離れて暮らす家族と作品を選ぶ
離れて暮らす家族と、画像や作品集に残す絵を相談する。番号付きの同じ全体写真への問いと返事から、画像で見返す希望と現物の行き先を分けて考えます。
HUKUSYA / JOURNAL

実家にある絵の写真を、離れて暮らす家族へ送る。「海の絵は残しておいて」と返事が来ても、画像で見返したいのか、現物を家に置きたいのかまでは分からないことがあります。似た絵があれば、どの一枚を指しているかも確かめたいところです。
まずは、今回選ぶものを一つに絞って尋ねてみます。画像や作品集に残したい作品を聞くなら、そのことを最初の一文に。全体写真に短い番号を付け、返事も同じ写真のそばへ戻すと、次に相談することが見えてきます。
「何を残したいか」を、写真と一緒に尋ねる
「どれがいい?」だけでは、絵の好みを聞かれているのか、引き取り先を決めたいのか、受け手が迷います。「画像や作品集で見返したい作品を教えてください」と、使い道まで添えて送ります。
この案では、二作品の全体写真に01と02を付けました。「海の見える絵」「赤い花の絵」は見分けるための呼び名で、作者が付けた正式な題名ではありません。返事は番号でもらい、現物を置く場所は次に相談する、と伝えています。

画像や作品集で見返したい作品を、番号で教えてください。現物を置く場所は、次に相談します。
写真は、作品の四辺と周りの余白まで見えるものを入口にします。額に入っているなら額を含む写真も添え、反射などで絵が見えにくいときは、そのことを伝えます。まず相談するための写真なので、家族が撮れる範囲から始めてかまいません。
別の写真を追加するときも、同じ作品には同じ番号を添えます。全体を見てから気になる部分を確かめられるようにし、部分写真だけで「この作品」と伝えないようにします。写真と分かる特徴を結び付けて記録する考え方は、作品の識別情報を扱うICOMのObject IDにも見られます。[1]
「残しておいて」の意味を、もう一言だけ確かめる
返事に「残しておいて」とあったら、「画像で見返したい、ということ? それとも現物も手元に置きたい?」と聞き直します。聞きたいのは、次に用意する記録や確認です。希望の理由を長い文章にしてもらう必要はありません。
この案では、01には「画像で見返したい」、02には「画像で見返したい。飾れる大きさなら、現物も気になる」という返事を置きました。二つとも画像に残す候補になりますが、02の現物を引き取る話には、大きさを確かめる一手が残っています。

画像に残す候補は01と02。02の現物の引き取り先は、まだ決めていません。 この一文があれば、後で読み返した家族も、画像の選定と現物の行き先を混同しにくくなります。
ほかの家族から返事が来たら、その言葉も同じ番号のそばへ添えます。希望が違うときは、誰がどの形で見返したいかを残して、次の相談へ。まだ返事のない人の希望を補ったり、多数の希望を作者本人の意向に置き換えたりしないようにします。
写真で分からないことは、現地へ一つ戻す
「飾れる大きさなら」という返事には、額を含む外寸を確かめて返します。写真の中で小さく見えることと、実際に家へ置ける大きさは別です。額装の有無や見える傷みも、作品のそばにいる人が確認し、分かる範囲を伝えます。
裏面や額の中をまだ見ていないなら、未確認のままでかまいません。確認のために無理に額を外したり、傷んだ作品を動かしたりせず、必要なら撮影や受け渡しの方法を先に相談します。撮影前に伝える寸法・状態・額装などについては、作品の撮影・スキャンのご依頼案内をご覧ください。
今回の画像の候補に選ばなかった作品についても、現物の行き先が決まったことにはなりません。写真を見た段階の希望として残し、手元から移す話は、作者本人や関係する家族と改めて相談します。
選んだ作品を、家族が見返せる記録へ
相談用の写真から、家族へ渡す記録画像や作品集へ進むときは、選んだ番号の一覧をそのまま相談に使えます。絵の全体を見返したいのか、筆づかいや色の重なりも残したいのか。画像で受け取るか、一冊にまとめるか。家族の返事に出てきた使い道を添えてください。
複写では、作品の撮影・スキャンと、画像を使った作品集の制作をご相談いただけます。作品の種類・点数・大きさ・額装や状態、原物が手元にある時期をお知らせください。撮影と作品集の編集・印刷は、必要な範囲をそれぞれ確認します。作品集づくりの詳しい内容は、作品集・カタログ・Web制作をご覧ください。
参考資料
- ICOM:Object ID。写真と識別情報を合わせて記録する考え方を参照。この記事の家族への問いや返事の整理は編集の提案です。



