古いレシピ帳を家族で使える形にする
古いレシピ帳を家族で読み返せる一冊に。りんご煮のページを使い、原文、読めない箇所を残す転記、後からの追記をどう分けるか示します。
HUKUSYA / JOURNAL

家に残る手書きのレシピ帳を、離れて暮らす家族にも渡したい。ページを画像にすれば筆跡は見返せますが、紙面を縮めた冊子では文字が読みづらくなります。反対に、文字だけをきれいに打ち直すと、読めなかった一字や元のページとの関係が消えてしまいます。原文、読める範囲の転記、今の家族が加える言葉を分けると、一冊の中で両方をたどれます。
この案では、料理ノートの12ページ「りんご煮」を家族用の冊子に載せます。次に確認できるのは14ページです。まず12ページをそのまま見てください。

読めない水量は、読めないまま転記する
紙面から読める材料は「りんご 二こ」「砂糖 大さじ二」です。「水」と「カップ」の間はにじみで数字が読めません。そこで転記は、読める行を整えつつ、水だけを次のように残します。
りんご煮
りんご 二こ
砂糖 大さじ二
水[数字判読できず]カップ
一口に切る。小鍋に入れ、弱火でやわらかくなるまで煮る。
たとえば「半カップ」らしく見える気がしても、転記欄で「1/2カップ」と確定しません。「適量」も原文ではありません。原画像を左に残しておけば、家族が後で別の手がかりを見つけたときに確かめ直せます。転記は元のページに書かれていることを読む助けであり、新しいレシピを完成させる欄ではありません。
後から分かったことは、別の欄へ置く
見開きの左を12ページの画像、右を転記にします。右ページの下に「家族の追記」を設け、原文の行とは見た目も位置も分けます。この案で追記する文は「水の量は原文から決められない。家族が作る場合、使った量と日付をここへ残す」です。まだ誰も調理していない量や感想を、記録済みの事実として書き込みません。
原画像には穴や欄外、ページ番号も残します。余白をすべて切り落として文字だけを大きくすると、ノートのどこに書かれた一件かが分かりにくくなるからです。右ページは文字をただ大きく複製するのでなく、読める行、読めない箇所、後の記入先を目で行き来できるようにします。

12の次に14があっても、13を「紛失」と決めない
冊子を作るために並べたページの番号が12、14と続くと、間に13がないことには気づけます。ただし二枚だけでは、13ページが破れたのか、別に保管されているのか、もともとの番号の付け方が違うのか分かりません。この案では、並びの間に「13ページは未確認」と記します。

一冊をまとめるときは、表紙、見返し、番号のない紙、挟み込みも含め、どこまで画像にするかを先に決めます。記録した画像と後から作る目次・転記が対応すれば、別のページが見つかったときも追補しやすくなります。国立国会図書館のデジタル化手引は資料画像と管理情報の対応を考える参考になりますが、この見開きの三つの領域は家族用冊子のための編集提案です。[1]
家族へ渡す範囲を決め、原紙と冊子を別に残す
実際のノートでは、筆記した人、原本を持つ人、書かれた家族の話、渡す相手を確認します。家族内で見せる一冊と、誰でも見られるWeb掲載は同じ範囲ではありません。元の画像は編集文を載せずに保ち、転記と追記は直せる原稿として別に残すと、後で読みが変わった場合にも照合できます。
複写では、紙の資料の状態と撮るページを確認したうえでの撮影・データ化、画像と文章からの冊子制作をご相談いただけます。ノートの大きさ・綴じ・傷み、何ページほどあるか、家族へ渡す部数と形を分かる範囲でお知らせください。判読できない文字の扱い、転記を誰が確かめるか、配布や公開の範囲は制作前に分けて決めます。[2] [3]
参考資料
- 国立国会図書館「資料デジタル化の手引」。資料画像とページ・管理情報の対応を考える参考。
- 複写「地域写真・古地図・歴史資料のデジタル化」。資料の状態、撮るページ、記録と公開の区別、解読やOCRと撮影作業の区別を参照。
- 複写「冊子・デジタルカタログ化」。画像と文章の編集・レイアウトを参照。



