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社史は通して読む本にする? 必要な出来事を調べる資料集にする?

社史を通して読む本にするか、必要な事実を調べる資料集にするか。同じ三資料から二つの目次案と参照案内を比べ、本編の原稿・資料編の情報・確認の役割を整理します。

作業場の写真、卓上灯の製品案内、作業台の写真を表紙にした小冊子を木の机に並べている。HUKUSYA / JOURNAL

社史に使いたい写真や年次資料、原稿が集まると、前から読んでもらう本と、必要な出来事を調べる資料集の両方を一冊に入れたくなることがあります。ただ、読む流れと探す手がかりを一つのページへ詰め込むと、それぞれをどう使ってほしいかが曖昧になることもあります。

まずは、会社の歩みを知ってもらう本編、年・製品・人などから参照する資料編、両者を併用する構成を比べてみましょう。使う資料が同じでも、必要な原稿と案内の付け方は変わります。

通して読む場面と、必要な事実を探す場面を分ける

新しく入った社員に、会社の仕事や歩みを知ってもらいたい。そんな目的なら、どこから読み始め、次に何を知ってもらうかという流れを考えます。写真を説明する短い原稿や、章をつなぐ文章も必要になります。

一方、「この製品が載った資料を見たい」「ある人の寄稿を確かめたい」という使い方には、資料名や確認できた情報から、目的の箇所へ戻れる構成が役立ちます。通読する文章だけでなく、見出しや一覧、資料と画像の対応を用意します。

出版文化社の発行目的と社史の本文構成に関する案内でも、目的に応じた本文の組み方や資料編の構成が紹介されています。ほかの会社の目次をそのまま当てはめず、自社で使う場面から考えるための参考になります。

同じ三資料から、二つの目次案を比べる

ここでは、A「作業場の写真」、B「製品案内」、C「社内報」という三種類を使う構成案を考えます。実在企業の沿革や、確認済みの出来事を記した例ではありません。年月、正式な製品名、寄稿者の表記などは、実際の資料と社内の確認をもとに整えます。

流れを読んでもらう、本編の目次案

通読を軸にする案では、三資料をただ発行順に並べるのではなく、会社の仕事へ視点を移していく章を考えます。次は、現場、製品、そこで働く人へと読み進める案です。

三資料から組む、通読する本編の目次案
本編の章 資料と、用意する原稿の役割
仕事の現場を知る Aの写真を入口にする。何が写っているかを確認し、現場を理解するための説明を添える。
製品と使い方を見る Bの製品案内を取り上げる。製品名や用途を確認し、読者へ伝えたい点を原稿で整理する。
働く人の言葉にふれる Cの社内報から掲載箇所を選ぶ。誰の言葉か、紹介できる範囲はどこかを確かめて編集する。

この並びは、読む視点をつなぐための案です。写真の設備が製品の誕生を可能にした、特定の社員の判断で事業が伸びた、といった因果関係まで示すものではありません。出来事の理由や背景を書くなら、それを確かめる資料や社内の確認が別に必要です。

必要な情報から戻る、資料編の目次案

資料集として使う案では、読む順番よりも、後から確かめたい情報を入口にします。同じ三資料へ、年・製品・人という探し方から戻る案を比べます。

三資料を参照する、資料編の目次案
資料編の入口 対応させる資料と確認情報
年から探す A〜Cを、確認できた撮影年・発行年などと対応させる。分からない時期は、未確認として分ける。
製品から探す 確認した製品名からBの該当箇所へ戻れるようにする。表記の違いや、版の違いも整理する。
人の名前から探す 掲載範囲を確認した寄稿者名などからCへ戻る。名前と掲載号・該当箇所の対応を確かめる。

撮影年と冊子の発行年、写真に写る出来事が起きた年は、別の情報です。年の一覧へまとめるときも、何の日付を記録しているかを分けます。今回の案では、実際の年月や氏名が確認済みだとは扱いません。

両方を使うなら、本編と資料編の役割を分ける

通読できる本編を先に置き、後ろに資料編をまとめる案もあります。本編では伝えたい内容を読みやすく見せ、資料編では、その説明に使った資料へ戻れるようにします。

たとえば、次のような参照の案内を考えられます。ここで使う章名とA〜Cは構成案の呼び名で、完成した本のページを指定したものではありません。

  • 本編「仕事の現場を知る」から、資料A「作業場の写真」と、その画像・確認情報へ。
  • 本編「製品と使い方を見る」から、資料B「製品案内」の版や掲載箇所へ。
  • 本編「働く人の言葉にふれる」から、資料C「社内報」の掲載号と該当箇所へ。

実際に組むときは、誌面のページ番号や資料の番号と対応させます。本編と資料編で同じ名称を使い、文章を直したときに参照先も合っているか確認できる形にします。最初の企画段階で、完成した索引まで作る必要はありません。

説明する原稿と、照合するための情報を用意する

本編へは、資料の内容を読む人へつなぐ原稿が必要です。どの場面を紹介し、何を知ってもらいたいかを整理します。資料の順番だけから、成功の理由や人の気持ちを推測して書かないようにします。

資料編へは、資料名、年月、製品名、寄稿者名、号や版、画像との対応など、参照に使う情報を整えます。分かっている情報と、確認中の情報を区別し、社内でどこへ確かめるかを決めます。

本文を読むための説明と、資料を照合するための情報は、どちらも必要になる場合があります。必要な原稿がまだないのか、原稿はあるが資料との対応が決まっていないのかを分けると、次に用意するものを相談しやすくなります。

社内の確認と、複写・編集の担当を決める

出来事、数値、名称、説明の根拠を確認する担当は、社史の制作窓口を通して社内で整理します。原稿を集める人、事実を確かめる人、掲載範囲を決める人を、一人がすべて引き受けるとは限りません。

制作先へは、原資料を撮影・データ化する範囲、本編の原稿を整える範囲、資料編の情報整理と参照案内を作る範囲を分けて伝えます。追加の調査や取材が必要なら、その担当と対応可否も個別に相談します。

本編と資料編を両方作る場合は、同じ作品名・製品名・人名の修正が、どちらにも関わることがあります。社内の回答をまとめる人を決め、確認した内容を制作側へ共有できるようにしておきます。

使う場面と三つの資料から、構成をご相談ください

最初は、「前から読んでもらいたい」「出来事や製品を後から調べたい」「両方必要」という使い方と、手元の資料の種類をお知らせください。実際の資料をいくつか見ながら、本編と資料編のどこへ使うか、まだ足りない原稿や参照情報は何かを考えられます。

複写 HUKUSYAの企業資料の撮影・データ化と冊子制作では、資料画像から社史や記念誌へ使う編集をご相談いただけます。通して読む部分と、調べるために残す部分を分け、今回任せたい作業と社内で確認することを一緒に整理します。

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