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昔の記録を冊子に残す 数量の原表記を読みやすく伝える

古い記録にある数量と単位を、原文の姿を残して伝えるには。静岡県統計書の原表を使い、原画を広く見せる一頁と、活字の読みを添える見開きを比較します。

木の机に開いた、古い表と文章をまとめる冊子の編集イメージHUKUSYA / JOURNAL

家や地域に残る古い記録を、一冊にまとめて身近な人へ渡したい。数量のある頁は、数字と一緒に、周りの言葉や表の姿も残すと読み返す手掛かりになります。文字の形を広く見せるか、活字の読みも添えるか。渡す相手を思い浮かべながら、紙面の役割を考えてみましょう。

ここでは公開資料の『静岡県統計書. 明治44年 第2編』を使い、同じ原表から二つの紙面を組みます。一案は原画を広く見せる一頁、もう一案は原画と活字の読みを分ける見開きです。どちらも原表の数量をそのまま残し、現在の単位への換算は加えません。

誰と、どんな記録を読み返したいか

古い頁には、文字の形、罫線、行や欄の並び方にも、その資料らしさがあります。書かれた姿を見てほしい一冊なら、原画を大きく置く頁が候補になります。元の頁を眺めたあとで内容もたどってほしいなら、活字の読みを添える見開きが考えられます。

一冊を渡す相手が、その記録に初めて触れる人なのか、原文を知っている人なのかでも、添える言葉の量は変わります。残したい頁を選ぶときに、「この数字だけでなく、どの言葉や表の形も見てほしいか」を考えると、原画と活字の置き方を相談しやすくなります。

今回の資料は、昔の学校の資産を載せた県の統計書です。家族の手稿を預かった事例としてではなく、公開された古い記録から、原画と読みの役割を考える編集作例として紹介します。

数量の前後にある言葉も残す

作例に使うのは、国立国会図書館デジタルコレクションの第72コマにある、印刷126頁の「第四〇 縣公學資產」です。表には「四十三年度」と記されています。資料名の「明治44年」や、書誌の刊行年である大正元年(1912年)と、表に書かれた時期を分けて残します。

「女子師範學校」の行を、「土地」の中の「敷地」、その「坪數」の欄へたどると、「2,000」という数値があります。単位の「坪」は、この欄の見出しから読むものです。数字だけを切り出さず、行の名前と欄の見出しがわかる範囲を原画に残します。

隣の「價額」の欄にも、2,000という数値があります。こちらは金額の欄です。原画の数字を活字へ写すときも、どの行のどの欄かを近くに添えると、同じ数字を取り違えずにたどれます。今回の紙面では、敷地の原表記として2,000坪を紹介し、換算した新しい数量を載せていません。

原画を広く見せる一頁

一頁の案では、原表の見出しと対象の行が入る抜粋を、紙面の中心に置きました。近くに「女子師範學校」「土地・敷地・坪數」「2,000」という短い活字の読みを添え、表の時期と出典も同じ頁に収めています。

原画を眺める広さを持たせながら、どこを読む資料なのかを短い言葉で案内する組み方です。記録の文字や罫線を見せる頁として、前後の写真や文章の間へ一つの資料頁を置きたいときに候補になります。

原画の小さな字をすべて画像の中だけで読ませようとせず、見てほしい行と数量を活字でもたどれるようにします。数字を大きく写す場合も、そのそばに行・欄・単位を残すことが、元の表へ目を戻す手掛かりになります。

静岡県統計書の同じ原表を、原画を広く見せる一頁と、原画に同じ原表記の活字の読みを添える見開きで組む二案。女子師範學校の敷地の坪數2,000、表の時期と出典を保持。
同じ原画と原数量を使った二つの編集作例。原表の姿と活字の読みを、どこへ置くかを比較します。画像を選ぶと拡大して見られます。

原画と活字の読みを分ける見開き

見開きの案では、左頁に同じ原画を置き、右頁へ対象の行と欄、数値と単位の読みをまとめました。原画を見る場所と、言葉でたどる場所を分けた構成です。表を読む手掛かりも渡したいときに、候補になります。

右頁には、元の「女子師範學校」「坪數」「2,000」などの表記を残します。その周りに添える説明は、表を読むために今回加えた言葉だとわかる形にします。原表から写した部分と、編集の説明を見分けられるように組むと、どの文字が資料にあるものかをたどれます。

二案で扱う数量と根拠は同じです。原画と活字へ使う広さを変えても、表の「四十三年度」、行と欄、単位と出典は残します。現代の単位へ置き換えた値や、その数字から推定した当時の学校の姿を足すことで、内容を変える比較にはしていません。

出典は、静岡県 編『静岡県統計書. 明治44年 第2編』、国立国会図書館デジタルコレクション、第72コマ・印刷126頁です。原画の抜粋位置と、転記・紙面の編集が複写 HUKUSYAによるものだとわかる表示を添えています。

残したい頁と、読ませ方を添えて相談する

残したい記録の画像、数量のある頁、誰へ渡したい冊子か、原画と活字のどちらを主に見せたいか。こうした資料と希望を持ち寄ると、一冊の構成を具体的に相談できます。転記する範囲と説明を添える場所も、原画を見ながら決めていきます。

複写 HUKUSYAでは、お持ちの画像や文章から、資料の選択、掲載順、短い説明、頁構成を考える作品集・冊子の制作をご相談いただけます。原本からの撮影・スキャン、印刷・製本も希望する場合は、資料の状態と、お考えの部数・対応範囲・費用を合わせてご相談ください。

今回の作例は、公開された原頁の数量を原表記のまま紹介する方法です。ご家族や地域の非公開資料を使う場合は、資料の提供者が確認した掲載・公開の範囲を共有してください。歴史的な尺度や換算の専門判断が必要な資料は、その根拠を確定する担当者と役割を決め、冊子へ渡す内容を整えます。

原画を広く見せる頁にするか、活字の読みを向かい合わせに置く見開きにするか。残したい頁の姿と、身近な人に読んでほしい内容から、一冊の紙面を考えていきましょう。

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