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手紙や古い名簿を紹介する前に|公開版で伏せる情報を決める

手紙や古い名簿を冊子・Webで紹介する前に、原資料と公開用の複製を分けます。非掲載・抜粋・伏せた掲載を比べ、不要な個人情報と、ファイルやリンク先に残る情報の確認を整理します。

閉じた白い封筒と無地の便箋を、木の机に離して並べている。HUKUSYA / JOURNAL

家族の手紙や古い名簿を、冊子やWebで紹介したい。ところが、伝えたい内容と同じ紙面に、住所や連絡先、本人以外の人の情報も入っていることがあります。

まず、残す原資料と公開用の複製を分けましょう。その上で、何を紹介したいかに合わせて、掲載を見送る、一部を抜粋する、必要のない情報を伏せて掲載する方法を比べます。

紹介したい内容を、公開する目的から選ぶ

手紙の言葉を読んでもらいたいのか、当時の紙面や筆跡を見せたいのか、名簿が作られた活動を紹介したいのか。目的が決まると、必要な情報と、公開しなくても伝わる情報を分けやすくなります。

手紙なら、本文だけでなく、宛名、差出人、封筒や裏面も確認します。名簿なら、一人分の氏名や連絡先だけでなく、同じ列や前後の行に別の人の情報が入っていないかも見ます。

全部を載せることを先に決めず、今回の読者へ何を伝えるための一枚かを整理します。保存する範囲と、人に見せる範囲は別に考えられます。

同じ手紙文から、三つの紹介方法を比べる

ここでは「庭の花が咲きました。また一緒に描きましょう。」という自作文案に、宛名や連絡先の欄が付く一通を構成例にします。この言葉を紹介したいとき、紙面全体をそのまま載せる以外にも方法があります。

自作の手紙文から、三つの紹介方法を考える
紹介の方法 選ぶときの考え方
画像を載せない 紙面の掲載を見送り、確認できた内容を説明文で伝える。公開範囲が決まるまで保留する方法もある。
一部を抜粋する 伝えたい本文など、必要な範囲を選ぶ。抜粋と分かる説明を添え、前後の意味も確認する。
伏せて掲載する 紙面の姿を見せる目的に合わせ、不要な宛名・連絡先などを公開版から除く。変更した範囲を説明する。

筆跡の雰囲気を見せたいなら、本文の必要な部分を画像として抜粋する案もあります。言葉の内容を伝えたいだけなら、確認した文章を引用・紹介する構成も考えられます。どちらも、紹介してよい範囲の確認は別に必要です。

多くの部分を伏せると意味が分からなくなる場合や、掲載範囲を確認できない場合は、画像の掲載を見送る選択も残します。

名前のほかに、何が人を知らせるかを見直す

確認する箇所には、住所、電話番号、メールアドレス、署名、顔の写真などがあります。本文に書かれた仕事や所属、場所、家族関係なども、紹介する内容と合わせて見直します。

個人情報保護委員会のFAQは、事業者が扱う情報について、他の情報と容易に照合することで個人を識別できる場合も個人情報に含まれると説明しています。今回の編集でも、名前を一箇所伏せるだけでなく、本文・画像・説明文を合わせて何が伝わるかを確かめます。

資料の持ち主以外の人が登場する場合は、その人について何を紹介するかも分けて考えます。古い資料という理由だけで公開範囲を決めず、関係する方と確認できる内容を整理します。

何を伏せれば個別の公開が適法になるかを、この表だけで判断するものではありません。公開の可否に関する確認と、今回の編集案を分けて進めます。

元の記録を残し、公開版を別に作る

保存用の全体画像を直接書き換える前に、公開用の複製を別のファイルとして用意します。元の記録と公開版を見分けられる名前や置き場所にし、どこを抜粋・変更したかを記録します。

原物の書き込みや消去で公開版を作るのではなく、複製を使って見せる範囲を整えます。元の記録へ戻れるようにしながら、掲載する画像や文章を選びます。

公開用で一部を伏せる場合は、たとえば「連絡先を省略」など、何を変更したかが分かる説明を添えます。読み取れない字と、掲載のために伏せた箇所を混同しないようにします。

画面で隠れることと、ファイルから除くことを分ける

文字の上に黒い図形を重ねるだけでは、元の文字や画像がファイル内に残る場合があります。見た目だけを隠した状態を、公開用の情報を取り除いた状態と同じには扱いません。

Adobeの機密情報を取り除く案内でも、文字・画像の墨消しに加え、コメントやメタデータ、隠れたレイヤーなど、画面に見えない情報を取り除く工程が説明されています。

画像と一緒に文字情報を持つPDFや、編集できるファイルを渡す場合は、そこに残る情報も確認の対象になります。必要な処理は作成する形式や使う機能で異なるため、公開するファイルの形を制作担当とそろえます。

公開する実ファイルを開き直し、見た目だけでなく、検索やコピーで伏せた情報が出ないか、コメントや付属情報に残っていないかを、形式に合わせて確認します。検索で見つからないことだけを、すべての情報を除けた証拠にはしません。

掲載する画像と、リンク先のファイルをそろえる

冊子で使う公開版と、Webで使う公開版は、用途ごとに確認します。Webでは、本文中の小さな画像だけでなく、拡大して開く画像やダウンロード先も、公開用として選んだものへそろえます。

伏せた見本だけを確認していても、元の全体画像へリンクが残っていれば、公開したくない情報へ届くことがあります。掲載する画像、説明文、配るファイルとそのリンク先を一緒に確かめます。

公開範囲を変えた場合は、どの版を掲載・配布するかと、更新する担当も確認します。保存用の記録と公開用のファイルを取り違えないようにします。

資料の種類と、伝えたい内容からご相談ください

最初の相談では、資料の種類、紹介したい内容と、冊子やWebのどこへ載せるかをお知らせください。掲載の確認が済んだ範囲と、判断が未定の部分も分けて相談できます。

複写 HUKUSYAの手元の作品・資料からの冊子・Web制作では、確認した原稿や画像をもとに、非掲載、抜粋、公開用の複製を使う見せ方から、編集とデザインをご相談いただけます。

元の記録を残すことと、読む人へ紹介することを分け、掲載する範囲と公開用ファイルをそろえていきます。

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