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社史の棒グラフを組み直す 軸の途中省略で差を大きく見せない

社史の棒グラフは、原値・対象年・単位をそろえてゼロから描きます。公表された二つの数量を例に、原欄と数表を添えて冊子へ組む考え方を示します。

社史冊子の表紙と見開きのイメージ。左に繊維工業13,316・印刷と同関連業13,536の数表、右に2022年の事業所数のゼロ起点の二棒を置いた案HUKUSYA / JOURNAL

社史や周年冊子で二つの数量を棒グラフにするなら、棒はゼロから同じ目盛で描きます。途中から始めた軸では、小さな違いが大きな長さの差に見えることがあります。数量の全体はゼロ起点の棒で、細かな違いは添えた数表で確かめられる紙面に整えます。

原表で年・項目・単位をそろえる

図を描く前に、数値が何を数え、いつの時点を示すのかを原表へ戻って確かめます。この記事では、総務省統計局「第74回日本統計年鑑」の9-3表から、2022年(令和4年)の繊維工業と印刷・同関連業の事業所数を抜粋します。公式の表計算ファイルでは、繊維工業がA12・D12、印刷・同関連業がA16・D16に対応し、D5の見出しは「事業所数」です。[1]

年鑑の版は令和7年ですが、この二つの数値の対象年は2022年です。また、表の冒頭にある「金額100万円」は金額欄の単位で、事業所数の単位ではありません。表題だけで判断せず、使う列の見出しと、値の対象年を図にも残します。

ここで扱うのは、公表された産業別の事業所数二項目です。一社の成長や年度をまたぐ増減を示すものではありません。自社の社史に使う図では、自社資料の集計対象、期間、単位をそろえ、確認担当者が確定した値から紙面を組みます。

棒の長さをゼロから描く

棒グラフは、塗られた棒の長さで数量を伝えます。軸を途中で切ると、棒に残った長さの比が元の数量の比と違ってしまいます。ONS(英国国家統計局)の図表指針でも、棒のように長さや面積で値を示す図は、軸をゼロから始めるとしています。[2]

次の紹介図は、二つの棒をゼロから14,000までの同じ目盛に置いています。13,316と13,536の棒は、ほぼ同じ長さに見えます。この見え方を保ったまま、正確な値を棒のそばと数表へ記します。

2022年の原表の該当欄と、繊維工業13,316・印刷と同関連業13,536の事業所数をゼロから14,000の共通目盛に置いた二つの棒を並べた紙面
原表の見出し・二つの原行・調査出典の抜粋と、ゼロ起点の紹介図。原行は離れているため別々に抜粋しています。画像を開くと原欄を拡大できます。

出典:総務省統計局「第74回日本統計年鑑」9-3「製造業の産業中分類別事業所数、従業者数、製造品出荷額等及び付加価値額(令和4年)」、印刷282頁。原調査は総務省統計局・経済産業省「経済構造実態調査 製造業事業所調査結果」。二項目の原欄抜粋・紹介図の編集:複写 HUKUSYA。年鑑の第9章・製造業から9-3の原表へ戻れます。

細かな違いは数表を添えて伝える

ゼロ起点では棒の長さが近く、細部を見分けにくいと感じる場合もあります。そのときは棒を引き伸ばさず、数表を近くに置きます。紙面で全体の量をつかみ、文字で正確な値を確かめられる組み合わせです。

2022年(令和4年)の事業所数・二項目の抜粋
産業 事業所数
繊維工業 13,316
印刷・同関連業 13,536

この表は原表の二項目を抜粋したもので、全産業の一覧や順位表ではありません。図と表が同じ対象年・項目・数値を扱っているかを確認し、抜粋範囲も説明します。別の計算値を載せる場合は、原値とは分けて、その計算の意味と根拠を確かめてから考えます。

なお、線グラフや散布図まで、すべての軸を必ずゼロにそろえるという話ではありません。ONSの指針は、長さや面積で数量を表す図と、それ以外の図を区別しています。社史の図も、何を比べるかに合わせて形式を選びます。[2]

冊子の幅に収めても、起点と出典を残す

冊子では、目盛や注記を置く余白も図の一部です。二つの棒に別々の目盛を使ったり、ゼロや単位を紙面の外へ押し出したりしないよう、見開き全体で確認します。縮小した紙面で数字が細かくなるなら、図の項目を減らす、数表を隣に置く、原表を別頁へ案内するなど、残す情報を考えます。

冒頭の表紙・見開きの冊子イメージも、左に二行の数表、右に同じ二項目のゼロ起点の棒を置く組み方です。最終の掲載図では、対象年、事業所数という単位、原表の出典をそろえ、元の値へ戻れるようにします。画像だけでなく、本文の表や画像の説明文にも同じ二値を保ちます。

原表と掲載範囲を添えて相談する

社史の図を相談する際は、元の表、使いたい期間と項目、単位、掲載してよい範囲、内容を確認する担当者をそろえてください。元の資料に図がある場合は、その図と元の数表を一緒に用意すると、どの値をどの表現へ移すのかが明確になります。

複写の企業資料の保存・社史の編集相談では、写真や文書などの記録をデータとして整え、希望に応じた内容の整理・編集や冊子・Web制作を相談できます。原値の確定と内容確認は社内の担当者と進め、編集、印刷、製本、公開後の更新は、希望する工程と費用を個別に確認します。

社史や周年冊子の図を、原表に沿って読みやすく整えたい方は、元の表と掲載したい範囲を添えて社史の図と紙面について相談するからお問い合わせください。

参考資料

  1. 総務省統計局 第74回日本統計年鑑・第9章 製造業、9-3表 製造業の産業中分類別事業所数等(令和4年・原表XLSX)。シートy0903000のA12/D12、A16/D16、見出しD5を参照。統計局ホームページの利用についても参照。
  2. Office for National Statistics Axes and gridlines。棒などの長さ・面積で量を示す図の軸と、線・散布図の軸の範囲を区別。
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