受賞記録を記念誌に載せる 部門と同名賞を一列の優劣へしない
同じ賞名が複数部門にある受賞記録は、部門・賞名・地域区分を一組で記念誌へ載せます。公式一覧の二件を例に、掲載順と順位を分ける紹介面を示します。
HUKUSYA / JOURNAL

地域・団体の記念誌で、複数部門の受賞記録を一緒に載せるときは、部門・賞名・地域区分を一組で残します。同じ「大賞」が二つあっても、それだけで総合一位や同順位を意味するとは限りません。原一覧の分類を保ちながら、掲載順と選んだ範囲が伝わる紹介面を組みます。
資料の年と、賞が属する部門を見る
この掲載案では、文化庁「平成29年度(第72回)文化庁芸術祭賞一覧」の1頁を参照し、演劇部門と音楽部門から一件ずつを紹介します。原一覧には部門、賞名、地域区分、受賞者、受賞対象が記されています。紹介する二件はいずれも「大賞」「関東参加公演の部」ですが、それぞれ別の部門に属する記録です。[1]
別の年度の資料に載っている過去の受賞一覧を使うときも、冊子の発行年だけで受賞年を決めないようにします。一覧そのものの年度見出しと、掲載する記録の区分を確かめます。ここでは平成29年度の受賞記録を扱い、現在の応募制度や受賞条件へ読み替えません。
同じ賞名でも、部門の見出しを残す
二件を「大賞」の一列にまとめるより、「演劇部門」「音楽部門」の見出しをそれぞれ置くと、どの分類の中で受賞した記録かが伝わります。賞名と地域区分も受賞者のそばに残し、部門を横断する順位番号は加えません。

出典:文化庁「平成29年度(第72回)文化庁芸術祭賞一覧」1頁。二部門各一件の抜粋・配置の編集:複写 HUKUSYA。文化庁の平成29年度芸術祭の案内から、対象年の公式資料へ戻れます。
紹介面の内容を文字で示すと、次の二件です。共通する賞名・地域区分は省略せず、各部門の記録に添えています。
| 部門と区分 | 受賞者と受賞対象 |
|---|---|
| 演劇部門 大賞 関東参加公演の部 |
こまつ座 「きらめく星座」の成果 |
| 音楽部門 大賞 関東参加公演の部 |
善養寺 惠介 「善養寺惠介 尺八演奏会」の成果 |
掲載順と、受賞の順位を分ける
この案の演劇、音楽という掲載順は、原一覧の部門順に合わせたものです。先に載せる部門の方が上位だという意味ではありません。「原一覧の部門順で、二部門から各一件を抜粋」と添えると、全受賞者を網羅した一覧とも区別できます。
記念誌では、活動の章に合わせたり、年度別にまとめたりする掲載順も考えられます。その場合は、どの順序で並べたかを説明し、原資料の部門区分を保ちます。資料に総合順位や数値の同順位が示されていないとき、同じ賞名だけを根拠に一位・二位・同率一位と補うことは避けます。
氏名と受賞対象を原欄へ戻して照合する
氏名だけが合っていても、隣の行の受賞対象や別の地域区分を組み合わせると、違う記録になってしまいます。部門、賞名、地域区分、受賞者、対象の五つを一組にして原欄へ戻り、紹介面と説明文を照合します。
この二件では、こまつ座と「きらめく星座」の成果、善養寺 惠介と「善養寺惠介 尺八演奏会」の成果が、それぞれ同じ原記録に対応します。氏名の「惠」などの字形も原資料に合わせます。賞のシンボルや出演者写真、受賞理由の文章はこの紹介面に加えていません。そうした素材も載せたい場合は、原一覧の事実名とは分けて、使う素材と掲載範囲を確認します。[2]
原一覧と掲載範囲を添えて相談する
記念誌へ組む前に、原一覧、対象年度、紹介したい部門と受賞者、冊子を渡す相手、内容を確認する担当者をそろえると、何を残し、どこを抜粋するかを相談しやすくなります。独自の一覧を使う場合は、資料の作成者と掲載してよい範囲も添えてください。
複写の地域資料・記念誌の編集と冊子制作では、提供された資料をもとに、説明原稿や掲載順、紙面のデザインを個別に相談できます。受賞の優劣を評価したり、新しい順位を付けたりする工程とは分け、確認された記録が読者へ伝わる構成を考えます。
部門の違いを残しながら、団体の受賞記録を記念誌へ読みやすく載せたい方は、原一覧と希望する掲載範囲を添えて記念誌の編集について相談するからお問い合わせください。
参考資料
- 文化庁 平成29年度(第72回)文化庁芸術祭、同ページから「平成29年度(第72回)文化庁芸術祭賞の決定について」(公式PDF・全10頁)。賞一覧1頁の二部門を参照。
- 文化庁 文化庁ホームページについて。掲載元の利用案内と、その案内が示す利用規約を参照。



