紙面を組み直しても、「右図」が同じ作品を指すようにする
作品解説の「右図」が、組み直した紙面でも同じ作品を指すように。原文と位置を保つ案、作者が認めた作品名へ直して移動する案を、同じ二作品で比べます。
HUKUSYA / JOURNAL

作品の解説にある「右図」をそのまま残しても、画像を入れ替えると別の作品を指してしまいます。原文を残したいなら、指す作品の位置も保つ。配置を変えたいなら、作者が認めた作品名などへ参照を直す。この二つを、同じ作品と文で比べます。
元の紙面と原文を、一緒に受け取る
この案では、《砂の月》と《潮の線》の二作品を使います。元の紙面は左に《砂の月》、右に《潮の線》を置き、次の文で右の作品を説明しています。
右図では、細い青の線を水面の端に残した。
この「右図」が指すのは《潮の線》です。組み直す前に、どの作品を指す文か、どこまで文を変えてよいかを、元の紙面と作者の指定へ戻してそろえます。見た目に青い線があるという理由だけで、編集側が対象を決めてしまわないようにします。
元の紙面がなく、文章中の「上の絵」がどの作品を指すか分からない場合は、画像と文を別々に配置する前に確認します。作品名や原画像の番号と対応を残せば、改稿後にも同じ原稿へ戻れます。
A案:原文を残すなら、位置関係も保つ
A案は、左の《砂の月》と右の《潮の線》を入れ替えず、「右図では、細い青の線を水面の端に残した。」もそのまま載せます。字面と指す先を一緒に保つ案です。
文章の置き場所や余白を整えても、文がいう「右」と作品の位置が食い違わないようにします。「上の絵」なら、同じ紙面のどの絵が上にあるかも確認します。文章だけを保存して画像を別の順序へ並べると、原文を変えていなくても意味の対応が変わります。
B案:位置を変えるなら、認められた名称へ直す
B案は《潮の線》を左へ移し、《砂の月》を右へ置きます。この配置に合わせ、参照の部分を作品名へ直します。
《潮の線》では、細い青の線を水面の端に残した。
変更したのは「右図」を《潮の線》へ置き換えた部分です。「では、細い青の線を水面の端に残した。」は同じで、説明する作品も《潮の線》のままです。この案では、作成者が指定した名称参照を使っています。
お預かりした作者の文で進める場合は、同じ変更案を作者、または掲載内容を確定する方へ戻します。作品名を補えばよいとは限りません。題名が未確定なら、どの名称や番号で呼ぶかも決めてから組みます。文の変更を認めない場合は、A案の位置関係を保ちます。

完成した紙面で、画像と文を一組ずつ照合する
完成した配置の《潮の線》を原画像へ戻し、解説も元の完成文または認められた変更案へ戻します。画像の左右と作品名、文が指す対象、変更した語句を同じ紙面で確かめます。元の原文と改稿案を混ぜた状態で校正を始めないよう、どちらを載せる版かも明らかにします。
上の携帯用の図では、比較する三つの紙面を縦に並べています。一組の二作品は左右に保ち、「右図」の対象を上下の配置へ変えていません。冊子からWebへ展開するときも、狭い画面で作品が縦に並ぶなら、位置語を残せるかを見直します。名称参照に変更する場合も、確認した文言を使います。
InDesignの公式案内には、相互参照の更新や不明な参照先への再リンクが説明されています[1]。今回のような文が指す作品と改稿の範囲は、元紙面と作者の指定へ戻して照合します。ソフトの更新機能を、作者への確認の代わりにはしません。
紙で比べる場合は、判型と出力倍率をそろえ、作品全体、解説の文字、両者の距離を校正紙で見ます。画面でそろえた位置関係と、紙の大きさで読みやすいかという確認を分けて進めます。
相談には、二画像・原文・元の配置を添える
複写では、手元の作品画像と確定した原稿をもとに、作品集の編集や紙面の配置を相談できます。詳しい制作内容は、作品集・図録の編集と制作をご覧ください。
「右図」「上の絵」を含む解説がある場合は、二作品の利用できる画像、完成原文、元の紙面、作者が確認した指す先と改稿の範囲を添えて、作品集の紙面編集をご相談ください。原文と位置を保ちたいか、文の変更を認めて作品を移したいか、冊子だけかWebにも載せるかをお知らせください。画像の掲載範囲、最終確認の担当者、編集・校正・印刷の作業範囲と費用は個別に確認します。
参考資料
- Adobe InDesign:相互参照の管理 — 更新と再リンクの機能を確認する資料。作者の文が指す対象と改稿の可否は、元原稿と確認者の指定へ戻します。



