区間の幅が違う参加時間を、人数表とヒストグラムで示し分ける
参加時間の区間幅が10・10・20分と異なるとき、人数を表で伝えるか、面積が人数に対応するヒストグラムにするか。最も高い区間と人数最多の区間を、同じ原表から分けて説明します。
HUKUSYA / JOURNAL

地域の記念誌に、参加時間の集計を載せる。原表には「0分以上10分未満」「10分以上20分未満」「20分以上40分未満」と並び、最後の区間だけ時間の幅が広くなっています。三つの人数を、そのまま同じ幅の長方形にしてよいでしょうか。
先に決めたいのは、読者へ何を伝えるかです。区間ごとの人数を直接伝えるなら人数表。時間の幅を保って分布を見せるなら、長方形の面積が人数に対応するヒストグラムを使います。同じ原表でも、図の目的によって整える箇所が変わります。
人数を知りたいのか、時間の分布を見たいのか
「20分以上40分未満は何人か」という問いには、区間名と人数の表で答えられます。区間の時間幅が異なっていても、4人・6人・8人をそのまま読むことができます。記念誌の短い紹介欄で人数を伝えたいときは、この表が掲載案になります。
「参加時間がどの範囲に分布しているか」を時間軸で見せたいときは、各区間の幅を図にも残します。0〜10分と10〜20分は同じ幅、20〜40分はその2倍。人数を高さへそのまま置くと、最後の区間は横幅と高さの両方で大きく見え、面積と人数が対応しなくなります。
統計局のヒストグラムの解説も、階級の人数は長方形の面積に対応し、幅が異なる場合には高さへ注意することを示しています[1]。人数表を無理に図へ替えるのではなく、誌面で伝えたい問いに合う形式を選びます。
原表の境界と人数を、そのまま残す
この案では、0分以上40分未満の参加時間を三つの区間で扱います。0分以上10分未満が4人、10分以上20分未満が6人、20分以上40分未満が8人。合計は18人です。
| 参加時間 | 人数 |
|---|---|
| 0分以上10分未満 | 4人 |
| 10分以上20分未満 | 6人 |
| 20分以上40分未満 | 8人 |
| 合計 | 18人 |
「0〜10分」だけでは、10分をどちらの区間へ含めるか曖昧になります。表では「以上・未満」を書き、図のそばにも同じ境界の説明を残します。元資料が別の境界の決め方なら、図を整える前に資料の確認担当者へ確かめます。
最後の20〜40分を二つに分けたい場合も、8人を4人ずつへ割り振ることはできません。区間内の個人の参加時間が分からなければ、新しい区間の人数は確定できないからです。見た目をそろえるために区間や人数を作り直さず、確定した原表を使います。
横幅と高さを掛けると、元の人数へ戻る図にする
ヒストグラムでは、横軸を参加時間(分)とし、長方形を0〜10、10〜20、20〜40の位置に置きます。この案の高さは「人数÷区間の幅」で決めます。縦軸は人数そのものではなく、人数密度(人/分)です。
最初の区間は4人÷10分で0.4人/分。次は6人÷10分で0.6人/分。最後は8人÷20分で0.4人/分になります。横幅と高さを掛けると、10分×0.4人/分=4人、10分×0.6人/分=6人、20分×0.4人/分=8人。三つの面積は、元の4人・6人・8人に対応します。

縦軸を「人数」と書いてしまうと、0.4や0.6を参加者数として読ませてしまいます。「人数密度(人/分)」の単位と、「面積が人数に対応する」という短い説明を図の近くへ置きます。高さ0.4から、各1分に決まった人数がいたと読み取ることはできません。この図は、区間内の個々の時間を示しているわけではありません。
最も高い区間と、人数が最も多い区間を分けて書く
この図で最も高い長方形は、10分以上20分未満の区間です。一方、人数が最も多いのは、20分以上40分未満の8人。後者は時間の幅が2倍あるため、高さは0.4人/分でも面積が大きくなります。
図に添える文章は、例えば次のように組めます。
10分以上20分未満の長方形が最も高く、人数密度は0.6人/分です。区間別の人数では、20分以上40分未満の8人が最も多くなっています。
「最も高いので人数も最多」と一文でまとめず、図の高さと原表の人数をそれぞれ確かめます。この集計だけから、正確な平均参加時間や個人の時間は求められません。活動の成果や参加理由の説明も、図の形から追加する結論には含めません。
図と人数表を、同じ一頁で照合する
記念誌の掲載案では、図の近くに同じ区間の人数表を置きます。軸の単位、区間の境界、面積と人数の説明、掲載文まで一頁でたどれる配置です。人数表と分布図を一頁で見ると、各区間を図と表で見返せます。
紙面の寸法に合わせるときは、最後の区間だけを縮めて同じ幅にせず、図全体の大きさをそろえて調整します。文字が読みにくくなったら、図・表の位置や説明の量を見直します。Webでも、画像の中の小さな文字に頼らず、同じ区間・人数・式を通常の本文に残します。
区間と人数が確定した資料を、記念誌へ組む
制作の相談には、区間と人数の原表、時間の単位と境界の決め方、数値を確認する担当者、人数と分布のどちらを伝えたいか、予定掲載寸法と公開条件を添えます。境界や集計対象が分からない場合は、その点を確かめてから図へ移します。
地域資料を冊子やWebへ紹介する制作については、地域・公共資料の記録と紹介の詳しい内容をご覧ください。集計は依頼者が確定した資料を前提とし、図と本文の編集、数値の照合、印刷・Webでの対応範囲と費用は個別に確認します。新しい調査や統計解析、活動の効果の評価を、図の編集に含むとは約束しません。
原表と掲載したい内容を添えて、参加時間の図と表を載せる記念誌の制作を相談するへお知らせください。
参考資料
- 総務省統計局「ヒストグラム」。長方形の面積と度数、幅が異なる場合の高さ、階級幅の変更の説明を参照。この記事の数値・人/分の式・掲載構成は、同じ原表を使った編集提案です。



