家族写真に系図を添える――確認した関係を、人物のページへつなげる
載せる家族の範囲を決め、確認した関係と写真を対応させます。四人の構成案をもとに、図・名前・人物紹介のつなぎ方と、家族に確かめてから載せる情報を整理します。
HUKUSYA / JOURNAL

家族の写真を一冊にまとめるとき、名前を添えるだけでは、読む家族から見た世代や人のつながりが伝わりにくいことがあります。写真集の入口に小さな系図を置き、人物の紹介ページへつなげる構成を考えてみましょう。
最初に決めるのは、今回の冊子へ載せる親族の範囲です。その範囲について家族が確認した関係情報を使い、図の名前、写真の名前、人物紹介の表記をそろえます。
誰に渡す一冊かで、載せる親族の範囲を決める
祖父母の思い出を子や孫へ渡すのか、ある人の生涯を親しい家族で振り返るのかによって、必要な範囲は変わります。中心になる人と読む人を決め、誰の写真と言葉を収めるかを考えます。
遠い先祖まで広げると、写真や確認できる情報がそろわない場合もあります。まず今回紹介したい人を挙げ、調べてから加えたい人や、掲載を希望しない人は分けておきましょう。すべての親族を一冊で網羅する必要はありません。
家族だけに渡す冊子と、広く閲覧できるWebでは、載せたい範囲が同じとは限りません。誰が受け取り、どこで見られる形にするかも、構成を考える段階で合わせます。
家族が確認した関係だけを図にする
同じ写真に写っていることや、アルバムの隣のページに貼られていることだけから、親子や夫婦の関係を決めないようにします。写真の人物が誰か、人物同士がどうつながるかは、それぞれ家族に確認します。
聞いた名前や関係、確認した人、確認が残る箇所を手元の原稿へ記しておくと、紙面を見てもらうときに質問をまとめられます。分からない続柄を、図の空欄を埋めるために補わないことも大切です。
まだ先祖や関係を調べる段階なら、国立国会図書館の「先祖・ルーツを調べる」には、刊行された系図の探し方や参考文献への案内があります[1]。冊子の編集に入れる関係情報は、家族側で確認して用意します。
四人の関係図から、人物のページへつなげる
ここでは、Aさん・Bさんの子をCさん、Cさんの子をDさんとする四人の構成案を考えます。図に写真番号を添え、同じ番号を人物紹介の原稿にも付けると、写真と説明の対応をたどれます。
Aさん・Bさんの子
↓
Cさんの子
↓
この案では、四人の親子関係と写真の対応を示しています。図に加える人や関係は、今回の掲載範囲に合わせて決めます。
図を一冊の前の方へ置き、その後にAさんとBさん、Cさん、Dさんの紹介を組むと、読む人は関係を確かめながら写真を見られます。紹介する順序は、世代順のほか、中心になる人の歩みに沿わせる方法もあります。
写真番号は編集のための対応付けです。仕上がりでは、図から人物紹介へ移れるページ番号に置き換える、名前だけを残すなど、読む家族に必要な表記を選びます。実際のページが決まった後に、図の案内先も照合します。
同じ人の名前と、写真の説明をそろえる
図では本名、写真の下では愛称、人物紹介では旧姓というように表記が分かれると、同じ人だと気付きにくい場合があります。呼び名を残したいときは、最初の紹介で対応が分かる書き方を考えましょう。
続柄を添える場合は、「誰から見た関係か」をそろえます。読む人が何人もいる冊子では、名前を基本にし、必要な紹介文で「Cさんの母」のように関係を書く方法もあります。
写真の撮影時期や場所、写っている人の名前も、分かる範囲で原稿へまとめます。記憶が曖昧な年月を確定した日付として載せず、家族が確認できる説明に整えます。
掲載したい情報と、手元で保管する情報を分ける
名前や顔写真のほか、生年月日、住所、連絡先などをどこまで載せるかは、冊子を渡す範囲と本人・家族の希望を合わせて決めます。人物を区別するために必要な情報から選び、集めた項目をすべて紙面へ移さないようにします。
系図を作るために確認した資料と、完成した冊子へ載せる原稿も分けて考えます。写真の提供元、使ってよい範囲、本人や関係する家族へ確認が必要な箇所を整理し、掲載前に内容を見てもらう方を決めておきましょう。
確認が残る人や関係がある場合は、その部分を保留にして構成を考えます。見た目を整えるために線を足したり、本人の希望が未確認のまま公開範囲を広げたりしない形で進めます。
相談には、写真と確認済みの関係情報をそろえる
複写 HUKUSYAへは、今回載せたい家族の範囲、手元の写真、人物紹介の原稿、家族が確認した関係情報をお知らせください。作品集・カタログ・Web制作の案内をもとに、写真と関係図を一冊へ組む範囲を相談できます。
戸籍の調査や親族関係の認定を依頼する内容にはせず、用意された情報をどう写真集として見せるかを合わせます。冊子を渡す相手、Web掲載の希望、確認が残る箇所、最後に内容を確かめる方を共有し、写真と人物のつながりを読める構成にしましょう。
参考資料
- 国立国会図書館「先祖・ルーツを調べる」(2023年4月28日更新)。刊行された系図の探し方や参考文献への案内。



