添削のある作品を残す――本人の表現と、講師の書き込みを分けて見せる
書き込みのある生徒作品を、どの状態の記録として載せるかを考えます。黒い文字と朱の線の説明枠から、本人の表現・講師の説明・掲載範囲を教室で確認する準備を整理します。
HUKUSYA / JOURNAL

生徒の書や絵に講師の線や説明が重なっているとき、その状態を一枚の画像として載せると、どこまでが本人の表現か伝わりにくいことがあります。
学びの過程を残したいのか、本人の作品として紹介したいのか。まず、誰のどの状態を残す資料かを決め、作品の記録と、添削や講評の説明を分けて考えましょう。
完成作品か、指導を受けた状態の記録かを決める
同じ一枚でも、展覧会の作品集に載せる場合と、教室で指導の過程を振り返る場合では、見せたい内容が変わります。朱の線が入った書、講師が余白へ説明を書いた絵など、手元の原物に何が残っているかを確認します。
本人の完成作品を紹介したいなら、添削前の作品や画像があるか、別に清書した物があるかを教室で確かめます。指導を受けた状態を残すなら、講師の書き込みがある資料として、本人の文字や絵と区別できる説明を添えます。
掲載する画像の状態と、紙面の見出しが合っていることも大切です。添削後の資料を載せながら、書き込みも含めた全体を本人の完成表現として説明しない形を選びます。
色や線の形だけで、誰が書いたかを決めない
黒い文字が生徒、朱の線が講師というように見えても、実際に誰が何を加えたかは教室で確認します。本人が後から直した線、講師が示した形、日付や名前の記入などが同じ原物に重なる場合もあります。
誰の書き込みかに加え、その線が何を伝えるためのものかも、確認できる範囲で整理します。線の形から講師の意図を推測して、指導内容として説明を足さないようにしましょう。
確認できない書き込みは、その部分の説明を保留にして扱いを相談します。本人の希望、講師が伝えたい内容、読む人が見分けるために必要な説明を、同じ紙面で確かめます。
作品のそばに、誰の線かが分かる説明を添える
黒い文字に朱の線が重なる資料を、指導の過程として紹介するなら、次のような説明枠を添える案が考えられます。
本人の文字:黒い文字の部分。
講師の書き込み:朱の線の部分。
記録する状態:講師の書き込みが加わった一枚を、指導の過程として載せる。
この案では、色ごとの役割と、書き込みを含む状態を載せる目的を説明しています。実際に使うときは、黒や朱の部分を誰が書いたか、講師の意図や本人の希望が確認できているかに合わせて文を整えます。
書き込みの内容まで紹介したい場合は、確認した説明を別の文章として添えます。作品の作者名と、説明を書いた講師名は、それぞれの位置付けが伝わるように置きましょう。小さな線や文字を見せる必要があれば、全体の画像と対応が分かる細部の画像を組む方法もあります。
全体と細部を使う際も、どちらの画像で何を見てほしいかを説明します。講師の線を大きく見せることだけで、本人の文字や絵が主役から外れないかも確認します。
書き込みを隠す前に、残っている原資料を確かめる
本人の作品として見せたいからと、画像の上で講師の線を消す方針を先に決めないようにします。線が本人の文字や絵に重なっている場合は、その下の状態を、実際に残る原物や添削前の画像で確かめる必要があります。
添削前の記録がないまま、見えない形を補って「元の作品」として載せることは避けます。書き込みを含む一枚を残す、別に残る添削前の作品を使う、今回は掲載を保留するなど、手元の資料と本人・講師の希望から選びます。
掲載向けに画像の明るさや見せる範囲を調整する場合も、何を変えるかを分けて相談します。書き込みを含む記録用の画像と、掲載用に編集した画像は見分けられるようにし、残す内容を確認します。
教室で確認する相手と、掲載する範囲を合わせる
作品の本人、書き込みをした講師、必要に応じて保護者など、確認する相手を教室で整理します。本人の作品と講師の説明を、一緒にどこまで紹介してよいかを確かめます。
教室内の冊子に使う場合と、広く見られるWebへ載せる場合では、氏名や学年、指導内容まで同じ範囲にするとは限りません。資料として残す情報、読む人へ伝える情報、非公開にする情報を分けましょう。
よくある質問の「掲載・公開・納品後」では、掲載について確認が必要な相手や条件を依頼者側で整理することをご案内しています。未確認の箇所は、確認済みの原稿と区別してお知らせください。
相談には、原物の状態と掲載したい説明を伝える
複写 HUKUSYAへは、講師の書き込みがあること、添削前の作品や画像の有無、記録と掲載の目的をお知らせください。作品集・カタログ・Web制作の案内をもとに、作品の画像と教室で確認した説明を、一冊やWebへ組む範囲を相談できます。
本人と講師の表現をどこで分けて示すか、画像調整を希望する箇所、掲載範囲と最後に内容を確かめる方も合わせます。書き込みの意味を補ったり、見えない元の形を決めたりせず、手元に残る状態を読める形で伝えましょう。



