縦書きの数字と欧文を、原稿のまとまりで残す
縦書きの作品解説にある二桁の本数と長い原題を、同じ向きへ一律にそろえる前に。完成した原稿の三配置を見比べ、作者が一つの数、一つの語として残したい範囲から掲載を考えます。
HUKUSYA / JOURNAL

作品の解説を縦書きにしたら、数字や欧文だけをどの向きに置けばよいか迷うことがあります。見た目を一律にそろえる前に、作者が一つの数、一つの語として残したい範囲を確かめます。短い数字を横にまとめることと、長い欧文を字順のまま読むことは、分けて考えられます。
この案では、作品「Afterglow」の解説にある本数の「12」と、原題の「Afterglow」を使います。同じ原稿を三つの配置で画面に組み、数と語のまとまりを見比べました。原文を短く書き換えて収めるのではなく、作者が指定した範囲を保つ置き方から、作品紹介の編集を考えます。
先に確かめるのは、どこまでが一つの数と語か
青い二つの面のあいだに、十二本の短い線を置いた作品です。完成した解説文は、次のとおりです。

作品名はAfterglow。青い面のあいだに12本の短い線を残しました。線の数と、残光を意味する作品名を、同じ縦の流れの中で読めるようにしました。
作者が一組として指定したのは、二桁で本数を表す12と、原題の一語であるAfterglowです。「1」と「2」を別々の情報にしたり、原題の途中を省いたりするための指定ではありません。原稿の文字が合っていることに加え、どこまでを一つとして読ませるかを、作品と照らして確認します。
同じ原稿でも、短い数と長い語の姿は変わる
三つの配置には、同じ解説文をそのまま使いました。一つ目は、欧文も数字も一字ずつ縦に置いた表示。二つ目は、12とAfterglowの両方を、それぞれ一文字分の幅へまとめた表示。三つ目は、12を横二字の一組にし、Afterglowを一語の字順で横向きに読む表示です。

一つ目では、12が縦の二字として続き、Afterglowも一字ずつ追う姿になりました。二つ目の12は横二字でまとまりますが、長いAfterglowまで同じ幅に収めると、原題が極小になります。短い数が収まることだけで、長い語にも同じ置き方を採るとは決められません。
この原稿では、三つ目を作者の指定へ対応させました。12は一つの本数としてまとまり、Afterglowは一語の字順を保って追えます。短い数と長い語のそれぞれへ、残したい読みの単位を渡す選択です。
「横にまとめる」範囲を、原稿へ書き戻す
縦の文章の中で、短い文字のまとまりを横に組む扱いは、縦中横と呼ばれます。W3Cの文字組の仕様にも、複数の文字を一つの単位へまとめる仕組みが示されています。[1] ただし、その仕組みがあることと、作者がどの文字をまとめたいかは、それぞれ確かめることです。
依頼する原稿には、例えば「12は本数なので横二字を一組にする」「Afterglowは原題の一語として、字順を変えず横向きに読む」と、範囲と役割を添えられます。原題を翻訳した表記や、短縮した呼び名へ置き換える指示とは分けておきます。
作者の指定がない数字や語まで、編集する側の推測でまとめることは避けます。読む向きをそろえることが目的なのか、一つの数や語として見せることが目的なのか、完成原稿へ戻って確認します。
狭い画面でも、同じ数と原題へ戻れるかを見る
今回の三配置は、大きな画面とスマホ相当の狭い画面で全文を見比べました。狭い画面では三つの面を縦に並べ、各面の12とAfterglowを、同じ原文へ照合しています。文字を変更せず、本文の欠けや横へのはみ出しがないことも確認しました。
見るときは、12を一つの数として読み取れるか、Afterglowの途中が欠けたり別の語へ見えたりしないか、前後の日本語まで続けて追えるかを確かめます。長い語だけが離れた場所へ押し出されていたら、その語の置き方と、文章全体の流れを一緒に見直します。
この比較で確かめたのは、同じ原稿を画面へ組んだ表示です。予定する冊子がある場合は、その書体と紙面でも校正する範囲を決めます。画面で読めた配置を出発点にし、掲載する媒体と確認する人をそろえてから、渡す版を選びます。
確定原稿と、残したい二つのまとまりを持って相談する
縦書きの作品解説を冊子やWebへ載せたいときは、完成原稿と作品の全体画像、短くまとめたい数の範囲、字順を保ちたい原題を用意します。掲載先と、どの画面や紙面で確認したいかも合わせると、文字の配置と作品紹介を具体的に相談できます。
複写の作品集・カタログ・Web制作では、手元の作品画像や原稿から、構成・文章・紙面の編集を相談できます。縦書きの組み方や個別の画面処理、冊子校正・印刷まで必要な場合は、希望する形と確認担当を添えて、対応する範囲と費用を確認します。
参考資料
- W3C, CSS Writing Modes Level 3。縦中横による文字のまとまりと、縦の行内での文字の向きについて参照。作者の指定や、個々の画面・紙面の校正は別に確認します。



