行を対応させます。[1]

元CSVの四行を組み直した表
年(和暦) 年(西暦) 世帯数[世帯] 人口[人]
大正14 1925 95377 405888
大正15 1926 96596 411500
昭和2 1927 124249 529300
昭和3 1928 125939 536500

この四年の値は、いずれも10月1日現在です。一方、1925年は国勢調査、そのほかの三年は推計で、同じ方法で数えた四つの値ではありません。対象日がそろっていることと、算出方法がそろっていることを分けて確認します。

範囲が変わった日は、別の根拠を添える

市域の面積と拡張日は、このCSVの列には含まれていません。横浜市の長期時系列第1表で同じ四年を照合すると、人口は一致し、面積は1925・1926年が37.03平方キロメートル、1927・1928年が133.88平方キロメートルです。[2]

さらに「横浜市統計書 第100回」の沿革には、1927年4月1日の第3次合併が記されています。同年10月1日の区制施行とは別の出来事です。人口を数えた日と、市域が変わった日を一つの日付へまとめないようにします。[3]

ここから分かるのは、二つの人口の観測日の間で、市域が拡張していることです。1926年から1927年の人口の差すべてが合併によって生じた、とまでは判断できません。元の人口を現在の市域に合わせて換算した値としても扱いません。

四つの点を残し、比較条件が不明な区間は結ばない

掲載案では原数値を四つの点で示し、1926年と1927年の間に市域拡張の注記を置きます。点と点を結ぶ線は付けません。原表にある人口と、別資料で確認した範囲の変化を、それぞれ読めるようにするためです。

1925年405888人、1926年411500人、1927年529300人、1928年536500人の四点。1926年と1927年の間に1927年4月1日の市域拡張を注記。四点を結ぶ線はない。
原数値をもとに複写が編集した掲載案。破線は市域拡張の注記で、人口の点や推定値を表していません。四つの点と市域拡張の注記を大きく見る

市域が変わる1926–1927年だけでなく、1925–1926年、1927–1928年も結んでいません。面積が同じ、あるいは両年とも「推計」と説明されているだけでは、比較に必要な条件が十分そろったとは確定できないためです。

図を見た人が自分で差を読み取ることと、制作側が連続した同条件の変化として線を描くことは別です。線を付ける場合は、その区間の対象範囲や算出方法を確認し、図の意味を説明できる状態にします。

会社の実績表では、集計担当に変更箇所を確かめる

社史の売上や従業員数を図にする場合も、数字が大きく動いた年だけを見るのではなく、その値に何が含まれているかを確認します。たとえば、ある年から子会社を含めたのか、新部門の数値を加えたのかによって、同じ見出しの数字でも対象が変わります。これらは確認項目の例であり、今回の人口統計と会社の実績を同じ方法で比較するものではありません。

集計担当へ渡す資料には、元表の見出しと注記、掲載したい期間、確認したい区間を残します。「この二年は同じ範囲ですか」「締め日や集計方法に変更はありますか」と、図で結ぼうとしている区間を示すと、確認する箇所が伝わります。

過去の値を同じ範囲へ組み直した資料が提供された場合は、元表と区別して保管し、誰がどの条件で組み直したかを確認します。紙面を整える段階で、制作側が不足する数値を補ってしまわないことが大切です。

原表、変更の説明、掲載できる範囲をそろえて相談する

数字の歩みを社史に載せるなら、原表に加え、集計範囲が変わった時期を説明できる資料と、内容を確認する担当者をそろえてください。掲載許可を確かめられない表は、掲載に使える資料への差し替えも含めて検討します。

複写では、企業の資料を冊子やWebで紹介するための制作相談を受け付けています。確認済みの原数値と条件をもとに、表で残すか、点で示すか、注記をどこへ置くかを検討します。企業向けの資料制作についてをご覧いただき、お問い合わせから掲載先と紹介したい資料をお知らせください。

原資料と編集範囲

[1] 横浜市「人口と世帯数の推移」。元CSVの1925–1928年を使用。CC BY 4.0に基づき、四行の抜粋、表の組み直し、点図、日本語説明を複写が編集しています。横浜市の公式図・推奨図ではありません。

[2] 横浜市長期時系列第1表、1925–1928年の人口・面積。[3] 横浜市統計書 第100回、印刷7–8頁(PDF22–23頁)の沿革。これらは別の根拠として事実を確認した資料です。元CSVの利用条件を、別の表やPDF全体の転載許可へ広げていません。

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